リフォームとリノベーションの違いは?費用や工期などを比較
今後住宅のリフォームやリノベーションを検討している方の中には、それぞれの定義や費用・工期の違いについて気になる方も多いのではないでしょうか。リフォームとリノベーションは同じ意味合いとして捉えがちですが、明確に違いが分かれており費用や工期も異なります。
そこで当記事ではリフォームとリノベーションの定義や費用・工期の違いに加え、双方のメリット・デメリットなどを紹介していきます。
目次
- リフォームとリノベーションの基本的な定義と違い
1-1.リフォームは既存の建物や部屋の改善・修復
1-2.リノベーションは建物や部屋の全面的な改修 - リフォームとリノベーションの費用と工期の違い
2-1.リフォームの費用・工期
2-2.リノベーションの費用・工期 - リフォームかリノベーションか判断するためのポイント
3-1.物件の立地
3-2.発生する費用
3-3.将来の住宅の利用方法 - 軽度のリフォームであれば自己施工・DIYという選択肢も
- まとめ
1.リフォームとリノベーションの基本的な定義と違い
1-1.リフォームは既存の建物や部屋の改善・修復
リフォームは既存の建物や部屋を改善・修復することを指し、外観や機能を改善する改修作業です。例えば壁紙の張り替えや床の張り替えなどがリフォームに含まれます。
賃貸不動産の原状回復などのように、元の状態に戻す改修工事はリフォームだと考えることができるでしょう。また部分的な改修がメインとなる工事のため、リノベーションと比較すると工事費用も安価で工期も短い傾向があります。
リフォームは住み慣れた住宅を表面的に改装を行うケースが殆どのため、従来通りの生活で不満を抱えていない方は施工費用も安価で済ませやすく、工期も短いという点がメリットです。
1-2.リノベーションは建物や部屋の全面的な改修
リノベーションは建物や部屋を全面的に改修し、元の状態以上の価値を得ることができる工事です。例えば、解体を伴う大幅な住宅のレイアウト変更、配管や電気などライフラインの交換などがリノベーションに含まれます。
例えば、子育てを終えた世代が老後に備えて自宅へ大規模なバリアフリーを施す工事や、住宅のデザイン性を高めたり、耐震・耐熱などの住宅性能を高める工事などは、リノベーションだと考えることができるでしょう。
リノベーションは大規模な修繕を実施するため、デザイン・間取りといった自由度が高く既存の住宅に囚われない工事を施すことができます。トイレや風呂場の移動などの水回りの移動といった、大掛かりな工事が実施できるのもリノベーションのメリットです。
2.リフォームとリノベーションの費用と工期の違い
2-1.リフォームの費用・工期
専門業者に依頼した場合、施工する内容や住宅の状態、施すリフォームのケースによって大きく変動しますが、リフォームの費用や後期の大まかな目安としては以下の通りです。
- クロスの変更・張り替え:約5〜10万円(半日〜3日)
- 床材の変更・張り替え:約5〜10万円(半日〜3日)
- 化粧台:約10〜25万円(半日〜3日)
- トイレ:約15〜30万円(半日〜2週間)
- キッチン:約60〜100万円(2日〜2週間)
- 屋根工事:約50〜100万円(8日〜2週間)
- 浴槽工事:約60〜120万円(4日〜10日)
- 外壁工事・外壁塗装:約90〜120万円(8日〜2週間)
リフォームは原状回復やトイレや浴槽の交換などリノベーションと比較すると工事規模が小さいケースが多いため、費用が安くなりやすい工事です。部分的なリフォームであれば数日程度で済む場合も少なくありません。
数日程度で済む工事が大半のリフォームですが、屋根工事や外壁工事などは雨天では工事を進めることができません。そのため、天候によっては長期化する可能性がある工事もあります。
また、リフォームは既存の住宅を利用する都合上、耐久性に不安が残るといったデメリットを抱えています。修理を施せなかった耐用年数をむかえた箇所からトラブルが発生する可能性がある点に注意が必要です。またリノベーションと異なり既存住宅の間取りや骨組みの制約を受けるため、自由度が低い点も押さえておきましょう。
同じリフォームでも水回りや外壁など専門的な技術者が必要となる設備工事ほど高額になる傾向があるため、本当にリフォームを施す必要があるか十分検討を重ねた上で施工を実施していきましょう。
また築年数が経過した住宅の屋根工事の場合は、現在では使用が禁止されているアスベストを含有しているケースがあります。アスベスト保有の屋根材が使用されている住宅で屋根工事を行う場合、専門的な取り扱いと処分が伴う都合から通常より高額なリフォーム費用が発生する恐れもあるため注意しましょう。
2-2.リノベーションの費用・工期
リノベーションは依頼者の注文内容や工事の目的によって費用に幅があります。費用の大まかな目安としては、以下の通りです。
