デジタルお土産(NFT)を提供する「スマホdeおみやげ」サービスとは?導入事例も解説!
観光地を訪れた際、記念のお土産を購入するのは一般的な行為です。農産物を食の楽しみとして選ぶこともあれば、物理的なものが増えるのを避けたいと感じる方もいるでしょう。
そんな中、「スマホdeおみやげ」サービスは、NFTというデジタルアイテムを提供することで、物を増やさずに、素敵な思い出を形に残す方法を提案しています。この記事では、「スマホdeおみやげ」の特徴や、実際の導入事例について解説いたします。
目次
- 観光DXサービス「スマホ de おみやげ」
1-1.サービス実装の背景
1-2.NFTで「関係人口」創出に成功している事例
1-3.「スマホdeおみやげ」の特徴
1-4.町の特性に合わせて企画・実装 - 「スマホdeおみやげ」実装事例
2-1.山口県山口市・香山公園に所在する「国宝瑠璃光寺五重塔」のNFT販売
2-2.「スマホ de おみやげ」導入第一弾、三重県松阪市
2-3.「スマホ de おみやげ」導入第二弾、広島県尾道市 - まとめ
①観光DXサービス「スマホ de おみやげ」
「スマホdeおみやげ」は、観光地やイベントをタッチポイントとし、スマートフォンで楽しめるデジタルグッズを「デジタルお土産(NFT)」として提供するサービスです。訪れた場所や参加したイベントの記録として、思い出をデジタルコレクションすることができます。
このサービスは、地域の魅力を発信し、消費・来訪率の向上を図るとともに、長期的なコミュニケーションを通じて地域ファンの創出を目指す、地方自治体・観光協会向けのソリューションです。地方の抱える課題に対して、具体的な解決策を提供し、社会実装を進めていきます。
1-1.サービス実装の背景
長らくの間、日本は人口減少と高齢化、また都市集中が進み、地方でのコミュニティ形成が難しい状況が続いています。そんな中、移住者の増加を目指す動きと並んで、地域に関心を持つ「関係人口」を増やす取り組みが注目を集めています。
地域の関係人口を増やすためには、まちとの繋がりを深め、コミュニケーションや体験を通じてエンゲージメントを高める必要があります。「スマホdeおみやげ」は、デジタルお土産を通じて、町の魅力や情報を継続的に共有し、地域外からの来訪率を向上させる仕組みを構築しています。
1-2.NFTで「関係人口」創出に成功している事例
「関係人口」は、地域に定住せず、観光だけでなく、様々な形で地域と関わる人々のことを指します。具体的な例としては、ふるさと納税があります。地域に直接訪れることなく、納税を通じて地域とつながることができます。
デジタルアートNFTを活用した事例としては、旧山古志村の「Nishikigoi NFT」が挙げられます。地域のシンボルである錦鯉をデザインしたこのNFTは、地元の長岡市と協力し、自治体公認のプロジェクトとして展開されました。
第一弾セールにおいて1,500点がミントされ、発売からたった二ヶ月で約600万円の資金調達に成功しました。発行する「Nishikigoi NFT」は「電子住民票」としての役割も兼ねているため、NFTを保有するだけで世界中の誰もが山古志のデジタル住民になることが可能です。
また山古志のNFT、つまり電子住民票を保有しているホルダーは、村のガバナンスに参加することが可能となってます。地域活性化のプロジェクト会議への出席や、「デジタル村民選挙」への投票などを行う権利を得ることができます。NFTはNFTマーケットプレイスOpenSeaで売買されているので、購入後は売却することも可能ですし、誰かに譲渡することもできます。そういった面では自由度が高い住民票であり、ふるさと納税ののように応援がしやすいと言えます。
1-3.「スマホdeおみやげ」の特徴
「スマホdeおみやげ」は、観光先でデジタルなお土産(NFT)を提供するサービスで、地域の消費・来訪率の向上を図り、長期的なコミュニケーションによって地域のファンの創出を目指します。観光客は専用アプリをダウンロードし、観光地でNFTを受け取ります。
