SIIFが機会格差・地域活性化・ヘルスケアの「課題構造マップ」公開。課題解決に向けた議論を推進へ
インパクト投資を調査研究、推進する⼀般財団法⼈社会変⾰推進財団(SIIF)は12月20日、社会課題の中で「機会格差」「地域活性化」「ヘルスケア」の3つの領域を注⼒する社会課題のテーマと定め、各テーマの構造を明⽰するための「課題構造マップ」を公開した。SIIFが2023年春に発⾏する3課題のビジョンペーパー(課題解決の展望、変化の予想図、組織としての⽅向性の明⽰)の制作にあたり、各課題を俯瞰的に捉える目的。公開情報に加え、各テーマの専⾨家、関連事業者、地域⾦融機関を含む約30名へのインタビューなどから情報を収集している。
まず、機会格差については、⼦育てや介護などのケア負担やジェンダーギャップ、国籍、親世代の貧困など様々な起点が⽣む機会格差の課題と定義。経済活動は機会格差を⽣み出す原因でもあり、その解決策にもなり得る。顕在化した格差を緩和・解消するイノベーションを⽀えるとともに、「企業経営における⼈的資本投資の促進や⾏政の意思決定プロセスとの連携なども含めた、あらゆる⼈の「社会的包摂とエンパワーメント」を実現するための取り組みを模索したい」とした。
地域活性化については「地⽅の地場産業の衰退、雇⽤の質・量の悪化に伴う⼈⼝の流出、既得権益構造の中での変化への抵抗などによって、東京をはじめと都市への⼈⼝集中が続き、地域の地盤沈下に拍⾞がかからない」と問題を提起。地⽅創⽣の重要性の認識は浸透し、若い世代の地⽅でのチャレンジも増える中、個別の取組の⽀援を越えた構造的な課題へのアプローチを模索していく。
ヘルスケアは、コロナ禍の影響が著しい分野だ。少⼦⾼齢化だけではなく、所得や地域による健康格差の問題など、⽇本社会が抱えている様々な潜在的問題が⼀気に顕在化した。SIIFは「医療・介護の制度や産業の構造転換だけではなく、⾝体的・精神的・社会的な健康から誰も取り残さないように、個々⼈の認識や相互扶助のありかたの変化を同時に促すような取り組みを模索したい」としている。
今後、同マップは、事業推進する中での気づきや関係各社からのフィードバックを得ながら、より進化させていく⽅針。また、著作権者の許可する範囲内であれば⾃由にコンテンツを使⽤できる「クリエイティブ・コモンズ」として公開することで、課題解決の議論をするきっかけとしたい考え。
SIIFは⽇本財団の助成⾦を受けて活動している財団で、13年からインパクト投資に関する調査研究に着⼿。GSG国内諮問委員会の設⽴や賛同メンバーの招集を⽪切りに、これまでインパクト投資における提⾔書や現状を記した報告書の発⾏、⾦融庁との共催で⾦融機関等との勉強会の開催などインパクト投資の推進のため活動を続けている。
【資料ダウンロード①】SIIF「課題構造マップ 機会格差」(pdf)
【資料ダウンロード②】SIIF「課題構造マップ 地域活性化」(pdf)
【資料ダウンロード③】SIIF「課題構造マップ ヘルスケア」(pdf)
【関連サイト】SIIF「注力する3つの社会課題テーマ」
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