多国間開発銀行の気候変動ファイナンス、過去最高の1,370億ドルに到達
多国間開発銀行(MDBs)による気候変動対策向けファイナンスが2024年に前年比10%増の1,370億ドル(約21兆円)に達し、過去最高を更新したことが9月9日に発表された報告書で明らかになった。欧州投資銀行(EIB)を含むMDBsが公表した同報告書によると、低・中所得国向けの気候ファイナンスは14%増の851億ドルとなり、全体の6割以上を占めた。
報告書によると、MDBsが動員した民間資金も大幅に増加し、前年比33%増の1,340億ドルに達した。低・中所得国向けの気候ファイナンス851億ドルのうち、69%にあたる588億ドルが気候変動緩和策に、31%の263億ドルが適応策に充てられた。これらの国々における民間資金の動員額は330億ドルとなった。一方、高所得国向けの気候ファイナンスは515億ドルで、そのうち90%が緩和策、10%が適応策に向けられ、民間資金の動員額は1010億ドルに上った。
EIB単独では、高所得国向けに430億ドル、開発部門のEIBグローバルを通じて低・中所得国向けに45億ドルの気候ファイナンスを提供し、843億ドルの民間資金を動員した。EIBのアンブロワーズ・ファヨル副総裁は「多国間開発銀行は野心的な目標達成に向けて順調に進んでいる」と述べ、クリーンエネルギー転換と気候適応への支援を強化する方針を示した。
今回の発表は、11月にブラジル・ベレンで開催される国連気候変動枠組条約第30回締約国会議(COP30)に向けた準備の一環として位置づけられる。昨年11月のCOP29では、2035年までに公的・民間資金を合わせて年間1兆3,000億ドル以上の途上国支援を行うことで各国が合意しており、MDBsは2030年までに低・中所得国向けに年間1200億ドル、民間資金650億ドルの動員を約束している。気候ファイナンスの拡大は、持続可能な開発目標の達成に向けた重要な手段として、今後も国際社会の中心的な課題となる見通しだ。
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Source: 仮想通貨の最新情報BTCN | ビットコインニュース
多国間開発銀行の気候変動ファイナンス、過去最高の1,370億ドルに到達