金融教育に使えるゲーム・アプリ・本は?小学生~高校生の年代別に紹介
2022年4月から高校で金融教育が導入されました。2024年からは新NISAがスタートし、資産運用がより身近なものとして、あらためて資産形成の基礎知識を学ぶ必要性が高まっています。
一方、金融リテラシーを身につけるためには、子どもの成長に合わせた教育が大切です。この記事では、子どもの金融教育に役立つゲーム・アプリ・本を年代別に紹介します。
目次
- 子どもへの金融教育のメリット
1-1.経済の仕組みや資産形成の必要性を理解できる
1-2.お金の管理ができるようになる
1-3.金融トラブルを回避できる
1-4.人生設計に役立つ - 【小学生向け】金融教育に役立つゲーム・アプリ・本
2-1.小学生向けのアプリ
2-2.小学生向けのゲーム
2-3.小学生向けの本 - 【中学生向け】金融教育に役立つゲーム・アプリ・本
3-1.中学生向けのアプリ
3-2.中学生向けのゲーム
3-3.中学生向けの本 - 【高校生向け】金融教育に役立つゲーム・アプリ・本
4-1.高校生向けのアプリ
4-2.高校生向けのゲーム
4-3.高校生向けの本 - 15歳以上であれば実際の証券会社で少額投資をする方法も
5-1.SBI証券
5-2.楽天証券
5-3.大和コネクト証券 - まとめ
1.子どもへの金融教育のメリット
子どもが自立して生きていくには、お金に関する判断力を身につける必要があります。そのためには、子どものうちからの金融教育が必要になるのです。ここでは、子どもへの金融教育のメリットを解説します。
1-1.経済の仕組みや資産形成の必要性を理解できる
金融教育を受けると経済の仕組みやお金の流れ、インフレやデフレなどの概念を理解できます。経済の仕組みを学ぶと、自然に資産形成の必要性を理解できるようになります。そのような理解が、具体的な資産形成の行動につながっていくでしょう。
1-2.お金の管理ができるようになる
子ども時代のおこづかいのやりくりは、大人になってからのお金の管理につながります。お金の管理は生きていくうえで必要不可欠なスキルです。お金の管理能力は実践的な金融教育によって身につくものといえます。
1-3.金融トラブルを回避できる
適切な金融教育を受けると、金融トラブルを回避できるようになります。金融トラブルとは金融詐欺に騙されたり、ローンを滞納したりするようなことです。金融トラブルは、自分や家族の生活に悪影響を及ぼします。
このようなトラブルは金融リテラシーを身につけ、正しい判断ができるようになると避けられます。金融教育は、子どもの身を守るものでもあるのです。
1-4.人生設計に役立つ
金融教育によって身につく金融リテラシーは、人生の目標を達成するための人生設計に役立ちます。将来何をしたいか、どんな暮らしをしたいか、どれくらいの収入が必要か、どんな貯蓄や資産形成が必要かなどの目標設定ができます。
また、計画が順調に進まない場合も、柔軟に対処できるようになるでしょう。
2.【小学生向け】金融教育に役立つゲーム・アプリ・本
お金についてのモラルを身につけるには、小さい頃からの家庭での教育が大切です。小学生はおこづかいのやりくりやゲームを通じて、親子で楽しみながらお金の基本を学べるとよいでしょう。ここでは、小学生の金融教育に役立つゲーム・アプリ・本を紹介していきます。
2-1.小学生向けのアプリ
小学生向けのお金のアプリを2つ紹介します。
まねぶー
「まねぶー」は、3歳から8歳の子ども向けマネー学習アプリです。実在する企業のお店で働いてお金(アプリ内通貨「マネブ」)を稼ぎ、マネブを使って買い物をする体験を通じて、お金の仕組みや働くことの大切さなどを学べます。
まねぶーは親子でプレイもでき、遊び方や仕事を早く終わらせる方法を相談するなど、コミュニケーションを楽しめるように設計されています。
ハロまね
