不動産投資でユニットバスの物件を選ぶメリット・デメリットは?
不動産投資では、快適な住環境を入居者に提供するのが、物件オーナーの役割の一つです。そのため物件を選ぶ際に、水回り設備について状態や形態を確認することは欠かせません。
そこで今回のコラムでは、ユニットバスに焦点を当てます。ユニットバスが設置された物件のメリットとデメリットを解説し、さらに物件選びの際の注意点も紹介します。
目次
- 不動産投資におけるユニットバスの物件
- 不動産投資でユニットバス物件を選ぶメリット
2-1.掃除しやすいなど様々な工夫がある
2-2.断熱性に優れている
2-3.リフォームしやすい
2-4.バリエーションが豊富
2-5.水漏れの心配が少ない - 不動産投資でユニットバス物件を選ぶデメリット
3-1.通気性が悪く、換気を徹底してもらう必要がある
3-2.限られたデザインからしか選択できない
3-3.2点、3点ユニットバスは不満につながる可能性も - 物件選びの際のユニットバスの確認ポイント
4-1.掃除のしやすさ
4-2.機能性の高さ
4-3.使いやすさ - まとめ
1 不動産投資におけるユニットバスの物件
ユニットバスと聞くと、浴槽とトイレが同じ空間にあるバスルームをイメージする方も多いようですが、天井や壁、床などが一体になったバスルームのことを指します。ユニットバスの特徴は工場でパネルなどのパーツを製造し、現場では組み立てるだけでバスルームが完成することです。この特徴からユニットバス、あるいはシステムバスと言われています。
ユニットバスには仕様によって違いがあります。それが「1点ユニットバス」「2点ユニットバス」「3点ユニットバス」です。具体的には下記のような違いがあります。
- 1点ユニットバス:天井や壁、床などが一体になったバスルーム
- 2点ユニットバス:天井や壁、床などが一体になったバスルームに洗面台がついている
- 3点ユニットバス:天井や壁、床などが一体になったバスルームに洗面台とトイレがついている
つまり、多くの方がイメージするような同じ空間に浴槽とトイレが設置されているユニットバスは「3点ユニットバス」ということになります。このユニットバスが設置されている賃貸物件には、どのようなメリットとデメリットがあるのか、次の項目から見ていきましょう。
2 不動産投資でユニットバス物件を選ぶメリット
ユニットバスには、工期短縮化などのメリットがありますが、代表的な5つについて解説していきます。
2-1 掃除しやすいなど様々な工夫がある
ユニットバスは各メーカーが独自で開発しており、機能性を高めることも可能です。例えば、下記のような工夫がされています。
- 床や壁がフッ素でコーティングされているためカビがつきにくい
- 皮脂汚れがつきにくい素材の床で清掃がしやすい
- 排水口の処理が手軽にできる
- カビが繁殖しやすいゴムパッキンを使用していない、など
このような工夫がされているユニットバスでは、入居者の清掃の時間が少なくなり、快適に暮らしてもらうことができます。
2-2 断熱性に優れている
ユニットバスは、浴室の大きさに合致するサイズの規格品を、浴室内で組み立てる方式で施工します。つまり、浴室内は2重構造となるため、断熱性に優れているという特徴があります。また床や壁のパネルに断熱材を付けて、断熱性を高めることもできます。冬の入浴は冷たい空気に冷やされて肌寒いものですが、ユニットバスであれば寒さを感じずにお風呂に入ることができるのです。
また浴槽には、お湯が冷めにくい高断熱浴槽を用いているメーカーもあります。このようなユニットバスであれば、追い焚き回数を減らせることができ、入居者の経済的な負担を減らすこともできます。
2-3 リフォームしやすい
賃貸物件を長期間使用していると、やがてバスルームの劣化が進み、修繕工事が必要な時期がきます。このとき、オーダーメイドなどの在来工事では、壁にタイルを1枚1枚貼り付けるような作業があるため、数日間〜1週間程度の工期が必要です。
それに対して、ユニットバスは現地でパネルを組み立てるだけなので、2〜3日程度で施工が完了します。つまりリフォームの期間短縮につながることで、新しい入居者を迎えるための準備期間を短くできるというメリットがあります。ユニットバスの施工では人件費も抑えられ、工事費用を削減することが可能です。
2-4 バリエーションが豊富
ユニットバスは、様々なメーカーで販売されていますが、サイズが共通化されており、様々なメーカーのユニットバスを導入検討することができます。デザインや求める機能、予算などに合わせて、様々なメーカーの製品から選べるため、入居者のターゲット層に合わせた戦略も検討できるでしょう。
また、浴室換気暖房乾燥機をはじめ、エステシャワーや酵素風呂などのオプションが用意されているのも特徴で、こちらも入居者の主要ターゲットに合わせて導入することも可能です。
2-5 水漏れの心配が少ない
ユニットバスは天井や壁、床などが一体になったバスルームであるため、ジョイント部にはパッキンやコーティングが施されており、防水性に優れています。
また浴槽の排水口が排水管と直接つながる構造になっており、排水による水漏れが起こりにくくなっています。住戸数が多いマンションなどでユニットバスが採用されるのは、このような理由があるからです。また悪臭や害虫の侵入にも強いのがユニットバスの特徴です。
3 不動産投資でユニットバス物件を選ぶデメリット
