日本のサブカルチャーを楽しむ新型メタバースAKIVERSE、秋葉原をテーマにしたメタバース
今回は、AKIVERSEについて、大手仮想通貨取引所トレーダーとしての勤務経験を持ち現在では仮想通貨コンテンツの提供事業を執り行う中島 翔 氏(Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12)に解説していただきました。
目次
- 「AKIVERSE(アキバース)」とは
1-1. 「AKIVERSE(アキバース)」の概要
1-2. 運営元である「AKIVERSE INC.」
1-3. 「AKIVERSE(アキバース)」開発の背景 - 「AKIVERSE(アキバース)」の特徴
2-1. ゲームセンターをモチーフに採用
2-2. 3種類のNFT - トークンエコノミー
3-1. Teras(テラス)
3-2. AKIVERSE Governance(AKV)
3-3. AKIVERSE Reward(AKIR)
3-4. トークンセール - 今後の展開
4-1. 「PFPプロジェクト」のリリース
4-2. ロードマップ - まとめ
2023年6月14日、AKIVERSE INC.により運営される新興のWeb3×ゲームプラットフォーム「AKIVERSE(アキバース)」の公式ウェブサイトが開設され、業界内で波紋を呼んでいます。
「AKIVERSE」とは、「PLAY(遊ぶ)」、「CRAFT(創る)」、「OWN(所有する)」、「EARN(稼ぐ)」という四つの要素を組み合わせた新しいメタバースプロジェクトです。さらに、今夏には「PFPプロジェクト」のリリースも予定されています。
それでは、このweb3プラットフォーム「AKIVERSE」について、そのコンセプトや特長を深く探ります。
1.「AKIVERSE(アキバース)」とは
1-1.「AKIVERSE(アキバース)」の概要
「AKIVERSE(アキバース)」は、AKIVERSE INC.が運営するWeb3×ゲームプラットフォームです。このプラットフォームは、2023年6月14日に公式ウェブサイトが立ち上がったばかりの新プロジェクトで、その舞台は日本文化の象徴である「秋葉原」です。つまり、秋葉原をベースにしたメタバースプロジェクトです。
AKIVERSEは、ブロックチェーンテクノロジーの力を利用し、全ての人が遊び、創り、暮らすことのできる仮想空間を提供しています。それぞれのユーザーは「クリエイター」の役割を果たし、メタバース内で多様な活動を展開することが可能です。メタバース内には多くの世界都市の仮想版が存在し、各都市で開催される地域イベントや様々なコンテンツを通じて、ユーザーはバーチャル世界と現実世界の両方で他の人々と繋がることが可能です。
1-2.運営元である「AKIVERSE INC.」
「AKIVERSE INC.」は、2023年5月に設立されたばかりの、AKIVERSEの運営を担当する日本の企業です。AKIVERSE INC.はde Blanc Peter Nathan氏が代表を務め、以下のような業務領域で事業展開を行っています:
- 音楽、ビデオ、アート等のコンテンツの企画、制作、著作権管理
- アプリケーションソフトウェアの企画、開発
- グローバルマーチャンダイジング
AKIVERSE INC.は、AKIVERSEプロジェクトを通じてさまざまな新コンテンツをリリースすることが期待されており、その動向には大きな注目が集まっています。
1-3.「AKIVERSE(アキバース)」開発の背景
2021年になってから、ブロックチェーンゲームが爆発的に普及し、「NFT(非代替性トークン)」という言葉が一般的になりました。このブロックチェーンゲームの急速な流行を受けて、世界中でさまざまなプロジェクトが立ち上がりました。中でもユーザーの日常生活と連動し、報酬を得ることができる「X to Earn」形式のゲームが特に注目を浴びていました。しかし、2022年1月に全世界のNFT取引規模が172億ドルに達した後は、市場状況の変動やトークン価格の急落などを背景に、業界全体が停滞状態に陥りました。
こうした中、AKIVERSE INC.は、この大きな変革期にあるNFT業界の需要と動きに対応するため、これまでのブロックチェーンゲームの先進的な技術を取り入れ、新たなメタバースプラットフォーム「AKIVERSE」の構築に踏み切ったのです。AKIVERSEは、高性能なパソコンやブロックチェーン技術への詳細な知識を必要とせず、スマートフォン1台とインターネット接続があれば誰でも気軽に楽しむことができます。そして、テクノロジーの急速な進化や社会状況の変動、新たな価値観への対応を逐次行いながら、「拡張社会」の創出に取り組んでいます。地域や国籍、人種、宗教、社会的地位、学歴、生活環境など、どのような背景を持つ人々でも安全に参加し、経済的な価値と自己実現の機会を享受できる場を提供することが目指されています。
