bitFlyer(ビットフライヤー)に上場した仮想通貨「メイカー(MKR)」とは?
今回は、bitFlyerに上場したメイカー(MKR)について、大手仮想通貨取引所トレーダーとしての勤務経験を持ち現在では仮想通貨コンテンツの提供事業を執り行う中島 翔 氏(Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12)に解説していただきました。
目次
- bitFlyerとは
1-1.bitFlyerの概要
1-2.bitFlyerの特徴 - メイカー(MKR)とは
2-1.メイカー(MKR)の概要
2-2.仮想通貨としてのスペック
2-3.メイカー(MKR)の特徴 - メイカー(MKR)のアップデート状況
3-1.「メーカー財団(Maker Foundation)」の解散
3-2.新たなトークン設計
3-3.ステーブルコインであるダイのユースケースの拡大 - まとめ
国内最大規模の暗号資産(仮想通貨)取引所として知られる「bitFlyer(ビットフライヤー)」は、アルトコイン販売所で新たに「メイカー(MKR)」の取り扱いを22年8月2日からスタートしました。
今回は、bitFlyerで新たに取り扱いが開始されたメイカー(MKR)についての概要や特徴、将来性などを解説していきます。
①bitFlyerとは
1-1.bitFlyerの概要
bitFlyer(ビットフライヤー)とは、「ブロックチェーンで世界を簡単に。」という使命を掲げ、仮想通貨関連のさまざまなサービスを展開している国内最大規模の取引所です。14年1月9日に設立された仮想通貨取引所であるbitFlyerは、セキュリティ面に定評があり、ハッキング被害がゼロという実績を有しています。
1-2.bitFlyerの特徴
①取り扱い通貨が豊富
bitFlyerは取り扱いのある銘柄数も多く、「ビットコイン(BTC)」や「イーサリアム(ETH)」といった人気銘柄を揃えています。
販売所の取扱銘柄 |
17銘柄:ビットコイン、イーサリアム、リップル、ライトコイン、ビットコインキャッシュ、ベーシックアテンショントークン、ステラルーメン、モナコイン、ネム、チェーンリンク、イーサリアムクラシック、ポルカドット、リスク、テゾス、シンボル、ポリゴン、メイカー |
bitFlyer Lightning取引所の取扱銘柄 |
6銘柄:ビットコイン、イーサリアム、リップル、ビットコインキャッシュ、ステラルーメン、モナコイン |
②セキュリティ性が高い
bitFlyerはセキュリティ性が非常に高く、創業以来ハッキング被害を受けたことがないという実績を持っています。
③取引量が多く、流動性が高い
bitFlyerはビットコインの流動性が非常に高いことで知られています。
②メイカー(MKR)とは
2-1.メイカー(MKR)の概要
メイカー(MKR)とは、レンディングプラットフォームの提供を行っているプロジェクト「MakerDAO」におけるガバナンストークンです。「DAI(ダイ)」と呼ばれるステーブルコインの発行および管理を行っています。MKRは、イーサリアムブロックチェーンのトークン規格「ERC-20」として17年11月25日に発行されました。
MakerDAOは14年にデンマーク人の起業家であるルネ・クリステンセン(Rune Christensen)氏によって立ち上げられたプロジェクトで、「自律分散型組織(DAO)」の一つとして知られています。MakerDAOでは主に、メイカーと関わりの深い「ダイ(DAI)」という米ドルにペッグするステーブルコインの発行および管理が行われています。
2-2.仮想通貨としてのスペック
メイカーの仮想通貨としてのスペックは下記の通りです。
- ティッカーシンボル・・・「MKR」
- 現在の価格(22年8月9日現在)・・・1,136.49ドル(約153,368.10円)
- 時価総額・・・約11.1億ドル(約1499.3億円)
- 時価総額ランキング・・・50位
- 循環サプライ・・・約97.7万MKR
- 発行上限・・・約100.5万MKR
2-3.メイカー(MKR)の特徴
①MakerDAOのガバナンストークン
メイカーはMakerDAOにおけるガバナンストークンとしての役割を担っており、メイカーの保有率に応じて、プロジェクトの今後の方針や方向性などについての投票権を獲得することができる仕組みとなっています。
②「TVL(Total Value Locked)」においてトップを獲得している
「TVL(Total Value Locked)」とは、プロトコルの中に預け入れられている(ロックされている)仮想通貨の価値を表す基準のことを指し、メイカーはこのTVLにおいて何度も第一位に輝いています。
