『日本で未上場仮想通貨が物と売買できる時代へ』暗号資産古物商協会が設立される
- 暗号資産古物商協会の設立登記申請
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暗号資産古物商協会が28日に設立された。古物市場を通じて各種未上場「仮想通貨トークン」の需要拡大や流動性向上が期待されるなか、同協会の監事を務める岡部氏に設立目的や経緯についてお話を伺った。
暗号資産古物商協会の設立登記申請
28日、一般社団法人 暗号資産古物商協会が設立された。設立の背景には、「暗号資産(仮想通貨)は投機目的の売買が多く、日常決済にはほとんど利用されていない状況」を改善することがあるという。
暗号資産での古物の売買は、2019年9月に警察庁から「合法である」と公式見解を得ている。
【警察庁公式見解】
近年の仮想通貨で様々な取引等が行われている現状や古物の売買のほかに交換することも古物営業であることを踏まえると、当該営業が古物営業法に規定する古物営業に該当するのであれば、古物商の許可を受けた上、仮想通貨や他の法定通貨で取引することは差し支えないものと解する。 pic.twitter.com/Hbj8ZdwNyw— 印鑑から国民を守る党 岡部典孝 (@noritaka_okabe) September 24, 2019
暗号資産で古物以外の物を売買することには基本的に規制は無く(医薬品など特別に規制されている物は例外)、結論としては古物商であればほとんどの物を暗号資産で売買可能だ。
古物とは、中古品などをビジネスとして売買したり、交換したりする個人および法人のこと。古物商とは、各都道府県の公安委員会の許可を得て、古物営業法に規定される「古物」の売買等をしている事業者のことを指す。
仮想通貨市場へのメリット
暗号資産古物商協会は、仮想通貨市場へのメリットとして以下のように示している。
暗号資産古物市場の存在は、暗号資産の保有者にもメリットをもたらします。
余った通貨で物品が購入できるだけでなく、企業が自社発行の暗号資産により設備を購入することなども考えられます。逆に、暗号資産が欲しい人は物品を販売することによって取得可能になります。
当協会は、暗号資産古物商の普及・支援や、関係省庁とのロビイングを通じ、暗号資産及び古物業界の健全な発展と詐欺等の犯罪行為の防止に務めていきます。
当協会への加入を希望する方は、以下のURLから加入の申し込みが可能です。
暗号資産取扱古物商のインパクトについて、上場企業ガイアックスでブロックチェーンの研究開発を行う荒巻氏は、以下のようにコメントしている。
暗号資産取扱古物商のインパクトの大きさを改めて実感した
今まではトークン自体に何も価値はなかったけど、
暗号資産取扱古物商ができたことによって交換媒介性を持った
今の管理通貨制度では原資などないから何でも通貨になりうる可能性がある#暗号資産取扱古物商 https://t.co/jxDqSAitDD— 荒巻 陽佑 | Yosuke Aramaki (@AramakiYosuke) October 27, 2019
岡部氏の見解
仮想通貨メディアCoinPostは、さっそく暗号資産古物商協会監事の岡部典孝(@noritaka_okabe)氏にインタビューさせて頂いた。
以下では、個人の暗号資産古物商として岡部氏の見解を記している。
警察庁は古物商許可での「仮想通貨決済」を公式に認める行政文書を9月に公開しました。
古物営業は都道府県公安委員会の許可を得て古物の売買・交換を行う営業です。古物営業法は1949年からある法律で、戦後の盗品売買防止を目的に制定されました。
古物商に対して、買取を行う際の本人確認や帳簿を備えることを義務づけています。
それに対して資金決済法上の仮想通貨交換業は金融庁に登録して仮想通貨と法定通貨の売買・交換を行う営業です。
そこで古物の売買を仮想通貨で決済する営業を行う際、原則として古物商許可で行って差し支えないというのが警察庁の見解です。
古物商許可のみで扱えない古物も
しかし、古物商許可のみで扱えない古物も存在しています。
例えば医療機器の中古品売買には、古物商許可に加えて医療機器販売業の許可が必要です。
