GSG国内諮問委員会「インパクト企業の資本市場における情報開示及び対話のためのガイダンス第1版」発行。関係者による建設的な対話促す
日本国内におけるインパクト投資の調査研究と普及、啓発を推進するGSG国内諮問委員会は5月10日、「インパクト企業の資本市場における情報開示及び対話のためのガイダンス第1版」を正式公開した。インパクト企業が、未上場の段階から上場後もインパクトを創出しながら持続的な企業価値向上を実現できるよう、インパクト企業や資本市場関係者が取り組みを進める際に参照できるものとして作成。2023年7月に発足した「インパクトIPOワーキンググループ」で検討した内容をまとめた。
インパクトIPOワーキンググループは事業会社、上場・未上場投資家、証券会社、有識者など26名により編成。5回の会合を経て今年1月にガイダンス草案を公開し、同年1月から2月まで一般からの意見を募集。ガイダンスを完成させた。事務局は一般財団法人社会変革推進財団(SIIF)インパクト・エコノミー・ラボ。
ガイダンスは、「ポジティブ・フィードバック・ループ」を加速させるための4つのステップについてページを割いている。ポジティブ・フィードバック・ループとは、インパクト企業が、インパクトの創出と収益の創出を実現させるビジネスモデルや成長戦略を土台として、資本市場を活用しながら企業価値の向上を実現し、持続的な成長を実現する循環モデル。
インパクト企業が戦略策定から情報開示までどのようなステップを踏むことが望ましいか、さらにIMM (Impact Measurement & Management、インパクト測定・マネジメント)においてどのように捉え、実践することが最も望ましいかを提示している。
IMMは、事業が社会的課題の解決に及ぼす正負のインパクトを定量・定性的 に測定し、測定結果に基づいて事業改善や意思決定を通じて、正のインパクトの向上、負のインパクトの低減を目指す日々のプロセス。同ガイダンスでもキーワードのひとつとなっている。
GSG国内諮問委員会では、「インパクト評価に関わる視点やツール、建設的な対話に寄与する情報開示のあり方など、未だ発展途上段階にある。インパクト企業や資本市場関係者に本ガイダンスの参照を促進し、十分な取り組み事例や活用フィードバックが積み上がった段階で、さらに本ガイダンスを改善することを目指す」としている。
【関連サイト】インパクト企業の資本市場における情報開示及び対話のためのガイダンス第1版
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