2023年に再注目のバリュー投資、人気ファンドの手数料・成績・主要銘柄を比較

バリュー投資とは、過小評価されている割安株を見つけて投資する手法です。バリュー株は主にインカムゲインを得ることに投資妙味があります。

最近ではインデックスファンドの長期投資が流行していますが、高い配当利回りを狙うバリュー投資に注目してみるのも良い選択肢ではないでしょうか。

本記事では、バリュー投資を基本的な運用スタンスとするファンドを紹介しています。バリュー投資の概要についても紹介していますので、ご確認ください。

※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
※信託報酬など、課税対象となる数値はすべて税込表示としています。

目次

  1. ファンド運用で用いられるバリュー投資とは?
  2. バリュー投資と他の運用手法との違い
    2-1.グロース投資
    2-2.インデックス運用
  3. バリュー投資の強みやデメリット
    3-1.ボラティリティが低い
    3-2.配当性向が高い
    3-3.短期の値上がりは期待できない
  4. バリュー投資を用いたファンドの運用成績
    4-1.ひふみプラス
    4-2.インベスコ 世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型)
    4-3.朝日Nvest グローバル バリュー株オープン
    4-4.ブラックロック・USベーシック・バリュー・オープン
    4-5.AR国内バリュー株式ファンド
  5. まとめ

1.ファンド運用で用いられるバリュー投資とは?

投資信託の銘柄選定で用いられるバリュー投資とは、市場平均よりも割安と見られる銘柄へ投資する手法です。

基本的にはPER(株価収益率)・PBR(純資産倍率)をもとに判断します。PERには何倍以下は割安などといった絶対的な基準はありません。同業種の銘柄と比較するなどで相対的に割安感を判断します。

PBRは1を基準としてそれ以下なら割安、以上なら割高と判断するのが一般的です。

バリュー投資は割安な銘柄に投資する手法で、誰からも見つかっていない銘柄を探し出す点がポイントです。

本来ならもっと株価が高くてもおかしくない、という判断はファンダメンタルズ分析を根拠とする必要があります。単にPERやPBRが低いという理由だけで投資しても、思うような成果が出ない可能性は高いでしょう。

なお、誰からも気づかれていない割安な銘柄は成熟企業であることが多い傾向です。

2.バリュー投資と他の運用手法との違い

バリュー投資以外の運用手法にはどのようなものがあるのでしょうか。バリュー投資との運用スタイルの違いを確認しておきましょう。

  1. グロース投資
  2. インデックス運用

2-1.グロース投資

グロース投資は企業の成長が市場平均よりも高いと期待できる銘柄へ投資する運用手法です。

バリュー投資ではPERやPBRに注目し、割安な銘柄を探す運用手法が取られますが、グロース投資では多少割高と見られる銘柄でも、成長が期待できると判断できれば構わずに投資します。

PERやPBRが極端に高い銘柄を見ることがありますが、そのような銘柄はグロース投資の対象となっているケースが多いのです。

成長企業は、資金調達で得たお金を企業の成長のために使うことから、配当利回りは低い銘柄が目立ちます。

多くのファンドで採用されている運用手法でもあります。

2-2.インデックス運用

バリュー投資やグロース投資などのアクティブ運用に対して、投資信託ではインデックス運用が採用されることも多くあります。

インデックス運用は、日経225やダウ30、S&P500などの指数に連動する運用成績を目指します。ベンチマークとする指数と同じ銘柄構成にするため、ベンチマークを上回る運用成績を出す可能性はほぼありません。

