SolanaでNFTを取引するならこのマーケットプレイス!Magic Edenとは?
今回は、Web3.0とDAOをテーマに事業を行うFracton Ventures株式会社の寺本健人 氏から寄稿いただいたコラムをご紹介します。
目次
今回は、Solanaブロックチェーンで取引されているNFTに目を向けていきます。圧倒的な取引量とコミュニティを誇るEthereumには及ばないものの、Solanaでは毎日4万~7万件程度のNFT取引が行われており、NFT市場の規模としてはEthereumに次いで2番目となっています。SolanaのNFTエコシステムについては昨年10月にも記事を発表していますが、それ以来非常に多くのNFTコレクションが生まれたため、今回は特定のNFTコレクションではなく、多くのコレクション・ユーザーが利用しているNFTマーケットプレイス「Magic Eden」について見ていきます。
SolanaにおけるMagic Edenの取引シェアは圧倒的で、ほとんど99%を超えています。今年4月にはOpenseaもSolanaへの進出を発表しましたが、Openseaはほとんど利用されておらず、MagicEdenがほとんどの取引を処理していることがわかります。
今回の記事では、そんなMagic Edenの強さの秘密を見ていきます。
Magic Edenの基本機能
Magic Edenの主な機能は他と同じNFTマーケットプレイスで、様々なNFTを取り扱っています。ユーザーはコレクションごとにNFTを閲覧し、それぞれのNFTに設定された特徴(アトリビュート)で絞り込んで検索して、気に入ったものがあれば入札するか、売り手が提示した価格で買うことができます。こうした基本的な機能は他の多くのマーケットプレイスと似通っています。
しかし同じマーケットプレイスでもMagic Edenの場合は細かな部分までUX(ユーザーエクスペリエンス)に配慮した設計がなされており、人気の1つの理由になっているとされます。例えばチェックアウト手順を飛ばしてワンクリックでNFTが購入できる「Quick Buy」機能や、トレーダー向けに過去のNFTの取引価格チャートや出品価格の分布、レアリティと価格の相関などのデータをコレクションごとにダッシュボード形式で提供する「Analytics」機能などはMagic Edenにしかない特徴と言えるでしょう。
Magic EdenのLaunchpad
また、Magic Eden独自の機能「Launchpad(発射台)」も人気のある機能の1つです。通常のNFTの場合はプロジェクト自身がウォレットを接続してMintするためのWebサイトやスマートコントラクトを用意しますが、これではNFTとコミュニティを整備するのが大きな仕事であるプロジェクト側に無用の負担がかかってしまいます。そこで審査に合格して選ばれたプロジェクトはLaunchpadを利用することで、Magic Edenプラットフォームが用意したスマートコントラクトを使い、Magic Edenのサイト上でNFTを発行することができます。ローンチ時の負担を減らすことができるというプロジェクト側のメリットに加え、ユーザー側にとってもMagic Edenが行った審査に合格した、ある程度のクオリティが保証されたNFTであるという安心感が得られ、詐欺まがいのNFTを掴まされる懸念がなくなります。
プロジェクト側の負担が少なくなるというメリットは意外な部分でも発揮されます。例えばSolana上で仕組債を提供するDeFiプロトコルの「Cega Finance」は、メインの金融商品プロトコルでも特典を得ることができるコレクティブル・ユーティリティNFTを発行しましたが、その際に利用されたのがMagic EdenのLaunchpadでした。この事例からわかるように、DeFiプロトコルやDAOなど、NFTを発行することそれ自体が目的でない場合は、Launchpadのような機能を利用することで発行にかかる負担を減らしてそのNFTのユーティリティ開発に注力できるようになります。Cega Financeの場合、NFTの保有者だけがアクセスできる商品がユーティリティとして用意されていましたが、もしNFT発行に関する全ての作業を開発チームが行わなければならない場合、余計な工数がかかりすぎていたでしょう。そうした手間を削減してくれるLaunchpadは単にプロジェクトやユーザーにとって便利というだけでなく、SolanaブロックチェーンにおけるNFT市場全体を活発にするという大きな効果を及ぼしているとも言えます。
Magic Edenの今後
Magic Edenは業界に強い影響力を持つ複数のベンチャーキャピタルが参加した今年3月と6月の資金調達ラウンドで合わせて1億5,000万ドル超を調達しており、チームの拡大やプロダクトの開発に十分な体力を備えています。この資金を使ってゲーム分野を強化するほか、Solana以外のブロックチェーンにも進出する計画を立てているそうです。Magic Edenの創業者はインタビューで「ゲームや音楽、アートワークなどのNFTは特定のブロックチェーンに集まっており、Magic Edenはそこに進出したい」と語っています。どのチェーンかは明言していませんが、例えばFlowやPolygonブロックチェーンがその条件に合致すると思われます。そうしたチェーンはまだマーケットプレイスが確立していないため、十分な体力をもって参入すればSolanaと同じように支配的な立ち位置を獲得できるでしょう。
また、3月の資金調達に参加したVariant Capitalは6月のブログ記事で、DiscordやTwitterなどに断片化された状態で存在している情報をまとめ上げ、Magic Edenをコミュニティの情報をまとめるユーザー体験の中心地にしたい、また運営をDAO化してコミュニティを巻き込んでいきたいという将来の見通しを明らかにしています。実際のところMagic Edenは既に「Solanaで最も使われているマーケットプレイス」にはなっていますが、今後より競争が厳しい他ブロックチェーンに進出する上ではこうしたユニークな機能を実際に役に立つ機能として提供できるかが競合と差をつける要因になると思われます。そのため、Magic Edenが今後勢いを維持していけるかは、マーケットプレイスの取引高だけでなく新たに投入する機能もウォッチした上で見極める必要があるでしょう。
【参照URL】Magic Eden
ディスクレーマー:なお、NFTと呼ばれる属性の内、発行種類や発行形式によって法令上の扱いが異なる場合がございます。詳しくはブロックチェーン・暗号資産分野にお詳しい弁護士などにご確認ください。
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Source: 仮想通貨の最新情報BTCN | ビットコインニュース
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