ISSB、IFRSサステナビリティ開示タクソノミーを公表。サステナビリティ開示を効率的に分析
国際会計基準(IFRS)財団傘下の国際サステナビリティ基準審議会(ISSB、#1)は4月30日、IFRSサステナビリティ開示タクソノミー(情報を分類するためのシステム・ルール)を公表した(*1)。投資家やその他の資本提供者は同タクソノミーを基に、サステナビリティ関連の財務開示を効率的に分析できるようになる。
ISSBタクソノミーは、IFRSのS1基準「サステナビリティ関連財務情報の開示に関する全般的要求事項」およびS2基準「気候関連開示」の開示要件を反映している。
企業と投資家の対話を支援するために開発されたものであり、新たな要求事項を導入するものでも、企業が基準へ準拠することに影響を与えるものでもない。市場からのフィードバックに基づき作成され、企業がISSB基準を用いて作成した情報に一貫したタグ付けを行うことを可能にする。
ISSBタクソノミーは、IFRS会計タクソノミーと整合性を持たせている。企業が投資家に対して包括的なデジタル財務報告パッケージを提供できるように設計されており、他のデジタルタクソノミーと併用することもできる。
例えば、欧州財務報告諮問グループ(EFRAG)が開発中のタクソノミーとのインターオペラビリティ(相互運用可能性)を促進している。これにより、すべての企業と投資家は、ISSBが要求する開示を即座により効果的に特定できるようになる。
ISSBのエマニュエル・ファベール議長は「ISSB基準の発効からわずか数か月後にISSBタクソノミーを公表したことは、資本市場の透明性と効率性をサポートし、サステナビリティ関連財務情報をデジタル報告できるようにするために極めて重要である」と述べた(*1)。
IFRS財団は5月、ISSBタクソノミーの役割やベネフィットを説明するウェブ動画配信を実施する予定である。
(#1)ISSB…資本市場向けのサステナビリティ開示の包括的なグローバルベースラインの開発を目的として、IFRSを策定するIFRS財団の下に設立された基準設定主体。
【参照記事】*1 IFRS「ISSB publishes its digital sustainability taxonomy, helping investors analyse sustainability disclosures efficiently」
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