メタバース業界のシェア上位は?業績や株価推移も【2022年9月】
メタバースとは、仮想空間のことです。仮想空間でアバターと呼ばれる自身の分身を使い、現実の世界のような社会生活が体験できます。具体的には、会議やコンサート、買い物に旅行などを様々な仮想空間で体験できます。
メタバースの市場規模は2020年時点で約4,800億ドル。体験する際に必要な専用ゴーグル、コントローラー、ハイスペックPC、暗号資産取引口座等が必要で、すそ野の広い業界でもあります。
市場は拡大傾向にあり、市場規模は2024年に約8,000億ドルに達する可能性もあるとされています。株式市場ではメタバース市場の拡大とともに、関連銘柄が注目されています。
今回は、成長過程にあるメタバース関連業界の上場銘柄からシェア上位銘柄を解説します。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定銘柄への投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
※2022年9月7日時点の情報をもとに執筆しています。最新の情報は、ご自身でもご確認をお願い致します。
目次
- メタバースに必要な機材
1-1.専用ゴーグル
1-2.ゲーミングPC
1-3.主要パソコン向け3次元グラフィックスプロセッサー
1-4.オンラインゲームを設計・開発 - メタバース関連の日本企業
2-1.SONY(6758)
2-2.ミクシィ(2121) - まとめ
1 メタバースに必要な機材
メタバースを体験するには、専用のゴーグルやハイスペックなゲーミングPCが必要です。それぞれ、シェアの高い企業をみてみましょう。
1-1 専用ゴーグル
ソニーやパナソニックなど日本の大手企業もVRゴーグル市場に参入していますが、2021年のVRゴーグルのトップシェアはMeta(旧Facebook)です。同社が販売する「Meta Quest2」は、コロナ禍の巣ごもり需要を追い風に、売上を伸ばしています。
メタ・プラットフォームズ(META)
メタ・プラットフォームズ(通称Meta)は、2014年にVR企業のOculusを20億ドルで買収しました。2022年1月にOculusブランドの使用を終え、VRヘッドセットは「Oculus Quest from Facebook」から「Meta Questアプリ」に名称が変更されました。
Metaの売上高は1,194億ドル、純利益が393.7億ドル、EPS(一株利益)は13.99ドルです。売上成長率は2020年比で37.18%増、過去5年平均では約27%増と順調に売上を伸ばしています。
株価は160.39ドル(2022年9月7日)で、2021年9月に付けた383.79ドルの約42%の水準で低迷しています。2022年2月に発表されたメタバースプロジェクト(リアリティラボ)の損失が前年同期比約60%増の33億ドルだったことが嫌気され、株価は下落に転じました。株価の安値は2022年6月23日の154.25ドルです。メタバース事業の黒字化が当面の課題です。
1-2 ゲーミングPC
最新の3Dを体験するためには、高性能なグラフィックボードを搭載したゲーミングPCが必要です。この分野ではデル・テクノロジーズ、HP(ヒューレット・パッカード)、Lenovoなどが挙げられ、このなかで売上高が最も高い企業はデル・テクノロジーズ(DELL)です。
デル・テクノロジーズ(DELL)
DELLの2022年会計年度(2021年2月~2022年1月)の売上高は1,011.9億ドル、純利益が55.63億ドル、EPSが6.49ドルです。売上成長率は2020年比で16.76%増、過去5年平均では約6.46%です。
株価は37.98ドル(2022年9月7日)です。株価の水準は、2022年2月に付けた61.54ドルと2020年3月の安値12.71ドルのほぼ半値水準です。予想PERが5.6倍、配当利回りが3.48%と相対的に割安な水準です。この水準を維持できるのかに、市場は注目しています。
1-3 主要パソコン向け3次元グラフィックスプロセッサー
グラフィックの処理を行う3次元グラフィックスプロセッサーも、メタバースには欠かせない部品の一つです。
エヌビディア(NVDA)
エヌビディア(NVDA)は、GPU(グラフィック・プロセッシング・ユニット)を開発しています。GPUは、3Dゲーム分野には欠かせない高速グラフィック処理が可能な半導体チップです。GPUはゲームのほか、自動運転などに幅広く用いられています。2017年には、トヨタ自動車との業務提携が話題となりました。