「ハロまね」は、三井住友カード株式会社が提供する子ども向けおこづかい帳アプリです。おこづかいの収入・支出管理や、銀行や利息、外貨交換など、さまざまなお金に関する学びの機能を備えています。
アプリのメイン機能は、おこづかいの収入・支出管理です。子どもはアプリ上でおこづかいの金額や使い道を入力し、収支管理の基本を身につけます。
また、アプリ内には「ハロまね銀行」という仮想銀行機能も用意されています。子どもはアプリ上でお金を預金したり引き出したりを体験でき、金利設定やドル預金により利息や為替の概念も学べます。
さらに、アプリには「おてつだい」機能も装備されており、子どもが取り組んだおてつだいの記録が可能です。おてつだいの種類によるおこづかいの金額設定もできます。
2-2.小学生向けのゲーム
小学生向けのお金のゲームを3つ紹介します。
うんこお金ドリル
「うんこお金ドリル」は、大人気の「うんこドリル」と金融庁のコラボによるお金のサイトです。うんこをモチーフにしたキャラクターやイラストが使用されており、子どもが楽しみながらお金や経済の仕組みについて学べます。
うんこお金ドリルは、生活編と経済編の2つに分かれています。生活編で学べるのはおこづかいの管理や、お金の使い方、貯金の仕方など、日常生活で役立つお金の知識です。経済編では貨幣の種類や、お金の流通の仕組み、金融機関の役割のような、経済の仕組みを学べます。
人生ゲーム
人生ゲームは1963年にタカラトミーから発売され、現在も人気のあるボードゲームです。ゲームは「すごろく」で、サイコロを振ってコマを進ませ、ゴールに一番早く到着することを目指します。
プレイヤーは結婚や出産、仕事、病気など、人生のさまざまなイベントを経験しながら、お金を稼いだり、資産を増やしたりしていきます。
人生ゲームは楽しみながら人生のさまざまなイベントを疑似体験できる、教育的なゲームです。また、お金の大切さや、人生の選択の重要性など、大人にも学びを与えてくれます。
キャッシュフロー・フォー・キッズ 日本語版
「キャッシュフロー・フォー・キッズ 日本語版」はアメリカの起業家ロバート・キヨサキ氏が考案した、子ども向けのボードゲームです。
このゲームで学べるのは、お金と会計、投資の基礎知識で、キヨサキ氏の著書「金持ち父さん 貧乏父さん」で主張された内容を実現する方法が身につく構成となっています。ゲームでは、最終的に不労所得が支出を上回る状態を目指します。
小学生には少し難しい部分もありますが、ゲームを通じて資産形成に興味を持ってもらう方法として、有効に活用できます。
2-3.小学生向けの本
小学生向けのお金の本を2冊紹介します。
マンガでわかるお金の本
「マンガでわかるお金の本」は、森永康平氏による小学生から大人まで現代社会に必要なお金の知識を、マンガでわかりやすく解説した本です。
キャッシュレス払いのお金の流れから、投資の仕組み、景気・経済だけでなく、仮想通貨やクラウドファンディングにまで触れられています。そのため、大人が読んでも役立つ本です。
にゃんこ大戦争でまなぶ!お金のヒミツ
「にゃんこ大戦争でまなぶ!お金のヒミツ」は、小学生向けのお金の教育本です。
「にゃんこ大戦争」のキャラクターが登場する会話形式で、お金の基本的な知識や、使い方、増やし方などを、わかりやすく解説しています。また、クイズやワークも用意されており、楽しみながらお金について学べます。
3.【中学生向け】金融教育に役立つゲーム・アプリ・本
中学生になると、大人と同等の本格的なお金についての情報を理解できるようになります。この時期に役立つ本もさまざまな種類が出版されているので、親子で読んでみてはいかがでしょうか。中学生の金融教育に役立つゲーム・アプリ・本を紹介していきます。
3-1.中学生向けのアプリ
中学生向けのお金のアプリを紹介します。
トウシカ
「トウシカ」はグリーンモンスター株式会社が開発した、投資を学べるアプリです。「トウシカ」には、以下のような機能があります。
