BPとイベルドローラ EV急速充電インフラとグリーン水素製造で協業
英石油大手BP(ティッカーシンボル:BP)とスペイン電力大手イベルドローラ(IBE)は7月28日、スペイン、ポルトガル、英国での電気自動車(EV)急速充電インフラの大幅拡充と大規模なグリーン水素製造ハブの構築に向けて協業すると発表した(*1)。これらの取り組みを通じて運輸、産業部門の脱炭素化を後押しする。
EV充電インフラの分野では、BPとイベルドローラで合弁会社を設立する計画だ。合弁を通じて、最大10億ユーロ(約1,360億円)を投じ、スペインとポルトガルで最大11,000ヶ所の公共用急速充電スタンド(#1)の導入を目指す。両社の既存の急速充電ハブを含め、2025年までに5,000箇所、30年までに11,000箇所の設置を計画。英国でも共同でEV急速充電スタンドの設置を模索する。
イベルドローラは住宅、オフィス、公共用充電に加え、バスやトラックの電動化を含む包括的なモビリティサービスを提供する。スペインとポルトガルで2,500箇所超の公共用EV充電設備の運営を主導するとともに、エンドツーエンドの運輸の脱炭素化に資する再生可能エネルギーも供給する方針だ。
BPは世界中でEV充電スタンドの大幅拡充を目指す。おもに英国とドイツではすでに、10,000箇所を超える充電設備を設置している。スペインとポルトガルでは、広域かつ立地条件の良い1,300箇所のガソリンスタンドを活用する。
両社はスペイン、ポルトガル、英国で最大600ktpaの生産能力となるグリーン水素製造ハブの開発に加え、北欧向けとなるグリーンアンモニア、メタノールなどの水素派生燃料も生産する計画だ。BPのカステリョン製油所でのグリーン水素製造に向け、両社はエネルギー技術研究所(ITE)とともに、スペイン政府による水素バリューチェーン分野の戦略的復興・変革プロジェクト(PERTE)への承認申請を行った。
今回の戦略的提携を通じ、イベルドローラがグローバルベースで培ってきた再生可能エネルギー開発に関する実績にもとづくノウハウや顧客基盤と、BPが誇るガスの製造プロセスに関する専門性や取引、グローバル顧客ポートフォリオを相互に活用する。
規制当局の承認を得次第、22年末までに合弁設立に向けた契約の締結を目指す。
(#1)出力50kW超の急速充電と150kW超の超急速充電を含む
【参照記事】*1 BP「Iberdrola and bp to collaborate to accelerate EV charging infrastructure and green hydrogen production」
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