ユニットバスを設置している物件についてメリットを紹介しましたが、この項目ではデメリットについて解説していきます。
3-1 通気性が悪く、換気を徹底してもらう必要がある
ユニットバスは密閉された空間になっているため、通気性は悪くなります。つまり、湿気がこもりやすく、カビや悪臭が発生しやすいということです。マンションの場合、物件の位置によっては窓がついていないため、入居者に換気対策を行ってもらう必要があります。
2003年の「改正建築基準法」によって、すべての住宅に24時間換気システムの設置が原則義務付けられています。浴室に24時間換気システムを設置することは必須ではありませんが、換気の経路となっているケースでは設置する必要があります。
このような背景から、2003年以降に建てられたマンションであれば、バスルームに24時間換気システムが設けられている可能性ケースも多いでしょう。入居者の方へできるだけ稼働させておくように依頼されてみることも大切です。
3-2 限られたデザインからしか選択できない
最近は浴槽や床の素材、色や仕様など、ユニットバスのバリエーションが広がっています。しかしユニットバスは規格品のため、オーダーメイドのバスルームにはデザインの自由度は劣り、画一化された印象を受けてしまいます。
またユニットバスはサイズや形状が決まっており、「1216サイズ(0.75坪)」「1616サイズ(1坪)」「1818サイズ(1.5坪)」など数パターンに限定されています。そのため浴室のサイズや形状によっては、選択肢が少ない可能性もあります。
3-3 2点、3点ユニットバスは不満につながる可能性も
「2点ユニットバス」と「3点ユニットバス」のような浴槽と洗面台やトイレが一緒になっているケースでは、浴槽内が洗い場になるため、入居者に狭さを感じさせることになります。また、浴槽にお湯を溜めた場合、シャワーが浴びにくいのもネックです。
仕事の疲れを取るためにバスタイムを充実させたい意向を持っている入居者には、不満を感じさせてしまう可能性もあります。
4 物件選びの際のユニットバスの確認ポイント
これまでユニットバスのメリットとデメリットについて解説しました。ユニットバスによって入居者に不満を感じさせることもあるため、賃貸用物件を選ぶ際はユニットバスの確認も忘れないようにしましょう。この項目では、チェックする際のポイントを3つ紹介します。
4-1 掃除のしやすさ
バスルームだけではなく、キッチンやトイレなど水回り設備は、水を使うためカビや汚れが付着しやすいという特徴があります。そのためバスルームの清掃性が高いと、入居者は楽に掃除することができ、掃除の時間が短くなるなどメリットにすることができます。
具体的には下記のような項目をチェックします。
- ドアのパッキンにカビはついていないか
- 換気扇は掃除がしやすいか
- 排水口内のゴミや髪の毛は処理しやすいか
- 鏡や水栓は水滴の跡や水垢が目立ちやすいか
- 浴槽はどのような素材になっているか、など
掃除が好きな人もいますが、短い時間できれいにすることができれば、入居者の暮らしはより快適になります。バスルームの清掃性も確認しておくと良いでしょう。
4-2 機能性の高さ
バスタイムをより快適に過ごせるように、各メーカーによって様々な機能が設けられています。ターゲットとなる入居者に合わせて、必要な機能がついているかチェックしましょう。具体的には下記のような機能があるかがポイントになります。
- 浴室換気暖房乾燥機
- 追い焚き機能
- 水栓金具の省エネ機能
- 多機能シャワー
- 保温浴槽
- 掃除しやすい排水口
- 床暖房システム
- 浴室テレビ
- ジェットバス
- LED照明、など
足を伸ばすなど疲れを癒すことができる形状の浴槽や、美容効果が期待できる機能が搭載されたシャワーなどユニットバスの高い機能によって、入居者確保につながる可能性もあります。
4-3 使いやすさ
バスルームは日常的に利用される場所であるため、使いやすさが考慮されていると入居者に快適に過ごしてもらうことができます。下記についてチェックしましょう。
- 操作しやすい水栓か
- タオルをかける位置は適切か
- カウンターなど収納スペースは適切か
- シャワーヘッドの使いやすさはどうか
- 掃除用具などの収納スペースは確保されているか
- 入浴中につかまることができるバーは設置されているか、など
オーナーが賃貸用物件内のユニットバスを使用することはありませんが、ちょっとした不具合が入居者の生活しにくさにつながることもあります。気づきにくい部分であり入居者も指摘しずらいポイントの可能性もあるため、できるだけユニットバスの使いやすさを確認しておきましょう。
まとめ
多くの投資用マンションではユニットバスが採用されていますが、差がつきにくい部分で差別化を図ることで、入居者確保、あるいは入居の長期化につなげられる可能性もあります。
ただし、3点ユニットの場合は、バスタイムを充実させたい方にとっては不向きになります。物件価格を抑えられるメリットはありますが、ターゲット層や周辺の賃貸需要を照らしあわせて慎重に検討してみましょう。
今回のコラムでは、ユニットバスが設置された物件のメリットとデメリットを解説しました。入居者の方に快適に暮らしてもらえる賃貸物件経営を行うためにもユニットバスのチェックを忘れないようにしましょう。
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