炭素除去スタートアップGrassroots Carbon、マイクロソフトと土壌炭素クレジット契約を締結。
自然ベースの炭素除去スタートアップGrassroots Carbonは1月30日、マイクロソフトと土壌炭素クレジット契約を締結したと発表した(*1)。マイクロソフトにとっては初めて、持続可能な管理を実現した牧草地の炭素除去クレジットを購入する。
同クレジットは30年間超にわたり炭素を貯留することによって創出したものである。
土壌の健全性を向上させるメリットは、貯水量の増加、浸食の防止、牧草地の生態系の改善など多岐にわたる。炭素クレジットへの投資は、持続可能な土地管理を実践している牧場主を直接支援するものでもあり、牧場主はこれらのクレジットの利益の大半を受け取ることができる。
現在、アメリカの牧草地の41%は家畜の放牧に用いられており、年間5億トン以上の二酸化炭素(CO2)を吸収する能力がある。しかし、その牧草地の95%は従来からの方法で管理されており、土壌の炭素を枯渇させている。
Grassroots Carbonは、深さ1メートルの厳密な測定、第三者による検証、炭素除去・貯留の認証に基づき、土地管理者が炭素貯留から収入を得る機会を創出することで、持続可能な手法への転換を支援することを目指している。
Grassroots Carbonの最高経営責任者(CEO)を務めるブラッド・ティッパー氏は「土壌の炭素貯留は気候変動の解決に不可欠な要素であり、リジェネラティブな牧場経営を行う牧場主は、その解決策における信頼できるパートナーだ」と述べた(*1)。
マイクロソフトの炭素除去ポートフォリオ担当ディレクターを務めるフィル・グッドマン氏は「高品質な土壌炭素クレジット・ソリューションの支援は、弊社の炭素除去戦略の一環である。今回のGrassroots Carbonとのプロジェクトでは、PastureMapという測定・報告・検証(MRV)ソフトウェアを活用し、牧場主の輪換放牧への移行を奨励することで、米国の牧草地管理を改善する」と述べた(*1)。
マイクロソフトはGrassroots Carbonと協働し、MRVのイノベーション活用と土壌炭素や生態系に関する大規模なデータセットの作成を通じて土壌炭素市場を発展させる方針だ。
【参照記事】*1 PR Newswire「Grassroots Carbon to provide Microsoft with soil carbon storage credits」
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