③「ダイ(DAI)」の発行が可能
MakerDAOでは該当する仮想通貨を預け入れることによって、米ドルにペッグするステーブルコイン「ダイ(DAI)」を発行することが可能となっています。MKRは、Makerシステム内のCDP(担保付き債務ポジション)と呼ばれる手数料の支払いに使用できます。
③メイカー(MKR)のアップデート状況
3-1.「メーカー財団(Maker Foundation)」の解散
MakerDAOの開発はこれまで、「メーカー財団(Maker Foundation)」によってリードされてきましたが、MakerDAOが完全に独自でガバナンスの管理を行うことができるようになった時点で、解散が決行されると発表されていました。
そんな中、メーカー財団のCEOであるルネ・クリステンセン(Rune Christensen)氏は21年7月時点で、今後数ヶ月以内にメーカー財団を解散し、MakerDAOを完全な分散型組織へと移行することをブログにて発表しており、現在ではプロジェクトの完全なる分散化に向けて、「コアユニット」と呼ばれる分散化された運営単位へと移行が行われています。
MakerDAOでは今後、このコアユニットを軸として、本格的な開発および運営が行われていく見込みです。
3-2.新たなトークン設計
昨今はメイカーのトークン設計についての議論がますます活発化していますが、中でも著名なベンチャーキャピタル会社である「アンドリーセン・ホロウィッツ(a16z)」は、22年3月23日時点で下記に挙げたようないくつかの案を提示しています。
①メイカーに新たなユースケースを追加する
a16zはメイカーに新たなユースケースを追加する案を提示しており、具体的にはステーブルコインであるダイのための保険基金を設置することや、不動産をはじめとする「RWA(リアルワールドアセット)」を使用するシステムにおける「オンチェーン担保」としてメイカーを採用する案などが発表されました。
②ガバナンスインセンティブを調整する
a16zはメイカーのガバナンスインセンティブを調整する案を掲げており、投票へのエンゲージメントを向上させるために、報酬としてメイカーを利用することや、権利の確定期間を設けることなどが提案されています。
3-3.ステーブルコインであるダイのユースケースの拡大
MakerDAOの公式ウェブサイトにて公開されているホワイトペーパーでは、現在および今後のダイのユースケースについて、下記のような項目を挙げています。
①送金手段としての活用
ダイは処理速度の速さや取引手数料の安さなどから、送金手段としての活用が進んでいます。
実際、21年7月19日には、日本円とペッグするステーブルコインである「JPYコイン(JPYC)」の購入に当たってダイを用いての決済が可能となるなど、その動きはますます拡大しています。
またこれ以外にも、ビジネスにおける領収書や、国境を越えた取引、国際送金などといったあらゆるシーンにおいてダイを活用することで、国際間取引の取引コストが大幅に削減されるとしています。
②予測市場への活用
予測市場においてボラティリティの比較的大きい仮想通貨を使用した場合、特に長期的な投資では価格変動に伴うリスクがかなり大きくなってしまうという懸念があります。
そんな中、ダイは米ドルと常に連動しているステーブルコインであるため、ボラティリティが比較的小さく、予測市場で使用するには最適な選択となっています。
そのため、今後は予測市場への活用もさらに拡大していくということです。
④まとめ
メイカーは古参のDeFiプロジェクトである「MakerDAO」のガバナンストークンとして機能しており、米ドルにペッグするステーブルコインであるダイとも深い関わりを持っています。
また、今後は「コアユニット」という単位によって分散的な開発および運営が行われていくほか、新たなアップデートについても議論および計画が進められており、大きな期待が集まっています。
今回、bitFlyerでの取り扱いがスタートしたことを記念して、抽選で最大5万円を獲得できるお得なキャンペーンも実施されているため、この波に乗り遅れないためにも、まずはbitFlyerで口座を開設し、メイカーの取引を行ってみることをおすすめします。
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Source: 仮想通貨の最新情報BTCN | ビットコインニュース
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