ノックアウトオプションのメリット・デメリットは?具体的な取引方法も解説
「FXに興味はあるが、大きな損失を出すかもしれないのは怖い」「元手を抑えてFXを始めたい」そういったニーズに応えるサービスが「ノックアウトオプション」という商品です。
この記事では、ノックアプトオプションが気になっているという方や検討されている方に向けて、ノックアプトオプションの概要やメリット・デメリット、取引方法などについて解説します。
※この記事は2022年12月23日時点の情報に基づき執筆しています。最新情報はご自身にてご確認頂きますようお願い致します。
目次
- ノックアプトオプションとは
1-1.ノックアウトオプションの特徴
1-2.上昇と下落を予測して「買う」 - ノックアウトオプションのメリット
2-1.損失額を限定できる
2-2.資金効率が高い
2-3.取扱商品が豊富 - ノックアウトオプションのデメリット
3-1.エントリーは成行注文のみ
3-2.ノックアウトレベルは変更不可
3-3.ポジションを保有できる期間や数に上限がある - ノックアウトオプションでの取引方法
- IG証券でノックアウトオプションの取引ができる
- まとめ
1.ノックアプトオプションとは
ノックアプトオプションとは、リスクが限定された条件で行うオプション取引のことをいいます。ノックアウトオプションでは通貨だけではなく、株価指数やコモディティなど、さまざまな取引を行うことができます。
1-1.ノックアウトオプションの特徴
ノックアウトオプションの最大の特徴は、取引に対するリスクを投資家がコントロールできるということです。
というのも、ノックアウトオプションでは「ノックアウト価格(レベル)」を設定することによって、自動的に損切りをする(=ノックアウト)ことが可能だからです。そのため、自分の予測とは逆に値が動いた場合の損失を限定することができます。FXや株式投資を経験している方であれば「逆指値で注文を入れる」と思えばわかりやすいでしょう(厳密には「最終損切りライン」を指し、ノックアウトレベルの手前に逆指値を入れることも可能です)。
また、ノックアウトオプションでの取引価格は、取引をする原資産(通貨や株価指数など)の価格と一致して連動します。つまり、原資産価格が1ポイント上がったら、ノックアウトオプションでの取引価格も1ポイント上がることになるのです。
そのため、ノックアウトレベルと取引の規模(=ロット数)を選択することで、必要な証拠金額と取引にかかるリスクを自分で限定することができるというわけです。
1-2.上昇と下落を予測して「買う」
ノックアウトオプションでは、買いポジションの保有のみが可能です。売りポジションを持つことはできません。しかし、2つのノックアウトタイプを選択することで、買い取引・売り取引と同様の効果を得ることができます。
ノックアウトオプションでは、以下の2つのノックアウトタイプを選択します。
- 原資産価格の上昇を予測するなら「ブル(上昇)」を買う
- 原資産価格の下落を予測するなら「ベア(下落)」を買う
自分の予測に合ったノックアウトタイプを選択し、予測通りに値が動けば利益に、予測とは逆に動けば損失になります。予測とは逆に動いてノックアウト価格に達した場合には、取引価格0ポイントで自動的に決済されます。
また、ノックアウト価格に達していない場合は、いつでも途中決済をすることが可能です。
2.ノックアウトオプションのメリット
次に、ノックアウトオプションのメリットについて紹介します。具体的には、以下の3つのメリットがあります。
- 損失額を限定できる
- 資金効率が高い
- 取り扱い商品が豊富
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
2-1.損失額を限定できる
ノックアウトオプションのメリットの1つが、損失額をできるということです。先述したように、ノックアウト価格の設定と取引の規模(=購入するロット数)により、最大損失額を自分で設定することができるからです。
例えば、アメリカドル・日本円でのノックアウトオプション取引で、ドル円が上昇すると予測した場合について考えてみましょう。
この場合は「ブル(上昇)」での買い注文となり、仮に現在価格が1ドル100円で、99円に下落したら損切りすると設定した場合、ノックアウトレベルは100銭(=1円)となります。
損切り幅を100銭(=1円)と設定しているので、それに取引するロット数(=規模)を掛けることで、最大損失額が決まることになります。
上記の場合、1万通貨単位の取引なら最大損失額は10,000円ということになります。あとは自分が許容できる損失額に合わせて、ノックアウト価格や取引ロットを決めればいいわけです。
このように、損失額の範囲をあらかじめ決めてから取引できるというのが、ノックアウトオプションのメリットとなります。
2-2.資金効率が高い