- おすすめの資産運用方法を提案してくれる
- 「新NISA」や「iDeCo」での投資シミュレーション
- 株取引シミュレーション
- 投資に役立つコラムの掲載
3-2.中学生向けのゲーム
中学生向けのお金のゲームを紹介します。
モノポリー
「モノポリー」はアメリカで発売されたボードゲームです。プレイヤーは「すごろく」の要領でボードを移動し、家やホテルのような資産を購入して賃貸料を他のプレイヤーから徴収しながら資産を増やします。最後に他のプレイヤーが破産すると勝利となる仕組みです。
子どもはモノポリーを通して経済や金融の仕組みを学び、戦略的な思考力を養い、対人スキルを磨くことで、将来の進路や仕事に役立てられるでしょう。
3-3.中学生向けの本
中学生向けのお金の本を3冊紹介します。
きみのお金は誰のため
「きみのお金は誰のため」は、田内学氏の経済小説です。物語の主人公は、中学2年生の優斗です。優斗はある日、謎めいた屋敷に迷い込み、そこでボスと呼ばれる大富豪と出会います。
ボスは、優斗にお金の大切さや、社会の仕組みについて、さまざまなことを教えていきます。お金の本質や社会の仕組みが学べる、大人も子どもも楽しめる小説です。
お父さんが教える13歳からの金融入門
「お父さんが教える13歳からの金融入門」は、アメリカの弁護士であるデヴィッド・ビアンキ氏の13歳の息子に書いた数ページが元になって生まれた著書です。この本ではお金の種類や仕組み、貯金や節約、投資のような金融に関する基本的な知識を、イラストと一緒にわかりやすく解説しています。
債券、企業分析、ファンドといった高度な内容にも踏み込みますが、子どもにも理解しやすい表現で書かれています。
おカネの教室 僕らがおかしなクラブで学んだ秘密
「おカネの教室 僕らがおかしなクラブで学んだ秘密」は、金融コラムニストの高井浩章氏が書いた経済を学べる小説です。
この本は、中学2年生の主人公「僕」が謎の大男が顧問を務める「そろばん勘定クラブ」に入部し、そこでさまざまなお金の話を学んでいく物語です。「リーマンショックがなぜ起きたのか」など、お金や経済の仕組みがストーリー仕立てでわかりやすく解説されています。
4.【高校生向け】金融教育に役立つゲーム・アプリ・本
高校を卒業すると、家を出て1人暮らしをする子どもも多くなります。親元から離れる前に基本的な金融リテラシーが身につくようにしましょう。高校生の金融教育に役立つゲーム・アプリ・本を紹介していきます。
4-1.高校生向けのアプリ
高校生向けのお金のアプリを紹介します。
株たす
「株たす」は、東京証券取引所から提供を受けた実際の株価データを使用して、株式投資の練習ができるデモトレードアプリです。約3,600銘柄のチャートがほぼリアルタイム(20分遅れ)でアプリに反映されます。通常の株取引だけでなく、IPO投資もデモ体験でき、利用料はかかりません。
初心者~上級者まで楽しめ、本物のデータを使用したチャートで、限りなく本番に近い投資体験が出来ます。また、SNSを通じた投資詐欺の手口を疑似体験できるので、実際に被害にあった際に求められる判断や対応等の知識を習得できる点もメリットとなっています。
4-2.高校生向けのゲーム
高校生向けのお金について学べるゲームを紹介します。
あつまれ どうぶつの森
「あつまれどうぶつの森」はプレイヤーが無人島に移住し、島を開発していくシミュレーションゲームです。物の売買、住宅ローン、お金を稼ぐなど、お金がゲームの重要な要素になっているため、楽しみながらお金の学びに役立ちます。
ゲームの中ではベルというお金を増やすことやカブの売買を体験できます。これらは、実生活における貯金や株式投資の仕組みに似ているため、応用していけるでしょう。
4-3.高校生向けの本
高校生向けのお金の本を2冊紹介します。
漫画 バビロン大富豪の教え 「お金」と「幸せ」を生み出す五つの黄金法則