そう考えると、中古の1万円金貨の売買代金をビットコインで支払う場合、古物商許可と仮想通貨交換業登録両方が必要かもしれません。FATFは国境を超えない物の取引の売買を「低リスク取引」としていますが、一部の換金性の高い物品の仮想通貨決済に関しては「高リスク取引」として反収法上の特定事業者に追加する措置が必要かもしれません。
法律が後手後手に回っている現状があるからこそ、警察庁や金融庁等の各省庁と緊密にコミュニケーションを取りながら、古物営業法以外の法律も遵守しながら健全な業界発展を目指して行きたいと思います。
オープンな社団法人である理由
古物商業界は従前から極めて非中央集権的に運営されており、売買品目も取扱通貨も各古物商が決めることができます。JVCEAと異なり、暗号資産古物商協会は何ら法律上の権限を有していません。
しかし、ある仮想通貨がセキュリティトークンかユーティリティトークンか、といった判断は非常に難しいです。暗号資産古物商が集まった協会で話し合って必要に応じて意見を表明することは、社会的にも意味があると考えております。
その為、古物商以外でも仮想通貨決済を導入している企業や仮想通貨発行体、ブロックチェーン開発企業等も準会員として参加して頂けるようオープンな社団法人になっています。
イノベーションに確信
スタートアップが仮想通貨を発行しても、仮想通貨交換業登録を行うのは非常に困難です。
仮想通貨交換業者が仮想通貨を取扱うIEOも、国内ではある程度ハードルが高いと考えられています。
その為、(日本にある有望な)多くのブロックチェーンスタートアップが海外に流出している現状があります。
規制が極めて厳しい仮想通貨交換業の枠内でイノベーションを起こすことは困難だと考えていますが、暗号資産古物営業の枠内でイノベーションを起こるであろうと確信しています。
例えば、多通貨オークションという新しいオークションの仕組みを使えば、一般の方が不要な物を売却する際に、円で受け取るかお好みの仮想通貨で受け取るかを選択できるようになります。
【多通貨オークション開催】
使用通貨:日本円 #ALIS #ARUK出品物:コシヒカリ2kg 新之助5kg
出品者:クリプト商店
入札期間:10/18~10/20 12:00まで
スタート金額:4000円 1852ALIS 31ARUK
入札単価は自由条件:@datushachikujinをフォロー
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リプ欄へ払いたい通貨で入札 pic.twitter.com/XJCYFxSfmE— Hideaki imoto (@datushachikujin) October 17, 2019
暗号資産古物市場を作りたい
私は、暗号資産古物商が集まって物と仮想通貨の取引を効率的に行う、暗号資産古物市場を作るべく、準備しています。
このようにイノベーションを起こす為に起業家や大企業、専門家が集まる場として暗号資産古物商協会を活用していただければ非常に嬉しいです。
古物商は、新品も中古も別の法律で規制されていない、あらゆる物品の売買を行うことができる強力な資格です。
仮想通貨や古物商許可を活用して新しいビジネスを立ち上げたいスタートアップや起業家の方の参加も大歓迎します。
岡部氏は「暗号資産古物商協会」設立前の今年9月、今後「暗号資産取り扱い古物市場」が健全に発展することにより、暗号資産のプロ同士で、物を暗号資産で競っていくというマーケットの拡大も見込まれると言及。「未上場暗号資産は、仮想通貨交換業者が取引できない為、古物商がプロとしてリスクを取ることで初期流動性をつけることになる。」との見方を示している。
投機から実需へ向けて
国内ブロックチェーンスタートアップがイノベーションを起こせる環境と応援するトークンホルダーが報われる環境作りへ少しでも貢献出来ればと思います。 https://t.co/oLKEZuajwl— Hideaki imoto (@datushachikujin) October 30, 2019
Source: 仮想通貨ニュースサイト
『日本で未上場仮想通貨が物と売買できる時代へ』暗号資産古物商協会が設立される