米下院に「2020年仮想通貨法」が提出。デジタル資産を3つに分類、規制管轄の明確化を目指す
米連邦議会下院で「2020年仮想通貨法」と呼ばれる法案が12月17日に提出された。この法案の目的はどの政府機関がデジタル資産を明確にすることにある。
法案では、デジタル資産をCFTC管轄の「暗号コモディティ」、SEC管轄の「暗号証券」、FinCEN管轄の「暗号通貨」の3つに分類。それぞれの機関がライセンスや認証など、必要な対応を行っていくものとした。また、暗号通貨の取引について金融機関と同様のルールを確立することを求めている。
「暗号コモディティ」の定義は、分散された暗号台帳やブロックチェーン上にある経済的商品やサービスが該当する。これらは十分な代替性があり、市場が商品・サービスの提供者を意識することないという特徴をもつ。
「暗号証券」の定義は、分散された暗号台帳やブロックチェーン上にある資本や負債、デリバティブが該当する。「暗号証券」におけるデリバティブは、金融サービスとして米財務省に登録され、銀行秘密法やマネーロンダリング・テロ資金供与に関する法律に順守し、金融犯罪捜査網の要件を満たす資産を指す。
「暗号通貨」の定義は、分散された暗号台帳やブロックチェーンに情報が収められた米国通貨や人工的なデリバティブが該当する。これらは主に2つのタイプに分けられ、1つはステーブルコインのようなコルレス銀行口座の準備金に完全に裏付けされたデジタル資産、もう1つはオラクルやスマートコントラクトによって定義される人工的なデリバティブだ。
財務省長官の管理下にあるFinCENは、CFTCやSECと比べると、金融サービス規制当局というよりも法執行機関と見なされている。しかし、10月にCFTC、FinCEN、SECの三者は、デジタル資産までも対象とした反マネーロンダリング(AML)やテロ資金供与の監視強化の共同声明を発表していた。
新たな法案が可決されれば、米国で仮想通貨の規制を担当する3つの連邦機関は「連邦デジタル資産規制者(Federal Digital Asset Regulator)」や「連邦暗号規制者(Federal Crypto Regulator)」と定義され、その役割が確立されることとなる。「2020年仮想通貨法」は討議草案の段階に過ぎないが、米国における仮想通貨規制の不確実性が一つクリアになる可能性が見込まれる。
【参照記事】Congress Considers Federal Crypto Regulators In New Cryptocurrency Act Of 2020
Source: 仮想通貨の最新情報BTCN | ビットコインニュース
米下院に「2020年仮想通貨法」が提出。デジタル資産を3つに分類、規制管轄の明確化を目指す