- マンション:250〜2,000万円
- 戸建:390〜2,000万円
リノベーションは大規模な工事となるため、数ヶ月以上と工期も長くなります。工事が終わるまで、住宅に住むことができないという点にも注意が必要でしょう。
またリノベーション費用は工事をする場所や広さ、間取りや求めるデザインなどによっても大きく金額が変動します。リフォームと同様に水回り設備を含めるかどうかで大きく差が生じるため、施工費用の幅が大きい点も押さえておきたいポイントです。逆に、壁紙や床の変更だけなど簡易的なリノベーションであれば、費用も比較的安価で施工期間も短く済みます。
内壁や外壁などの解体を何処まで行うかも、リノベーションで費用が大きく変動するポイントとなります。間取りを変更するかどうか、既存の内壁や外壁をどこまで解体するかもリノベーションの費用が大きく左右されます。
例えば、築年数が比較的浅い住宅で間取りを変更しない表層的なリノベーションであれば、比較的低予算で実施することが可能です。逆に大きく間取りを変更し、水回りの設備や配管を一新した場合は高額な予算が必要なケースもあります。
3.リフォームかリノベーションか判断するためのポイント
3-1.物件の立地
住まいにリフォームかリノベーションのどちらかを施すか迷った場合には、物件の立地から判断するのも手段の1つです。物件の立地が良い場合はリノベーションを施した場合住宅の資産価値が高く評価される可能性があり、売却時の価格にも良い影響を与えることがあります。
立地の良い物件で高い売却益を望める立地であれば、最新設備の導入や妥協のないデザインで住宅の価値を高めることができるリノベーションも視野に入るでしょう。
3-2.発生する費用
リフォームとリノベーションでは工事規模が異なるため、発生する費用の差が大きくなることも珍しくありません。そのため、自身の予算とのバランスからリフォームとリノベーションの費用を比較して、予算に合った工事を行うのも選択肢となるでしょう。
またリフォームとリノベーションは施工する工務店や業者によっても費用が異なります。相見積もりを行うなど地域の相場を判断して施工を依頼するのも失敗を防ぐポイントです。
ただし、費用が異常に安い業者や不自然な大幅値引きを行う業者は手抜き工法などを用いる悪徳業者である事例もあります。価格だけを比較するのではなく、過去の実績を確認するなどして、信頼できる業者かどうかの見極めもリフォームやリノベーションを成功させるために押さえておきたい注意点です。
3-3.将来の住宅の利用方法
将来の想定した利用方法に向けて住宅に施工を施すのも、リフォームかリノベーションのどちらかを検討する際に検討材料となるポイントです。
例えば、子育てを終えた夫婦世帯の住宅であれば、老後に備えて間取りを減らし、住宅全体にバリアフリーを施すリノベーションが検討できます。その他、中古物件を購入した子育て世代であれば、将来子供が思春期を迎える時期に備えて部屋数を増やすリノベーションも検討材料となるでしょう。
逆に将来も現状からライフスタイルが大きく変わらないと予想されるのであれば、出費をおさえるリフォームが選択肢となるでしょう。
4.軽度のリフォームであれば自己施工・DIYという選択肢も
リフォームとリノベーションは専門業者に発注すると、高額な施工費用になることも珍しくありません。特に2022年からはウクライナ情勢により木材価格が高騰しているウッドショックの影響から、リフォームやリノベーションに使用する材料費も高額になっています。
壁紙の張り替えといった軽度のリフォームであれば、人件費をおさえて費用を軽減できるDIYも有効な選択肢です。特に住宅を賃貸物件として貸し出すなど、不動産投資に挑戦する場合には工賃を極力少なくすることができるため、実質利回りの改善にもつながります。
ただし、自身で施工を行うためプロのような品質が期待できない点や施工時間が長くなるといったデメリットがあるため、DIYは時間に余裕がある方に向いているリフォーム方法となる点に注意が必要です。
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まとめ
リフォームとリノベーションはそれぞれ工事の目的や規模感が異なります。リフォームでは元の状態に戻す改修工事がメインとなり、リノベーションは間取りの変更などにより元の状態以上の価値を得ることができる工事となります。
それぞれ違いが分かりにくいため意味が混合されやすいリフォームとリノベーションですが、求めている住宅の機能性に合わせて施工法を選択することで思わぬ失敗を防ぐことができます。工事の目的にあわせて、リフォームを行うか、リノベーションを施すかの判断をしていきましょう。
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