不動産クラウドファンディング利回りランキング!大手5社の募集実績を検証
不動産投資クラウドファンディングを活用すれば、個人では現物投資できないような投資先にも少額で投資が可能です。2024年も、不動産クラウドファンディングで多くのファンド募集が実施されました。
近年は投資先の不動産が多岐にわたっていて、マンション・アパートなどのレジデンスや商業ビルに加えて、観光地や開発用地、福祉施設などへ投資するファンドがみられます。
今回の記事では不動産投資クラウドファンディングの利回りランキングと、大手サービスの募集動向についてまとめました。今後投資する不動産投資クラウドファンディングを選ぶときの参考にしてください。
目次
- 不動産クラウドファンディングの利回りランキング
- 大手不動産クラウドファンディングの募集実績を検証(2024年1月~12月)
2-1.COZUCHI
2-2.Creal
2-3.TECROWD
2-4.LEVECHY
2-5.利回り不動産 - まとめ
1 不動産クラウドファンディングの利回りランキング
大手不動産クラウドファンディングの利回りを元にしたランキングは次のとおりでした。なお、利回りの中央値を基準にランキング付けしています。
ファンド名 | 想定利回り | 運用期間 |
---|---|---|
1位:COZUCHI | 4%~18% (中央値11%) |
8ヶ月~4年 |
2位:TECROWD | 8%~12% (中央値10%) |
8ヶ月~5年 |
3位:LEVECHY | 6.0%〜12.0% (中央値9%) |
8ヶ月~2年 |
4位:利回り不動産 | 5.2%〜12.0% (中央値8.6%) |
12ヶ月~18ヶ月 |
5位:Creal | 2.4%〜6.0% (中央値4.2%) |
2ヶ月~3年 |
COZUCHIやTECROWDはファンド利回りの中央値が10%を超えていて、高い利回りを追求できます。これらのファンドは、収益が上振れた際に想定利回りを超える配当を行う場合もあるため、高いリターンを狙ううえでは有効な投資先の一つです。
一方、Crealは利回りが低めの水準に抑えられていますが、高い利回りを追求せずに低リスクの運用を重視する方針であると考えられます。
2 大手不動産クラウドファンディングの募集実績を検証(2024年1月~12月)
2-1 COZUCHI
募集本数 | 27本 |
想定利回り | 4%~18% |
応募倍率 | 112%~7,407% |
投資期間 | 8ヶ月~4年 |
主な投資先 | レジンデンス、商業ビル、物流施設、ホテル、開発用地 |
COZUCHIのファンドの想定利回りは4%~18%で推移しています。想定利回り18.0%の「高円寺プロジェクト フェーズ2-借地権付き建物-」ファンドのように、過去の償還ファンドのプロジェクトを引き継ぐ形で、後続の開発を行うものでは相対的に高利回りのファンドも見られます。
一方で「三軒茶屋1丁目一棟マンション」ファンドのように大規模な開発を伴わないマンション・ビル投資のファンドでは、5%以下の利回りとなる銘柄も少なくありません。
多くのファンドにおいて23区内の物件へ投資していますが、一部地方や観光地への投資も見られました。また、物件タイプ別でみると、レジデンスや商業ビルの他、ホテル、物流施設、開発用地など多様な不動産へ投資しています。
2024年は、ほとんどのファンドが抽選方式で募集されました。一部の高利回りファンドや少額募集のファンドは募集額を大幅に上回る需要が寄せられて、募集倍率10倍を超えるファンドもいくつかありました。
ファンドの投資期間の範囲は表の通りで、過去に販売されていた中長期ファンドの新銘柄はなく、長くても3〜4年程度となっています。
2-2 Creal
募集本数 | 24本 |
想定利回り | 2.4%〜6.0% |
応募倍率 | 100%(先着順のため) |
投資期間 | 2ヶ月~3年 |
主な投資先 | レジデンス、商業ビル、物流施設ほか |
Crealは元々、利回りを抑えつつ低リスクの運用を重視する傾向にありました。実際に2024年も正常償還100%を継続しています。利回りは年を通じると5%前後の銘柄が多いものの、年後半に募集されたファンドの中には、運用期間が長いもので5%以上、中には6%に達する銘柄も見られました。
Crealは、全ての銘柄が先着順で募集されるため、募集倍率という概念はなく、現状確認できる限り2024年のファンドは全て完売となっています。募集本数が多く、さらに投資物件の種類も多岐に渡るのが特徴です。
レジデンスへ投資するファンドが多いものの、商業ビルや宿泊施設、物流施設やホスピスといった、個人投資家では物件所有が難しい不動産にもしばしば投資しています。運用期間は2ヶ月~3年とありますが、一部短期ファンドがあったのみで、多くは12ヶ月以上の運用期間です。特に、今年は運用期間24ヶ月のファンドが多数見られました。
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2-3 TECROWD
募集本数 | 17本 |
想定利回り | 8%~12% |
応募倍率 | 100%(先着順のため) |
投資期間 | 8ヶ月~5年 |
主な投資先 | 障がい者向けグループホーム、海外不動産 |
TECROWDは概ね月に1〜2本のペースでファンド募集を継続してきました。TECROWDの2024年の募集ファンドの投資先は、大きく二つに大別されます。一つは日本国内の障害者グループホーム「AMANEKU」へ投資するファンドです。各ファンドごとに、1件のグループホームに投資します。
もう一つは、海外の不動産に投資するファンドです。こちらは銘柄ごとに投資する国が異なります。アメリカをはじめとした先進国の他、スリランカのような新興国へ投資するファンドも販売されました。投資する建物については、データセンターが比較的多いものの「TECROWD66号ファンド COLOMBO INTERNATIONAL AIRPORT HOTELS」のように、ホテルへ投資する銘柄もあります。