ノックアウトオプションのもう1つのメリットは、資金効率が高いということです。わかりやすく言い換えれば、通常のFXよりも少ない資金でポジションを持つことが可能となります。
取引をする際に必要になる証拠金は「購入時の価格とノックアウトレベルの差額」に取引ロット(1万通貨単位)をかけた額」となります。ノックアウトレベルは最終的な損切りラインを指すため、「最大損失額=必要証拠金」ということになります。この必要証拠金はオプション料とも呼ばれます。
例えば、USD/JPYの取引をノックアウトオプションで行うとして、原資産価格108.00円、取引数量1ロット(10,000通貨)、ノックアウトレベル107.00円で注文を行った場合、必要証拠金は10,000円となります。計算式は以下のようになります。
(原資産価格-ノックアウトレベル)×取引ロット=必要証拠金
(108.00-107.00)*100.00=10,000円
もし上記のポジションをFXで保有する場合、レバレッジが最大25倍であることから、最低でも43,200円(108.00*10,000/25)の証拠金が必要になります。それと比較して、ノックアウトオプションは、より少ない資金でポジションを取れることになります。少ない資金で効率よくリターンを得ることができ、リスクも抑えられることを期待できる点がノックアウトオプションのメリットといえます。
2-3.取扱商品が豊富
ノックアウトオプションでは、さまざまな銘柄を取引できるというのもメリットです。IG証券では80以上の通貨ペアで取引することができるほか、日経平均株価やダウNYなどの株価指数、原油や金、天然ガスなど、さまざまな商品でのトレードが可能です。
トレードの選択肢が広いため、より多くのニーズに応えることができるオプション取引といえるでしょう。
3.ノックアウトオプションのデメリット
ノックアウトオプションには、デメリットも存在します。具体的には以下の3点が挙げられます。
- エントリーは成行注文のみ
- ノックアウトレベルは変更不可
- ポジションを保有できる期間や数には上限がある
それぞれ詳しく見ていきましょう。
3-1.エントリーは成行注文のみ
ノックアウトオプションでのエントリーはリアルタイムでの成行注文のみとなり、指値注文はできないというのがデメリットの1つです。そのため、トレードを開始するにはトレード画面をよく見ながら注文する必要があります。
ただし、エントリー後は利益確定のための指値決済や、ノックアウトレベルに達する前の損切りに使う逆指値決済は可能です。
3-2.ノックアウトレベルは変更不可
一度ノックアウトレベル(価格)を設定した後は、変更することができないというのもデメリットとなります。
ただ、ノックアウトオプションは最終的な損切りラインを設定することでリスクを抑えられるオプション取引であり、大きな損失を生み出す可能性を低くできるため、痛手を被るようなデメリットにはならないともいえます。
3-3.ポジションを保有できる期間や数に上限がある
ノックアウトオプションでは、ポジションの保有期間や保有数に上限があるというのも、場合によってはデメリットとなります。
まず、ノックアウトオプションの保有期間は1年間が上限となります。また、1つのノックアウトレベルに対して、最大400ロットまでしかポジションを持つことはできません。そのため、1年を超える長期的なポジション保有や、大量にトレードすることは難しいといえます。
4.ノックアウトオプションでの取引方法
最後に、ノックアウトオプションでの取引方法について紹介したいと思います。具体的な手順は以下の通りです。
- 取引する銘柄を選択する
- 値動きを予測して「ブル(上昇)」か「ベア(下落)」を選択する
- リスクの許容範囲を考え、ノックアウト価格を決める
- 取引ロット数を決定する
- 必要に応じて決済時の「指値」「逆指値」を設定する
- 注文を確定する
詳細は、各証券会社のホームページでご確認ください。
5.IG証券でノックアウトオプションの取引ができる
IG証券のノックアウトオプションは、FX・株価指数・コモディティーなど、多くの銘柄の取引ができます。ノックアウトオプションに関心のある方は、口座の開設の検討を進めてみてはいかがでしょうか。
興味のある方は、IG証券ノックアウトオプションの活用方法は?も参考にしてみてください。
まとめ
今回はノックアウトオプションの概要やメリット・デメリットについて解説しました。
ノックアウトオプションはリスクを自分でコントロールしながら、FXのような通貨ペアでの取引も可能なオプション取引です。FXでの損失リスクを抑えたいと考えているなら、始めてみる価値もあるでしょう。本記事を参考に、ご興味のある方は利用を検討してみてはいかがでしょうか。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
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