インデックス運用は、アクティブ運用に対してパッシブ運用と呼ばれることもあります。指数がそのままファンドの成績になるため、わかりやすさがメリットです。

3.バリュー投資の強みやデメリット

バリュー投資の強みとデメリットを以下3点ピックアップしました。

  1. ボラティリティが低め
  2. 配当性向が高い
  3. 短期の値上がりは期待できない

3-1.ボラティリティが低い

バリュー投資の対象となる銘柄は、ベンチャー企業のような成長銘柄ではないため、比較的ボラティリティ(値動き幅)は低めです。

割安株として見いだされるタイミングでは、株価が急上昇する局面もありますが、それ以外ではさほど大きな値動きにはなりにくい傾向があります。

ボラティリティの低さをメリットと取るか、デメリットと感じるかは人それぞれです。

3-2.配当性向が高い

バリュー投資で見つかる銘柄は元々割安なため、配当利回りが高くなる傾向があります。成熟企業が多いため配当性向が高い銘柄が多い点も見逃せないポイントです。

したがって、割安株でありつづけるまでは、インカムゲインを期待することもできます。

3-3.短期の値上がりは期待できない

バリュー銘柄は、成長性が低いとして割安なまま放置されている株です。したがって、グロース銘柄のような驚くべき値上がりを見せることはありません。

どちらかというと、割安感から得られるインカムゲインにメリットがあります。したがって、大きな値上がりを期待したい場合は、グロース投資に注目したほうが良い成果が得られる可能性が高いでしょう。

4.バリュー投資を用いたファンドの運用成績

バリュー投資の手法を用いているファンドを5つピックアップしました。数値は2023年3月9日時点の情報です。

4-1.ひふみプラス

ひふみプラスは独立系運用会社のレオス・キャピタルワークスが運営する投資信託です。国内外の上場株式を対象として割安とみられる銘柄を選定し、長期的に投資します。

相場の変動時は、株式の組入比率をコントロールすることで、価格変動リスクを軽減しています。

現在バリュー投資を用いるファンドの中では、目立って資金を集めているファンドです。

基準価額 47,685円
純資産 501,159百万円
運用管理費 1.078%以内
トータルリターン(1年) 6.06%
設定日 2012年5月28日

全273銘柄中の組入上位10銘柄

銘柄 業種 構成比率
1.アドバンテスト 電気機器 2.31%
2. 三菱UFJフィナンシャル・グループ 銀行業 2.25%
3.東京海上ホールディングス 保険業 2.04%
4. 第一生命ホールディングス 保険業 1.89%
5.日本電信電話 情報・通信業 1.79%
6.GMOペイメントゲートウェイ 情報・通信業 1.68%
7.三井住友フィナンシャルグループ 銀行業 1.67%
8.インターネットイニシアティブス・コープ 情報・通信業 1.60%
9.ディスコ 機械 1.56%
10.伊藤忠商事 卸売業 1.56%

※2023年1月31日時点の情報です

4-2.インベスコ 世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型)

日本を含む世界各国の株式(新興国は除外)を主要投資対象として、独自のバリューアプローチを駆使しつつ、割安銘柄へ投資します。割安銘柄の選択は指数の分析だけでなく、独自の財務分析、経営力、ビジネス評価等のファンダメンタルズ分析も用いています。

運用のスタートは1999年と歴史のあるファンドですが、2017年ころから毎月分配金を出すようになって、純資産が急増しました。

基準価額 8,833円
純資産 362,725百万円
運用管理費 1.9030%
トータルリターン(1年) 27.03%
設定日 1999年1月7日

全44銘柄中の組入上位10銘柄

銘柄 業種 構成比率 国・地域
1.3iグループ 金融 6.10% イギリス
2. 友邦保険控股(AIAグループ) 金融 5.30% 香港
3.ベラリア 素材 5.20% フランス
4. アメリカン・タワー 不動産 4.10% アメリカ
5.マイクロソフト 情報技術 4.00% アメリカ
6.コカ・コーラ 生活必需品 3.70% アメリカ
7.ブロードコム 情報技術 3.70% アメリカ
8.ユニバーサル・ミュージック・グループス・コープ コミュニケーション・サービス 3.20% オランダ
9.スタンダードチャータード 金融 3.20% イギリス
10.コネ 資本財・サービス 3.10% フィンランド