2.「AKIVERSE(アキバース)」の特徴
2-1.ゲームセンターをモチーフに採用
AKIVERSEは、ゲームをベースとした体験に注力しています。そのため、プロジェクトのモチーフには「ゲームセンター」が選ばれています。
1980年代から2000年代にかけては、ゲームセンターは子供たちの集いの場であり、そこで友情が生まれ、コミュニティーや文化が育まれました。街のあちこちに大小様々なゲームセンターが点在し、小規模なホテルや旅館にもしばしば設けられていました。その結果、日本では誰もが気軽に、そして頻繁にコンピュータゲームを楽しむ文化が根付いています。日本のゲームユーザーは総人口の半数近くにも上ります。コンピュータゲーム市場全体の規模は約2兆1,680億円で、そのうち家庭用ゲーム機とソフトウェアが28%、つまり約6,070億円を占めています。これは、日本の人口や市場規模を考慮に入れても、世界的に見て特異な状況です。
しかしながら、モバイルゲームの普及、少子化の進行、新型コロナウイルスの影響などにより、伝統的なゲームセンターの規模は縮小傾向にあり、多くの店舗が閉鎖や閉店を余儀なくされています。そんな中で、AKIVERSEは日本独自のこの貴重なゲーム文化を継承しようと、ゲームセンターをテーマにしたプロジェクトを展開しています。AKIVERSEの目指すところは、かつてのゲームセンターが担っていたコミュニティ形成の役割を再生し、それを国内外の誰もが気軽に参加できるメタバース空間にまで拡大させることです。
2-2.3種類のNFT
AKIVERSEでは、「ゲームセンター」、「アーケードマシン」、「アーケードパート」という3種類のNFTが提供されています。
ゲームセンター
ゲームセンターはプレイヤーがゲームを楽しむためのアーケードマシンを配置するスペースです。各ゲームセンターはERC-721規格のトークン(NFT)となっており、他のブロックチェーンゲームで一般的な「LAND」に相当します。
このゲームセンターNFTは、プレセールやマーケットプレイスで購入できます。大・中・小の3種類のサイズが選択可能で、サイズによって設置できるアーケードマシンの数が異なります。また、ゲームセンターNFTを所有している方は、設置スペースを他者に貸し出し、レンタル期間に応じて料金を得ることも可能です。
アーケードマシン
AKIVERSE内の各ゲームは、該当するアーケードマシンを介してのみプレイできます。アーケードマシンの所有者は、プレイヤーとの報酬比率を自由に設定できます。
アーケードマシンの取得方法は少し複雑で、クラフト(4つのアーケードパーツを組み合わせること)、マーケットプレイスでの購入、あるいはオーナーランキングでの上位入賞が必要となります。
アーケードパート
アーケードパーツとは、アーケードマシンを組み立てるための素材を指します。具体的には、「ROM」、「アキュムレーター(Acc)」、「アッパーキャビネット(UC)」、「ロアーキャビネット(LC)」の4種類があります。
これらのパーツもまた、ERC-721規格のNFTで、マーケットプレイスから直接購入可能です。さらに、オーナーランキングで上位にランクインすることで、新しいアーケードマシンを製作するためのアーケードパーツを手に入れる確率が上がる仕組みとなっています。
3.トークンエコノミー
3-1.Teras(テラス)
「Teras(テラス)」は、後述するユーティリティトークン「AKIR」と交換可能なメタバース内の通貨です。ゲームセンターでアーケードマシンのスペースを借りたり、アーケードパーツで新しいアーケードマシンを作る「クラフト」に使うことができます。
Terasは、より多くの人がAKIVERSEを楽しむことができるように設けられた仕組みです。また、「Teras(テラス)」という名前はAKIVERSEの世界観から生まれています。AKIVERSEの世界に生きるすべての人々にとって、「光」は希望を象徴します。そのため、Terasという名前は、「暗闇を照らす」という意味の「照らす」と、日本の有名な太陽の女神「天照(アマテラス)」の「テラス」に由来しています。
3-2.AKIVERSE Governance(AKV)
「AKIVERSE Governance(AKV)」は、AKIVERSE内でガバナンストークンとして使用される、ERC-20規格のトークンです。AKVを保有している人は、プラットフォームやコミュニティへの貢献に対する報酬を受け取ることができます。また、ステーキングボーナスやLPファーミングボーナスの獲得、そしてAKIVERSEの重要なガバナンス投票への参加権を得ることも可能です。さらに、定められた数以上のAKVを保有するステークホルダーには、アーケードマシンなどがエアドロップされる予定で、サービス開始前のアーリーアクセス権も得られます。