これらのデジタルお土産はAstar Network上で発行され、訪れた証明となります。また、受け取った観光客には、観光マップ、限定クーポンなどの特典が提供され、滞在中のサポートや旅行の満足度向上を目指します。
「スマホdeおみやげ」で配布したデジタルお土産は、町での滞在が終了した後も、PR手段として活用できる点がポイントです。専用アプリ「YOIN」にはデジタルお土産の所有者を対象に、今後のイベント情報やふるさと納税の案内など、町に関するお知らせを発信する通知機能があります。1度の観光で関係性が終わってしまうのではなく、滞在終了後も観光客と継続的に繋がり続けることで、町に対する想いやリピート意欲を構築し、リピーターや関係人口を創出します。
1-4.町の特性に合わせて企画・実装
サービスは、町の特性に合わせて柔軟に企画・実装が可能です。常設配布や期間限定配布、特産品やキャラクターをモチーフにしたデジタルお土産など、詳細は顧客の要望に応じて提案されます。
SNS施策やキャンペーンと連動したサービス導入も可能で、中期・長期的な導入により、地域経済の活性化や観光産業の復興、訪日外国人の受け入れ体制強化(23年夏実装予定)など、多岐にわたる課題解決が期待されます。
- 地域外からの消費・来訪率の向上
- 地域のファン(関係人口)の創出
- 地域経済の活性化
- 観光産業をはじめとした地域産業の復興
- 訪日外国人の受け入れ体制強化(23年夏実装予定)
②「スマホdeおみやげ」実装事例
実際に当サービスを導入し実施している自治体は、山口県山口市、三重県松阪市、広島県尾道市です。
2-1.山口県山口市・香山公園に所在する「国宝瑠璃光寺五重塔」のNFT販売
山口市の名所、国宝瑠璃光寺五重塔を3Dデジタル化し、スマートフォンで楽しめるお土産が提供されています。現在、五重塔は70年ぶりの全面葺き替え工事中ですが、デジタルお土産では、細部まで鑑賞可能です。
「国宝瑠璃光寺五重塔NFT」は、お得なクーポンやチケットとセットで販売され、山口市内での観光や体験が楽しめます。販売は瑠璃光寺総合受付窓口で、価格や内容には様々なプランが用意されています。購入者には抽選で特典もあります。
【概要】
●販売開始日:2023年9月7日(木)
●販売場所:瑠璃光寺総合受付窓口
●価格/販売内容:
・梅:2,000円
内容:国宝瑠璃光寺五重塔NFT、市内の登録飲食店で利用可能なデジタルクーポンチケット、遷座記念特別拝観チケット(瑠璃光寺資料館も含む)
・竹:5,000円
内容:国宝瑠璃光寺五重塔NFT、市内の登録飲食店で利用可能なデジタルクーポンチケット、選べる山口市内歴史文化体験コース(記念NFT付き)、遷座記念特別拝観チケット(瑠璃光寺資料館も含む)
・松:15,000円
内容:国宝瑠璃光寺五重塔NFT、市内の登録飲食店で利用可能なデジタルクーポンチケット、選べる山口市内歴史文化体験コース(記念NFT付き)、遷座記念特別拝観チケット(瑠璃光寺資料館も含む)、湯田温泉の入浴ペアチケット、お食事ペアチケット
●購入者特典:
購入者の中から抽選で、湯田温泉の人気旅館ペアチケットや、山口市の厳選されたグルメがプレゼントされます。
●主催:山口システム通信(株)、山口市
●後援:(一財)山口観光コンベンション協会
●協力:(株)Digittle、シンクリア
販売内容や購入者特典など、細かい情報が丁寧に説明されていますので、購入を検討される方にとって非常に分かりやすい内容となっています。これにより、参加者が各プランの特典を明確に理解し、自分に適したプランを選ぶ手助けとなるでしょう。
【国宝瑠璃光寺五重塔NFTの特徴】
①国宝瑠璃光寺五重塔の訪問をデジタルで記念
日本三名塔のひとつ、国宝瑠璃光寺五重塔への訪問は、専用アプリを利用し、デジタルお土産としてスマホに記録可能です。アプリでは、訪問日が刻印されます。
②大改修中でも五重塔をスマホでいつでも楽しめる
「令和の大改修」により、五重塔の全貌を直接目にすることができない間も、デジタルお土産は3Dでの鑑賞が可能です。お手持ちのスマホで、いつでも五重塔をお楽しみいただけます。