「漫画 バビロン大富豪の教え 「お金」と「幸せ」を生み出す五つの黄金法則」は、世界的ベストセラー「The Richest Man In Babyron」を翻訳、漫画化した本です。
この本は古代バビロニアから伝わる「人類不変の知恵」を通じて、現代人に資産を築く方法や、お金に縛られない主体的な生き方を教えてくれます。
アメリカの高校生が学んでいるお金の教科書
「アメリカの高校生が学んでいるお金の教科書」は、アメリカの高校生が学ぶ「お金」に関する実用書です。この本では将来のために貯金する方法や、株式投資について学ぶだけでなく、破産や金融詐欺のような高校生にはなじみの薄い事柄についても記されています。
また、保険や税金、社会福祉、法律や契約についても解説されており、生活に必要な知識が網羅されています。この本は、金融リテラシーを高められるだけでなく、人生の重要な選択をする際に役立つ情報が詰まった価値ある入門書です。
5.15歳以上であれば実際の証券会社で少額投資をする方法も
高校生が金融教育での学びを実践するために、実際に投資に取り組む方法も検討されてみると良いでしょう。投資信託や単元未満株、外国株式などでは数百円~数千円などの少額取引ができる銘柄も多いため、低リスクに投資を学ぶ機会として活用することもできます。
少額であっても、実際のお金を取引することでデモトレードとは意識も大きく異なってきます。また、元本を減らしてしまった失敗経験となっても、早いうちに失敗を学ぶことで、後の大きな損失を避けることにもつながっていきます。
以下では、未成年者本人を取引主体とできる証券会社3社をご紹介します。
5-1.SBI証券
SBI証券は、日本最大級のネット証券会社です。未成年が口座開設をするには、親権者がSBI証券のインターネット取引口座を開設していなければなりません。未成年者が15歳以上の場合は、未成年者本人を取引主体にできます。
SBI証券の未成年口座で取引できる主な運用商品は、以下のとおりです。
- 国内株式現物
- 単元未満株(S株)
- 外国株式
- 投資信託
- 債券
5-2.楽天証券
楽天証券は、楽天グループのネット証券会社です。親権者が楽天証券の口座を開設していれば未成年者でも口座開設が可能で、オンラインで手続きができます。楽天証券も未成年者が15歳以上の場合は、未成年者本人を取引主体にできます。
楽天証券の未成年口座で取引できる主な運用商品は、以下のとおりです。
- 国内株式現物
- 外国株式
- 投資信託
- 債券
- 金・プラチナ
5-3.大和コネクト証券
大和コネクト証券は、大和証券グループのスマホ証券です。大和コネクト証券には「ティーン口座」という15歳以上対象の未成年口座があり、保護者の口座開設がなくても口座を作れます。また、取引主体も未成年者本人です。
大和コネクト証券には単元未満株の「ひな株」や、100円から毎日投資信託の積み立てができる「まいにち投信」という未成年にも適したサービスがあります。大和コネクト証券のティーン口座で取引できる主な運用商品やサービスは、以下のとおりです。
- 国内株式現物
- ひな株(単元未満株)
- まいにち投信
- ひな株USA(米国株)
- ポイント投資(dポイント・Pontaポイント)
まとめ
子どもが自分で決めた人生の目標を達成していくには、成長に応じた金融リテラシーを身につけていく必要があります。
家庭で金融教育をするなら、親子で楽しみながら学べるゲームや本を活用していくと良いでしょう。金融知識が身につき、親子のコミュニケーションも円滑になるでしょう。
【関連記事】高校生が金融教育で学ぶ「貯める・増やす」資産形成の内容は?NISAの仕組みも
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金融教育に使えるゲーム・アプリ・本は?小学生~高校生の年代別に紹介