オリックス傘下の資産運用会社ロベコ、新たに3つの気候変動関連ファンド組成。低トラッキングエラーやEUパリ協定適合ベンチマーク要件充足など

オランダの運用会社ロベコ(オリックス子会社のオリックス・ヨーロッパ傘下)は8月27日、新たに3種類の気候変動関連ファンドの立ち上げを発表した(*1)。一連の商品群を組成し、気候変動関連の幅広い投資家需要を取り込む狙いがある。

新たに「Robeco Developed Low-Carbon Climate Leaders Tilt Equities Index」、「Robeco Developed Paris-Aligned Climate Leaders Tilt Equities Index」、「Robeco Developed Climate Leaders Equities Index」の3つを組成した。

投資家のニーズは、過去の経験等に基づき将来のことを予想するバックワード・ルッキングな炭素排出量の削減にとどまらない。現在得られる情報から最適に将来のことを予想するフォワード・ルッキングで、多角的な気候関連指標を組み込み、洗練された気候インデックスを求めている。

このニーズに応えるため、ロベコは企業のパリ協定との整合性を評価するClimate Traffic Light、気候ソリューションを特定するSDGsフレームワーク、気候変動リスクを評価するClimate Betaなど、気候関連の先進的な知的財産(IP)を持つ。これらの基準は、各インデックスの特定の気候目標やリスクプロファイルに応じて、様々な程度でインデックスに統合されている。

Robeco Developed Low-Carbon Climate Leaders Tilt Equities Indexは、時価総額加重型のパッシブ運用を代替し、トラッキングエラー(#1)を低く抑えられるのが特徴だ。気候変動リスクを軽減し、株式プレミアムを得ながらパリ協定に沿った企業を支援することを目指す、気候変動に配慮する投資家に適している。

Robeco Developed Paris-Aligned Climate Leaders Tilt Equities Indexは、EUパリ協定適合ベンチマークの最低要件を満たすとともに、フォワード・ルッキングな気候変動指標を統合する。気候ソリューション・プロバイダーへのエクスポージャーを増やしたいと考えている投資家を対象としている。

Robeco Developed Climate Leaders Equities Indexは、気候変動リーダーに焦点を当てる。低炭素経済への移行をリードすると期待されるソリューション・プロバイダーに投資することで、気候移行関連への投資を検討する投資家にアピールするものである。

顧客の好みをカスタムインデックスに反映させることは、常にロベコのインデックスチームの核となる強みとなっている。特定の投資ユニバースや脱炭素化目標を満たすオーダーメイドのソリューションを提供できる。

同チームは、他のインデックス・プロバイダーと比較して比較的低い売買回転率と高い流動性を確保するインデックス組成アルゴリズムを開発している。これは特にパッシブから参入した投資家にとって極めて重要である。

ロベコのルシアン・ペッペレンボス気候ストラテジストは「我々は数年前、気候変動への投資を検討する際、炭素排出量のデータだけに注目しないことを決めた。パリ協定との整合性、世界の将来の排出量を削減するためのソリューションを提供しているかどうか、気候変動リスクのレベルなど、企業の他の気候変動特性も評価するためにリソースを費やした。これらの評価指標を社内で開発し、投資ソリューションに組み込んでいる」と述べた(*1)。

(#1)トラッキングエラー…ポートフォリオのリターンとベンチマークのリターンとの乖離の大きさを示す指標。

【参照記事】*1 ロベコ「Robeco launches innovative Climate Index family integrating forward-looking climate metrics

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