SIIFの富裕層におけるフィランソロピー事業チームが独立、新会社設立

一般財団法人社会変革推進財団(SIIF)は5月31日、富裕層に対するフィランソロピーアドバイザリー事業を手掛けるフィランソロピー・アドバイザーズ株式会社と連携し、日本におけるフィランソロピーをさらに活性化させるとともに、インパクト創出を志向する資金のエコシステムの形成に努めていくと公表した。

SIIFは、多様な資金を戦略的に用い、社会・環境インパクトを重視するフィランソロピー活動が増加することを目指し、2022年から個人富裕層に対するフィランソロピーアドバイザリー事業を2022年から提供してきた。この事業を主導してきた担当者の小柴優子氏、藤田淑子氏が今年3月、新会社のフィランソロピー・アドバイザーズ社を設立した。

個人富裕層に対するフィランソロピーアドバイザリー事業は、日本で未踏の領域だった。小柴、藤田両氏は、日本における富裕層が戦略的、インパクト志向のフィランソロピー活動を実践していく上で、国内に求められるエコシステム(環境、仕組み、プレイヤーなど)について国内外の文献調査、関係者へのインタビューなどを行い、調査レポート「新しいフィランソロピーを発展させるエコシステムに関する調査-富裕層の意志ある資産を社会に生かす」を発行した。

また、米国最大級のフィランソロピーアドバイザリー「ロックフェラー・フィランソロピー・アドバイザリー」との業務提携を実現させ、世界的に先駆的なフィランソロピーアドバイザリー業務の国内での提供に尽力した。

新会社では両氏は取締役を務める。SIIFは新会社への出資などの資本関係はなく、これまでフィランソロピー事業チームがSIIF在籍中に制作した各種著作物について新会社の利用を許諾することで、新会社の事業展開の後押しし、連携していく意向。それに伴い、SIIFが同分野で蓄積してきた知見なども新会社のホームページ上で引き続き共有される予定。

なお、SIIFは、より大きなインパクトを創出すべく「触媒的資本(カタリティックキャピタル)」にも着目し、社会課題の解決に有効に活用できるよう、インパクト創出を志向する資金のエコシステムの形成に努めていくとしている。

【関連サイト】フィランソロピー・アドバイザーズ株式会社

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