Web3時代の新たな支援方法、トークン発行型ファンディングとNFTガバメントクラウドファンディングの解説

クラウドファンディングが普及するにつれ、さまざまな形態の支援プロジェクトが誕生しています。その中には、ブロックチェーン技術を活用したものも存在しています。これらの仕組みは画期的ですが、複雑で特徴がわかりにくいため、どのようなプロジェクトを支援すべきか悩んでしまう方もいらっしゃるでしょう。

今回は、トークン発行型ファンディングとNFTを活用したガバメントクラウドファンディングの違いや特徴、主催企業などを詳しくご紹介します。

目次

  1. クラウドファンディングとは?
  2. トークン発行型ファンディングとは
    2-1.トークンエコノミーとは
    2-2.トークンとは
    2-3.トークン発行型ファンディングを提供している株式会社フィナンシェ
  3. FiNANCiEがフィナンシェトークン(FNCT)発行へ
    3-1.FNCTとは?
  4. ガバメントクラウドファンディングとは
  5. まとめ

①クラウドファンディングとは?

「クラファン」とも呼ばれるクラウドファンディングは、多くの方がご存知かと思います。利用者数は年々増えており、新たな事業や商品の立ち上げにもクラファンの利用は欠かせません。

クラウドファンディングは、「群衆(クラウド)」と「資金調達(ファンディング)」を組み合わせた言葉で、インターネットを通じて不特定多数の人々から少額ずつ資金を集めることを指します。従来の資金調達方法と比較して手軽で、SNSを通じた拡散力や、受注後に商品を制作することができるため、必要以上の在庫を抱える心配がないといったメリットがあります。これらの点から、新しい資金調達の手法として注目を集めています。

②トークン発行型ファンディングとは

トークン発行型ファンディングとは、プロジェクトやスポーツチームのオーナーがトークンを発行し、サポーターに購入してもらうことで資金を調達する方法です。この方法により、オーナーは支援を受けながらコミュニティを形成することができます。

Financie

出典:FiNANCiEホームページ参照

FiNANCiEのプラットフォームはブロックチェーン技術を基盤としており、トークン発行型ファンディングが可能です。発行されたトークンに価値が生まれ、「トークンエコノミー」によってコミュニティが形成されます。コミュニティ内では、オーナーとサポーターが交流し、参加者全員でプロジェクトを盛り上げることが期待できます。

2-1.トークンエコノミーとは

トークンエコノミーは、トークン(暗号資産・仮想通貨)を利用した経済活動を指します。コミュニティトークンが運用されることで、継続的な経済活動やコミュニティ活動が可能になります。トークン保有者は投票や企画への参加、保有者限定サービスの受け取り、オーナーの限定アイテム入手などができます。

トークンを購入しコミュニティに参加することで、トークンの経済価値が向上します。これにより、トークンを発行したプロジェクトやスポーツチームは資金調達ができるだけでなく、目標達成に向けてより盛り上がりを見せ、サポーターにインセンティブが働くコミュニティを形成できると言えます。

2-2.トークンとは

最近、「トークン」という言葉をよく耳にすることがあります。トークンという言葉は様々な文脈で使われることがありますが、暗号資産業界では既存のブロックチェーン技術を利用して発行された暗号資産の総称を「トークン」と呼びます。

トークンは、用途や役割によってさまざまに分類されます。その中でも代替性トークンと非代替性トークンがあります。代替性トークンは、紙幣のようにどのトークンも同じ価値を持っている資産を指します。例えば、自分のお財布に入っている1,000円札は、他の人のお財布に入っている1,000円札と同じ価値を持っています。

一方、非代替性トークンは、近年注目されている「NFT(Non-Fungible Token)」と呼ばれています。これは、ブロックチェーンを使って作られた一点もののトークンを指します。

さらに詳しく説明すると、代替性トークンの中には、投資性をほとんど持たない「ユーティリティトークン」と呼ばれるものがあります。この中に、「ガバナンストークン」というトークンが存在します。ガバナンストークンは、ネットワーク上で展開されるプロジェクトで、運営や開発に関する方針をメンバー(ホルダー)によって投票で決めるためのトークンです。

「ガバナンス」とは、「統治」「管理」「支配」といった意味があり、その名の通り組織の運営に関わるトークンとなっています。例えば、自律分散型組織として知られるプロジェクト「DAO」では、トークンによる投票を行うことでプロジェクトをスムーズに進行させることができます。また、ホルダーはトークンを使ってプロジェクトの方向性に関する意思決定に参加できるのが特徴です。

2-3.トークン発行型ファンディングを提供している株式会社フィナンシェ

フィナンシェは、「FiNANCiE」をはじめ、NFT事業やIEO支援事業など、トークンを活用したコミュニティやエコシステムの形成を支援する事業を展開しています。現在、180以上のスポーツチーム、エンタメプロジェクト、個人などのトークンの発行・販売、企画・運用実績があり、国内唯一のWeb3プラットフォームの確立を目指しています。

③FiNANCiEがフィナンシェトークン(FNCT)発行へ

FiNANCiEを運営する株式会社フィナンシェは、2021年12月に、今冬に国内仮想通貨取引所コインチェックでIEOを実施することを発表しました。これにより、「フィナンシェトークンFNCT」がコインチェックで上場されます。

3-1.FNCTとは?