3-3.AKIVERSE Reward(AKIR)
「AKIVERSE Reward(AKIR)」は、AKIVERSE内の各種取引を支えるユーティリティトークンで、ERC-20規格に基づいています。
前述のメタバース内通貨「Teras」を引き換えて手に入れることが可能です。AKIRは、アーケードパーツを使って新しいアーケードマシンを作る「クラフト」における手数料として使用されます。また、プレーヤーはゲームプレイに加えて、AKIRをファーミングし、その報酬としてAKIRを獲得することもできます。なお、クラフトに使用されたAKIRはバーン(焼却)されることに注意してください。
3-4.トークンセール
AKIVERSEでは、AKVというガバナンストークンを限られた投資家に向けて販売し、その収益をメンバーの獲得とプラットフォーム強化に活用しています。この売却は複数回にわたるトークンセールを通じて行われました。
具体的な売却詳細は次のとおりです:
- 販売数:68,000,000 AKV
- 売上高比率:17.0%
- 販売価格:1AKV = $0.0675~$0.10
- 販売期間:2022年9月に終了
- 購入方法:プライベートセール
- 募集上限額:$5,890,000
シードラウンドでは、2022年1月までに$1,890,000を調達し、購入者には初の取引所リスト作成から300日間、全トークンがロックアップ(売却不可)状態にされました。その後、毎月4%ずつ解除されています。プライベートセールの参加者に対しても同様に、初の取引所リスト作成から270日間、全トークンがロックアップされました。
さらに、プライベートセール後には、以下の要件に基づきIEO(Initial Exchange Offering)が実施される予定です。
- 販売数:28,000,000 AKV
- 売上高比率:7.0%
- 販売価格:1AKV = $0.25
- 販売期間:未定(IEO実施)
- 購入方法:未定(取引所を通じた購入)
- 募集上限額:$7,000,000
このIEOでは、プライベートセール時と同じく、保有期間に基づきAKVが獲得できるよう設定されています。
4.今後の展開
4-1.「PFPプロジェクト」のリリース
AKIVERSEでは、今夏に「PFPプロジェクト」をリリースする予定です。「PFP」は「Profile Picture(プロフィール・ピクチャー)」の略で、これはユーザーのプロフィール画像として使われるNFTを指します。NFTコレクションの中には、このPFPを目的としたプロジェクトが数多く存在します。
AKIVERSEもこの流れに乗り、PFPプロジェクトを進めています。この夏にはプレセールおよびパブリックセールが予定されており、具体的な販売日時、価格、枚数、利用用途などの詳細も発表される予定です。
4-2.ロードマップ
以下に、AKIVERSEの主な予定を紹介します:
2023年
- <2Q>
・オープンベータ版の公開 - <3Q>
・AKVトークンの公開販売開始
・AKVトークンのステーキングとファーミングサービス提供開始
・AKIRトークンのステーキングとファーミングサービスをAKV向けに提供開始
・コラボレーションイベント開始
・AKIVERSEの正式版リリース - <4Q>
・「おでん缶」SDKのリリース
2025年末まで
- VTuberやアーティストのライブストリーミングのサポート
- デジタルコンテンツサービスのサポート
- 教育支援サービスの展開
- eコマースプラットフォームの提供
- 独自マーケットプレイスの開設
- DeFi(分散型金融)サービスの提供
5.まとめ
AKIVERSEは、Web3とゲームを融合させたプラットフォームで、その運営はAKIVERSE INC.が行っています。ゲームセンターをイメージさせるメタバース空間は、「秋葉原」という日本文化の象徴をテーマに展開されています。
AKIVERSEは、地域、国籍、人種、宗教、社会的地位、学歴、生活環境などを問わず、誰もが安全に参加し、経済的な価値と自己実現の機会を享受できる空間の確立を目指しています。そのために、ユニークなNFTとトークンによるエコシステムを築いています。
今夏にはPFPプロジェクトがスタートし、今後の計画もロードマップとして公開されています。興味をお持ちの方は、公式ウェブサイトを訪れ、AKIVERSEの世界に一歩踏み入れてみてはいかがでしょうか。
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