③五重塔の細部まで、回転・拡大して閲覧可能
回転表示や拡大表示機能により、通常は見落としがちな五重塔の建築美の細部まで、自由に観察することができます。
2-2.「スマホ de おみやげ」導入第一弾、三重県松阪市
松阪市では、「松坂城跡桜ライトアップ」に合わせ、地元蒲生氏の家紋「対い鶴」をモチーフとしたデジタルお土産(NFT)の実証実験が2023年3月24日(金)〜4月9日(日)に行われました。
「スマホdeおみやげ」は観光地やイベント、文化施設での来訪記念品として、様々な場面で活用可能です。特に、毎年開催される「松坂城跡桜ライトアップ」への来訪者には、記念のデジタルお土産が配布されました。(松阪市内居住者も利用可能)
デジタルお土産受領者には特典があり、松阪市での滞在を一層楽しめます。特典内容は、デジタルお土産を受け取り、専用アプリをダウンロードした方のみがアクセス可能な特設サイトで案内されます。
- 【特典一覧】
- 抽選で松阪牛が当たるプレゼントキャンペーンへの応募
- 豪商のまち松阪観光交流センターで使えるお土産10%OFF割引クーポン
- Instagramで使えるオリジナルARフィルター
- 松阪グルメマップ
- 松阪市の今後のイベント情報等のお知らせ
【デジタルお土産の受け取り方法】
対象施設に掲示されたポスターやチラシから、スマートフォンでQRコードを読み取り、手続きを行うことで、デジタルお土産を受け取ることができます。アプリのダウンロード後、受け取ったデジタルお土産の閲覧や保管、特典の利用が可能です。
2-3.「スマホ de おみやげ」導入第二弾、広島県尾道市
尾道市立美術館では、尾道市立美術館への来館記念として、美術館にゆかりのある2匹の猫「ケンちゃ尾道市立美術館では、2023年7月1日(土)〜9月3日(日)の期間、美術館に縁のある2匹の猫、ケンちゃんとゴッちゃんのデジタル3Dフィギュアがデジタルお土産(NFT)として無料配布されました。この特別なお土産は、来館記念品として、スマートフォンを通じて持ち帰ることができます。
尾道市立美術館近くのレストラン飼い猫である黒猫の「ケンちゃん」と、かつて地域猫だった茶トラ猫の「ゴッちゃん」は、2017年3月、特別展「招き猫亭コレクションー猫まみれ」開催中、美術館への入館を試み、その様子が美術館公式Twitterで紹介され、世界中の人々に愛される存在となりました。現在、ゴッちゃんには飼い主様がいらっしゃいますが、2匹の愛らしい様子は引き続き美術館のX(旧Twitter)で紹介されています。
【デジタルお土産の受け取り方法】
尾道市立美術館に設置されたポスターや配布されるチラシから、スマートフォンで二次元コードを読み取り、手続きを行うことでデジタルお土産を受け取ることができます。受け取った後、端末アプリをダウンロードすることで、デジタルお土産の閲覧・保管が可能です。
③まとめ
観光DXサービス「スマホ de おみやげ」は、デジタルお土産の配布・販売を通じて、地方創生の新しい形を提示しています。今後は、更に多くの地方自治体が、地域課題の解決のためにNFTを利用していくことでしょう。NFTに興味があったが、これまで手を出せなかったユーザーも、地域特有のNFTを通じて、初めての所有体験を得るかもしれません。
NFTは投資や投機の対象となることもありますが、それだけがNFTの可能性ではありません。地元コミュニティとアーティストのコラボレーションは、地域のイメージ向上や観光客の誘致に繋がることが期待されます。このようなNFTを活用した地方創生プロジェクトに今後も注目が集まり、新たな取り組みが見られることでしょう。
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Source: 仮想通貨の最新情報BTCN | ビットコインニュース
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