グラスゴー金融同盟(GFANZ)が日本支部設立へ。アジア太平洋地域のネットゼロ移行を支援

「2050年カーボンニュートラル」を目標に活動するグローバルな金融機関の有志連合「グラスゴー金融同盟(GFANZ)」は5月10日、2023年6月の始動を目途に日本支部を設立すると発表した。GFANZ日本支部は、専門知識やリーダーシップを提供する他、日本国内の金融機関、パートナー企業、官公庁など、様々なステークホルダーと協働し、ネットゼロへの移行に必要な変革を実行・加速し、ネットゼロ目標の達成を支援する役割を担う。

GFANZは2050年までに世界の温室効果ガス排出量のネットゼロへの移行を加速し、地球温暖化を1.5度以下に抑えるというパリ協定の目標達成に向けた、金融機関およびその部門別連合による専門家主導の国際的な連合。21年、イギリスのグラスゴーで開催された第26回気候変動枠組条約締約国会議(COP26)で正式に発足した。前イングランド銀行総裁マーク・カーニー氏とブルームバーグ社長のマイケル・ブルームバーグ氏が共同議長を務めており、ブルームバーグはグローバルメディアとしてGFANZの動向を世界に発信している。

日本の大手金融機関20社以上がGFANZのメンバーで、APAC地域では日本からのメンバーが最多となっている。日本は、GFANZが支部を持つ初めての国となる。ブルームバーグは「日本支部の立ち上げにより、日本の金融機関が自主的に協力し、気候変動ファイナンスに関してリーダーシップを発揮する。金融庁、財務省、日本銀行、経済産業省、環境省を含む国内官公庁・公的機関はGFANZ日本支部の設立を歓迎している」と発表した。

日本支部は東京に拠点を構え、国内の金融機関がネットゼロ移行計画を策定するための知識やベストプラクティスを共有、ネットゼロ・エコノミーへの公正な移行に必要な政策や施策について各金融機関が関係省庁や提携企業と連携できるようサポートしていく予定。

主要な金融機関や政府機関関係者などを含むコンサルテーティブグループを設立し、支部の活動や成果物へのコンサルテーションで、業界のエキスパートと協働していく。第一生命保険株式会社代表取締役会長の稲垣精二氏が、本グループの初年度の議長を務める予定。また、アドバイザーは前OECD事務次長で三菱UFJ銀行顧問の河野正道氏が務め、同氏はGFANZ APACネットワークの諮問委員会にも加わる。

設立の発表はG7新潟財務大臣・中央銀行総裁会議の開催(5月11日~13日)に続きG7広島サミット(19日~21日)の議長国を務めるタイミングと重なっており、期待と注目を集めそうだ

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