2021年度の売上高は269.1億ドル、純利益が97.5億ドル、EPSが3.85ドルです。前年比売上成長率が61.4%、5年間の平均売上成長率は28.7%と大きく売上を伸ばしています。
株価は137.14ドルで、2021年11月に付けた史上最高値346.47ドルの39.5%と、低迷しています。株価下落の背景には、2022年第2四半期(5-7月)の売上高が同社の予想を10億ドル下回ることが明らかになったことがあります。
成長企業の多くは配当金を実施していませんが、同社はわずかですが配当金が支払われています。2022年9月は一株に付き4セントが支払われました。
GPU需要は今後も高まることが予想されるため、市場参加者の注目度が高まっています。
1-4 オンラインゲームを設計・開発
オンラインゲームはメタバースの代表格の一つとも言え、切っては離せない関係です。オンラインゲーム企業は数多くありますが、そのうち代表的な企業の一つがロブロックスです。
ロブロックス(RBLX)
ロブロックスはオンラインゲームを設計・開発しています。同社が提供しているゲーム作成用のRoblox Studioを使うと、誰でも簡単にオリジナルゲームを作成したり、公開したりすることができます。2022年1月時点では、ゲームクリエイターにより2,400万本以上のゲームが公開されています。
2021年度の売上高は19.19億ドル、純利益がマイナス4.91億ドル、EPSはマイナス0.97ドルです。売上成長率が107.7%(前年比)と、売上高は2倍に膨らみました。
2022年第2四半期(4-6月期)のEPSが予想以上の赤字となったほか、1日当たりのアクティブユーザー数が市場予想を下回ったため、株価は軟調に推移しています。株価は39.94ドルと、2021年11月に付けた高値141.60ドルの約28%と低迷しています。
ゲーム関連企業は、コロナ渦に経験したような急成長が続くかどうかが注目されています。
2 メタバース関連の日本企業
メタバース関連の日本企業を見てみましょう。
2-1 SONY(6758)
SONYはゲームをはじめ、音楽分野、映画分野などエンターテインメント事業に力を入れています。同社は、クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たすことをPurpose(存在意義)としています。特にエンターテインメントの本質をライブと位置づけており、メタバース事業に力をいれることでPurposeが満たされるとしています。
2021年度の売上高は9.9兆円、純利益が8,884億円、EPSが705.16円です。売上成長率(前年比)が10.3%、純利益はマイナス14.9%でした。株価は10,525円、予想PERが15.16倍です。株価の高値は2022年1月に付けた15,725円です。現在高値から約33%下落した水準で推移しています。
同社は2022年9月償還の国内CB(転換社債)6回債を発行しています。転換が進んでいるものの、8月時点で約238億円が流通しています。CBの転換には自己株式が充てられているものの、株価の重石となっているようです。
2-2 ミクシィ(2121)
ミクシィは、スマホゲームやSNS(交流サイト)を運営しています。デジタルエンターテイメント事業では、モンスターストライク等を配信しています。
2021年度の売上高は1,180億円、純利益が102.6億円、EPSは139.85円です。売上成長率はマイナス1.02%(前期比)、純利益がマイナス34.6%と低迷しています。株価は2,303円、予想PERは20.9倍です。前年比で14.3%上昇したものの、史上高値(2017年6月)の7,300円と比較すると約31%の水準で推移しています。
まとめ
今回は、メタバース業界のシェア上位の銘柄について説明しました。メタバース市場は、関連企業のすそ野が広く、中小企業から大企業まで参入しています。
メタバースには国境がありません。人類がまだ経験したことのない世界がメタバースです。今後も市場が拡大していくため、株式市場では関連銘柄が注目されています。
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Source: 仮想通貨の最新情報BTCN | ビットコインニュース
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