TECROWDは構造上、為替変動による損失を受けるリスクがあります。しかし、2024年時点で為替変動により利回りが予定を下回ったり、損失が発生したりした銘柄はありません。
TECROWDは基本的に先着順のファンドが多いため、応募倍率については明示されません。利回りが2024年1年で見ても8%~14%と高水準なこともあり、募集ファンドがすぐに完売してしまうケースもあります。投資期間について、一部で5年にわたる長期ファンドがあった以外は、1年弱~2年ほどの運用期間の銘柄が多くなっています。
2-4 LEVECHY
募集本数 | 8本 |
想定利回り | 6.0%〜12.0% |
応募倍率 | 130%〜184% |
投資期間 | 8ヶ月~2年 |
主な投資先 | レジデンス、ホテル、商業ビル、開発用地 |
LEVECHYは、元々ローンを積極的に活用して、ファンド内でのレバレッジ効果を狙った運用をする傾向にあります。2024年も相対的に高利回りなファンドが多く、中には10%を超える銘柄もありました。
募集本数は、今回紹介する不動産クラウドファンディングの中では少なめながら、ホテルや地方の開発用地など、特色ある投資先のファンドが散見されます。他のファンドと比べると、マンションへ投資する銘柄は少ないのが特徴です。
2024年7月には、これまでのLEVECHYで最も利回りが高い大型ファンド「LEVECHYファンド13号(抽選式)」を7月に募集しています。こちらは運用期間8ヶ月・利回り12%の高水準となっています。また、募集金額35億円超と、LEVECHYのファンドとしては規模が大きめなのも特徴です。
そのほか「LEVECHYファンド11号」では、神奈川県真鶴町のリゾート用地開発を投資対象としています。こちらのファンドの利回りは8%です。個人投資家単体では投資が難しい、用地開発に少額から投資ができて、魅力的な利回りが期待できるファンドとなっています。
2-5 利回り不動産
募集本数 | 16本 |
想定利回り | 5.2%〜12.0% |
応募倍率 | 100%〜1,411% |
投資期間 | 12ヶ月~18ヶ月 |
主な投資先 | レジデンス、商業ビル、介護施設、観光施設 |
利回り不動産は、2~3月には募集が途切れたものの、それ以外の月は毎月ファンドを組成していました。特に2024年の後半は10%を超える高利回りファンドを相次いで募集しています。
多くのファンドは先着順のため需要率が100%でした。2023年は一部ファンドで募集金額割れするファンドもありましたが、2024年は全ファンドで需要超過を達成しています。
また、例外的に「利回り不動産62号ファンド(福井県レジデンスバルクPJ)」という、福井県のレジデンス複数件へ投資するファンドは抽選方式で募集され、14倍超と旺盛な需要が集まりました。1年の運用期間で利回りが12%と高水準だったことが、需要を呼び込んだと考えられます。
利回り不動産のファンドは、運用期間12ヶ月、分配頻度半年が多くなっています。運用期間・分配期間が揃っていて、わかりやすいのが特徴です。投資先としては、地方の戸建てやアパート、観光地から都市部のビルまで多岐にわたります。
たとえば「利回り不動産60号ファンド(沖縄県読谷村VILLA PJ 2号棟)」は、沖縄のリゾート施設へ投資するファンドでした。一方で「利回り不動産63号ファンド(新橋テナントビル)」のように、都心部のビルへ投資するファンドも組成されています。
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2-6 利回りくん
募集本数 | 39本 |
想定利回り | 2.5%〜5.7% |
応募倍率 | 100%〜294% |
投資期間 | 3ヶ月~8年 |
主な投資先 | レジデンス、福祉施設、宿泊施設 |
利回りくんは、実は今回紹介するクラウドファンディングのなかで、もっとも2024年の募集本数が多い不動産投資クラウドファンディングとなりました。8月には6本のファンドを募集するなど、投資機会が多いのが特徴です。利回りは2.5%〜5.7%となっています。あまり利回りを高く設定せずに、低リスクの運用を目指しているとみられます。
運用期間については「THE CHIKURA UMI BASE CAMP」「THE CHIKURA UMI BASE CAMP II」というファンドが8年の長期運用となっていますが、それ以外の多くは数か月~1年程度の短めの期間のファンドを多く募集しました。
利回りくんは、投資先の不動産が特徴的な不動産投資クラウドファンディングです。たとえば「DOTOWN HOUSE Ocean Front」シリーズでは、海岸沿いの戸建てへの投資を行っています。「SANU 2nd Home」シリーズでは、自然豊かな場所に建てられた宿泊施設の開発案件を投資対象としています。
2024年は南アルプスの同物件へ投資するファンドを募集しました。そのほかには「日中サービス支援型障害者グループホーム」に投資するファンドを、複数回募集しています。–>
3 まとめ
2024年の不動産投資クラウドファンディングの利回りは高い銘柄で10%台前半、低いものでは5%以下が一つの目安といえます。
今回紹介した代表的なファンド事業者は、いずれも年間を通じて継続的にファンドを組成・募集していて、継続的に投資機会が存在していました。
2024年は、従来のオーソドックスな不動産の投資先であるマンションや商業ビルだけでなく、観光地や物流施設、福祉施設へ投資するファンドも多数組成されています。また、COZUCHIやLEVECHYなどでは、開発用地へ投資するファンドもみられました。
不動産投資クラウドファンディングを活用すれば、さまざまな不動産へ少額から投資が可能です。少額から気軽に不動産投資にチャレンジするうえで便利なほか、マンション・アパートなど現物不動産へ投資している方の分散投資先としても、有効な選択肢の一つといえます。
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Source: 仮想通貨の最新情報BTCN | ビットコインニュース
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