WWFジャパンと熊谷組が建設業界初のパートナーシップを締結、木材調達などの持続可能性向上へ
公益財団法人世界自然保護基金ジャパン(以下、WWFジャパン)と株式会社熊谷組(以下、熊谷組)は2025年5月12日、人と自然が調和して生きられる持続可能な未来の実現を共に目指すため、コーポレート・パートナーシップ契約を締結したと発表した。建設業界における日本企業とWWFジャパンとのパートナーシップ締結は、これが初の事例となった。
このパートナーシップは2025年4月1日から3年間の契約で、両者はWWFジャパンが掲げる「2030年までの生物多様性回復」および「2050年までの脱炭素社会の実現」という目標に基づき、「自然資源の持続可能な利用」「カーボンニュートラルの達成」「ネイチャー・ポジティブの実現」の3分野を含む協働を進める予定だ。
熊谷組グループは、2024年5月よりESG取組方針の個別課題として「カーボンニュートラルの達成」や「ネイチャー・ポジティブの実現」等を掲げており、今回のパートナーシップを通じて、特に木材調達における持続可能な取り組みを強化し、サステナビリティ経営を一層推進する方針だ。
パートナーシップの初年度となる2025年度は、WWFジャパンの監修のもと、熊谷組グループの木材調達に関する実態調査とロードマップの作成、SBTi(Science Based Targets initiative)の目標更新に向けた検討などを行う計画だ。また、熊谷組はWWFジャパンが展開する森林保全プロジェクトへの支援や社員のボランティア参加を実施するとした。
3年間の取り組みとして、森林保全プロジェクトへの支援と社員参加に加え、WWFジャパンからの情報提供や監修、双方の意見交換を通じて多岐にわたる活動を行う。具体的には、熊谷組が実施する「調達に関するデューデリジェンス」のアンケート内容への監修、SBTi等の国際的な認定に基づく1.5度経路に整合した温室効果ガス排出削減目標の設定とその着実な実施促進、TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)提言に沿った情報開示の高度化などが含まれる。さらに、サーキュラーエコノミーへの貢献についても検討・意見交換を行うほか、社内向けのセミナーや勉強会も実施する予定だ。
熊谷組の社長である上田真氏は、地球温暖化による環境問題の深刻化に触れ、「当社の自然環境への取り組みをさらに加速させるものと捉えている」と述べた。また、熊谷組グループとして「限りある資源が循環し、ひと・社会・自然が豊かであり続ける社会」を目指し、豊かな自然を次世代に継承したい考えを示した。
WWFジャパン事務局長の東梅貞義氏は、初の建設業界の日本企業とのパートナーシップであることを強調し、「責任ある木材調達の実践を促進し、それによって中期的に経営レベルで、生物多様性リスクへの対応や情報開示の充実を後押しするもの」と述べた。そして、「ネイチャー・ポジティブの実現を目指す日本社会にとって、本取り組みは大きな意義を持つものと確信している」との見解を示した。
建設業界は、資材調達から建設、解体に至るまで、自然資源の利用や環境負荷が大きい産業の一つだ。そのリーディングカンパニーの一社である熊谷組と、グローバルな環境保全に取り組むWWFジャパンが連携し、特に木材調達というサプライチェーンの上流における持続可能性を強化する今回の取り組みは、業界全体への波及効果も期待される。
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