ふるさと納税のお礼品選びで楽しいと思うときは?トラストバンクが「ふるさと納税体験に関する調査2023」発表
ふるさと納税総合サイト「ふるさとチョイス」を運営する株式会社トラストバンクは7月24日、「ふるさと納税体験に関する調査」(トラストバンク地域創生ラボ調査)の結果を発表した。
年々利用者が増加し、市場規模額は1兆円に届くとされるふるさと納税だが、一方で寄付者にとっては税控除が受けられたり、お礼の品をもらえたりといった特性から「お得」という意識が強く、制度の本来の意義である「地域創生」「地域間の税収格差の是正」などが「十分認識されているとは言い難い」と同社は考え、調査を実施したという。
調査は7月10日~11日にかけ、ふるさと納税をしたことがある全国の20歳以上の男女1074名にインターネットで実施。ふるさと納税を通じて得られる体験や、ふるさと納税をする際の楽しさの実態、またふるさと納税をきっかけにどのような地域とのつながりが生まれているかを探った。
「ふるさと納税のお礼の品選びで楽しいと思うとき」についての質問(複数回答)では、「知らなかった特産品に出会う」(39.0%)が最多。次点が「有名な名産品を見つける」(37.3%)「お得なものを見つける」(32.4%)「ときどきの旬のものから選ぶ」(30.6%)「生産者・事業者の想いに共感する」(15.7%)「応援したい生産者・事業者を探す」(15.2%)の順となった。お礼の品選びをする際、「訳アリ・規格外」の品を選んだことがあるのは47.9%。「日用品・生活用品」を選んだことがあるのは50.5%。「定期便を選ぶ」は31.8%だった。
ふるさと納税が地域に生み出す好影響についての質問(複数回答)で、最多は「自治体の財源が増える」(64.8%)。続いて「地域の事業者・生産者の売り上げが増える」(50.6%)だった。「ふるさと納税を通じて特定の地域のファンになったことがある」は40.9%。その理由は「お礼の品の質が良かった」が最多の74.7%。ファンになったことで実際に行動したことは「再度ふるさと納税し、お礼の品をもらった」が61.3%。その他「買い物でその地域の商品・食材を選ぶようになった」「実際に現地を訪ねた」「災害支援の寄付をした」といった行動変容もそれぞれ25%弱で並んだ。
「お得好き派」と「生産者・事業者を支援したい派」とでは、ふるさと納税歴の長さや、ふるさと納税に感じる楽しさなどにはっきり差が出た。ふるさと納税のお礼の品選びで楽しいと思うとき(複数回答)について、「お得なものを見つける」を選択した人は、「生産者・事業者を支援できることが楽しい」と思う割合が際立って低かった(「生産者・事業者の想いに共感する」3.7%、「応援したい生産者・事業者を見つける」5.2%)。
反対に、「生産者・事業者の想いに共感する」「応援したい生産者・事業者を探す」を選択した人は、いずれも「お得なお礼の品を見つけることが楽しい」と思う割合が際立って低くなり(「生産者・事業者の想いに共感する」を選んだ人の7.7%、「応援したい生産者・事業者を見つける」を選んだ人の11%)、対照的な結果となった。
ふるさと納税歴が通算1年と回答した人のうち、約半数(46.8%)はお得なものを見つけるのが楽しいと回答。過去1年、物価高騰が顕著だったことも背景にあるとみられる。「生産者・事業者を支援したい派」は、地域課題解決のための「クラウドファンディング型ふるさと納税」への認知度や寄付経験の割合も高かった。
同社は「調査を機に、ふるさと納税の寄付額の多寡だけでは語れない地域活性化や地域の関係・交流人口増加への寄与といった良い側面を社会に伝えていきたい」としている。
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