FNCTは、イーサリアムブロックチェーン上で発行された暗号資産で、FiNANCiEで発行されているコミュニティトークン同士を効果的につなげ、コミュニティトークンの価値を長期的に向上させるためのプラットフォームトークンとしての役割を担います。

具体的には、FiNANCiEのユーザーに報酬として付与されたり、FiNANCiE上の優良なコミュニティが継続的に成長するためのインセンティブとして活用されたりします。また、FNCTはFiNANCiEのエコシステム全体におけるガバナンスに参加できる機能も持ち、「ユーザー主体の運営」を目指しています。

コインチェックでIEOを実施し、FNCTを上場させることにより、FiNANCiE内の各コミュニティが発行しているトークンを組み合わせることが可能となり、FiNANCiE内で閉じていたクリエイターエコノミーをグローバルエコシステムへ拡大することが期待されています。

FiNANCiE内で発行されている各チーム・プロジェクトのトークンは、金融商品取引法上の有価証券ではなく、資金決済法上の暗号資産(仮想通貨)でもないとされていますが、FNCTは暗号資産として「資産」に位置づけられます。仮想通貨取引所で日本円に換金できることから、インセンティブという点ではコミュニティトークンの価値向上に大きく貢献できるでしょう。

④ガバメントクラウドファンディングとは

GCF

ガバメントクラウドファンディングは、ふるさとチョイスがふるさと納税制度を活用して行うクラウドファンディングです。自治体が抱える問題解決のため、ふるさと納税の寄付金の「使い道」を具体的なプロジェクト化し、そのプロジェクトに共感した人から寄付を募る仕組みです。

ふるさと納税の寄付先の選び方は、「お礼の品から選ぶ方法」と「使い道から選ぶ方法」があります。ガバメントクラウドファンディング(GCF)は、ふるさと納税の使い道に特化しているだけで、お礼の品から選んでいるふるさと納税と基本構造は同じです。また、GCFでは、具体的な寄付金の使い道を指定して寄付ができるため、税金の控除を受けたり、お礼の品ももらうことができます。

NFTを使ったガバメントクラウドファンディングでは、お礼の品としてNFTが利用されます。例えば、広島県神石高原町で行われたガバメントクラウドファンディングのふるさと納税返礼品には、「KawaiiGirlNFT」のAme-chan(あめちゃん)氏がデザインしたNFTコレクションが提供されました。今回提供されるNFTによって集まった寄付金は、日本の犬の殺処分ゼロを目指して活動する「ピースワンコ・ジャパンプロジェクト」の運営に役立てられます。

Ame-chan

今回の企画では、「犬と人の共生」をテーマに、kawaiiGirlsNFTのアーティストAme-chanがデザイン・制作を担当しています。提供されるNFTは3種類で、①元災害救助犬・夢之丞とレスキュー隊員の女の子のオリジナル1枚、②保護犬と人との交流を描いた複数枚アート5枚、③保護犬とスタッフのジェネラティブアート50枚の合計56枚です。

使用されるブロックチェーンはポリゴン(Polygon)のネットワークです。ポリゴンは、2017年に「マティックネットワーク(Matic Network)」としてローンチされ、2021年2月にイーサリアムのセカンドレイヤー・ソリューションとして「ポリゴン(MATIC)」にリブランディングされました。寄付申し込みには、暗号資産ウォレットのメタマスク(Metamask)が必要です。

寄付の手順は以下の通りです。

  1. 希望者はメタマスクウォレットを準備します。NFTはブロックチェーンを利用したデジタルデータのため、専用の暗号資産ウォレットを作成する必要があります。
  2. ふるさとチョイスのGCFページ「神石高原町 ピースワンコ・ジャパン」のプロジェクトページで、NFT返礼品を選び、申し込みボタンをクリックします。
  3. ページの指示に従って必要事項を記入(申し込み備考欄にウォレットアドレスを記載)。
  4. 各種お支払い方法で決済を行います。
  5. 入金確認後、1ヶ月以内にNFTをウォレットに送信します。

⑤まとめ

近年、さまざまな形態の支援方法が登場し、トークンやNFTを活用した応援が注目を集めています。トークンを購入して応援することで、コミュニティに参加し、プロジェクトを間近でサポートできます。また、トークンのユーティリティが評価されることで、需要が増え、価値も上がる可能性があります。

NFTを返礼品とするガバメントクラウドファンディングでは、人気のあるコンテンツやクリエイターとのコラボが魅力的です。これにより、オリジナルのNFTが価値の裏付けとなり、新たなファンを獲得して地域コミュニティに広がりが生まれています。もし興味がある方は、ぜひ支援したい自治体やプロジェクトを探してみてください。

The post Web3時代の新たな支援方法、トークン発行型ファンディングとNFTガバメントクラウドファンディングの解説 first appeared on 金融・投資メディアHEDGE GUIDE.

Source: 仮想通貨の最新情報BTCN | ビットコインニュース
Web3時代の新たな支援方法、トークン発行型ファンディングとNFTガバメントクラウドファンディングの解説