※2022年12月30日時点の情報です

4-3.朝日Nvest グローバル バリュー株オープン

日本を除く世界の株式を対象として、ファンダメンタルズ分析を中心としたボトムアップ・アプローチの結果、選定した30〜50の銘柄へ投資するファンドです。

運用の委託先はハリス・アソシエイツ社です。運用銘柄のすべてを自社のバリュー投資哲学にて運用しています。

選定銘柄は多様な国や業種にわたり、大型株投資に終始していないことをうかがい知ることができます。

基準価額 16,171円
純資産 75,579百万円
運用管理費 0.3000%
トータルリターン(1年) 15.50%
設定日 2000年3月24日

組入上位10銘柄

銘柄 業種 構成比率 国・地域
1.アルファベットクラスA メディア・娯楽 4.90% イギリス
2. TEコネクティビティ テクノロジー・ハードウェ
4.50% アメリカ
3.ロイズ・バンキング・グループ 銀行 4.00% フランス
4.プロサス 小売 3.70% オランダ
5.メルセデス・ベンツ・グループ 自動車・自動車部品 3.60% ドイツ
6.プルデンシャル 保険 3.50% イギリス
7.ゼネラル・モーターズ 自動車・自動車部品 3.40% アメリカ
8.アリアンツ 保険 3.40% ドイツ
9.ジュリアス・ベア・グループ 各種金融 3.30% スイス
10.アリババ・グループ・ホールディング 小売 3.00% 香港

※情報は2023年1月31日時点の情報です

4-4.ブラックロック・USベーシック・バリュー・オープン

主に米国株式市場を投資対象として、値上がり益や配当によるインカムゲインを狙います。基本的な銘柄選定の方針は、市場にて過小評価されている銘柄へ投資するバリュー投資です。

株式市場の非効率面、歪みに着目して割安株を見出します。1998年の運用開始以来、アメリカの代表的指数であるS&P500を上回る運用成績を出している点は注目ポイントです。

基準価額 32,308円
純資産 29,929百万円
運用管理費 1.771%以内
トータルリターン(1年) 14.79%
設定日 1998年7月1日

全66銘柄中の組入上位10銘柄

銘柄 業種 構成比率 国・地域
1.CITIGROUP INC 銀行 3.10% アメリカ
2.BP PLC-SPONS ADR エネルギー 3.00% イギリス
3.CIGNA CORP ヘルスケア機器・サービス 2.90% アメリカ
4. WELLS FARGO & COMPANY 銀行 2.70% アメリカ
5.FIRST CITIZENS BCSHS -CL A 銀行 2.60% アメリカ
6.SANOFI-ADR 医薬品・バイオテクノロジー・ライフサイエンス 2.50% フランス
7.RALPH LAUREN CORP 耐久消費財・アパレル 2.50% アメリカ
8.LABORATORY CORP OF AMER HLDGS ヘルスケア機器・サービス 2.50% アメリカ
9.ZIMMER BIOMET HOLDINGS INC ヘルスケア機器・サービス 2.50% アメリカ
10.APOLLO GLOBAL MANAGEMENT INC 各種金融 2.50% アメリカ

※2022年12月30日時点の情報です

4-5.AR国内バリュー株式ファンド

国内の中小型バリュー株を投資対象として、株式指数先物取引と組み合わせた運用を行います。株式の実質組入比率はおおよそ0〜20%程度です。

ファンドの名称にもなっているARとは、Absolute Returnの略称で絶対収益とも呼ばれています。絶対収益とは、市場全体の変動とは関係なく収益を上げることです。

当ファンドでは、先物取引などを駆使しつつ、さまざまな状況でも収益を狙う運用スタイルのことを指しています。

基準価額 14,534円
純資産 2,664百万円
運用管理費 1.3530%
トータルリターン(1年) 3.00%
設定日 2011年11月30日

全92銘柄中の組入上位10銘柄

銘柄 業種 構成比率
1.セーレン 繊維製品 2.80%
2.北國フィナンシャルホールディングス 銀行業 2.50%
3.因幡電機産業 卸売業 2.40%
4. 加賀電子 卸売業 2.40%
5.オルガノ 機械 2.30%
6.ライフドリンク カンパニー 食料品 2.20%
7.芙蓉総合リース その他金融業 2.20%
8.シーイーシー 情報・通信業 2.10%
9.東テク 卸売業 2.10%
10.琉球銀行 銀行業 2.00%

※2022年12月30日時点の情報です

まとめ

バリュー株投資は割安かつ配当性向が高い銘柄へ投資することで、高利回りを得る運用手法です。銘柄の価格変動は少なめで、かつ定期的なインカムゲインを得られるため、長期運用のポートフォリオとして組み入れるのも良い選択肢です。

株式インデックスファンドに偏っている場合は、分散投資の一環としてバリュー投資ファンドの検討もしてみてはいかがでしょうか。

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Source: 仮想通貨の最新情報BTCN | ビットコインニュース
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