稼げるの?クラウドファンディング投資のメリット・デメリット

クラウドファンディング投資は、新規事業や将来性のあるベンチャー企業を手軽に応援できる仕組みとして最近注目を集めています。案件にもよりますが、1万円程度の少額から未上場企業発行の株式やファンドに投資することが可能で、預金より高い利息や分配金などのリターンを狙うことができます。

一方、未上場企業への投資における元本割れ・倒産などのリスクは上場企業よりも高くなるため、クラウドファンディング投資の特徴をしっかり把握してから投資先を慎重に選ぶことが大切です。

そこでこの記事では、クラウドファンディング投資の主な特徴や種類、メリット・デメリット、人気のクラウドファンディング投資サービスをご紹介するので、ご参考ください。

目次

  1. クラウドファンディング投資とは
  2. クラウドファンディング投資の種類
    2-1.融資型
    2-2.ファンド型
    2-3.株式型
  3. クラウドファンディング投資のメリット
    3-1.5%~8%程度の利回りも狙える
    3-2.少額で始められる
    3-3.運用の手間が少ない
    3-4.社会貢献につながる
  4. クラウドファンディング投資のデメリット・リスク
    4-1.元本割れ・貸し倒れ等が発生する可能性もある
    4-2.換金性・流動性が著しく劣る
    4-3.応募が殺到する
  5. クラウドファンディング投資ができるサービスは?
    5-1.CRE Funding
    5-2.SBIソーシャルレンディング
    5-3.ファンディーノ
  6. まとめ

1 クラウドファンディング投資とは

クラウドファンディングとは、インターネット上で広く資金提供を募ることができる仕組みで、クラウドファンディング投資では個人や未上場企業、特定の事業に対して投資したり、資金を貸し付けたりすることができます。

クラウドファンディングの種類には「投資型」と「非投資型」があり、投資型はさらに「融資(貸付)型」「ファンド型」「株式型」に分かれています。また非投資型には「寄付型」「購入型」などがあります。

なお、寄付型と購入型は基本的にリターンを求めないタイプとなるため、これらを除いた投資型を利用するのが「クラウドファンディング投資」となります。

2 クラウドファンディング投資の種類と特徴

まずは各投資型クラウドファンディングの主な特徴を確認しましょう。

2-1 融資型

融資型クラウドファンディングは「ソーシャルレンディング」とも呼ばれ、プラットフォームの運営企業が「お金を借りたい人」と「お金を貸したい人」をマッチングさせる仲介サービスです。

投資家は資金調達をしたい企業に少額資金を融資し、リターンとして元金の返済と利息を受け取ることができます。案件や事業内容にもよりますが、担保付きで10%以上の高利回り案件を選べるサービスもあります。

融資型では投資家と運営事業者との間で匿名組合契約を結び、借り手となる企業や個人に融資を実行します。なお、投資家の出資元本や利子は保証されるものではなく、融資先の経営状況によっては返還されないこともあるので、注意が必要です。

2-2 ファンド型

ファンド型は特定の事業やプロジェクト等について投資家から資金を募る仕組みで、投資家は売上等の成果に基づいて出資額に応じた配当金やサービス等を受け取れます。

ファンド型は、ファンド(基金)をつくり運営する事業者と、資金を募るプラットフォームを運営する事業者で構成され、投資家は運営事業者を通じて匿名組合契約を結び、投資する形態になります。

試作プロジェクトや被災地復興プロジェクトなどの金銭的見返りがないファンド型がある一方で、配当が出るまでに時間がかかったり、配当自体がなかったりする場合もあります。

2-3 株式型

証券会社を通じて上場株式に投資する株式投資とは異なり、株式型クラウドファンディングでは未上場企業が発行する株式を取得します。リターンとしては業績等に基づいた配当が出資額に応じて受け取れるほか、将来のIPO(取引所への株式上場)やM&A(事業の売却等)による売却益などを狙うこともできます。

なお、株式型で投資できる金額には上限があり、同一の会社が発行する株式につき1年間で50万円以下となります。また、未上場株式は流動性や換金性で著しく劣るので、売りたいときに売ることができないといった可能性に注意も必要です。

3 クラウドファンディング投資のメリット

ここではクラウドファンディング投資をする主なメリットをご紹介します。

3-1 5%~8%程度の利回りも狙える

東証一部の株式平均利回り(単純利回り)は2.16%(2020年5月末時点)である一方、2020年時点の融資型クラウドファンディングの利回り水準は5%~8%程度と、定期預金や個人向け国債などと比べても高い水準です。案件によっては10%以上の利回りを期待できるものもあります。

また、株式型の場合なら未上場企業がIPOやM&Aを実現すれば、投資回収の機会が生まれます。証券取引所に上場することで株を自由に売買できるようになるため、企業価値に応じた売却益を期待することができます。

3-2 少額で始められる

投資型クラウドファンディングでは1万円あれば投資を始められるのも特徴です。最低投資金額は各プラットフォームや案件で異なりますが、基本的に少額から参加できるように低めに設定されています。

株式投資や不動産投資ではまとまった資金が必要になるため、投資する機会が限られますが、投資型クラウドファンディングでは少ない資金で未上場企業の株主になれたり、将来性のある事業を応援したりすることができます。

3-3 運用の手間が少ない

株式投資やFX投資の場合、投資対象となる株価や為替の動向を頻繁に確認する必要があるとともに、経済や個別企業の状況等のチェックや分析などの手間もかかります。

一方、投資型クラウドファンディングの運用は手間がかかりません。案件を選び、指定された口座に入金した後は、分配金や配当金を待つだけとなります。例えば融資型なら利子や元金返済、ファンド型や株式型では配当金などが入ってくるので、ほったらかしで運用することが可能です。

3-4 社会貢献に繋がる

案件にもよりますが、クラウドファンディングでは社会貢献性の高い事業やプロジェクトに応募することもできるため、企業を応援しながら社会貢献にも繋げることができます。

例えば、災害復興に関わる様々なプロジェクトや、世の中のためになる画期的な製品開発の事業、途上国の貧困や環境問題の解決を目指す案件などがあるので、投資家として間接的にそのような社会貢献活動に参加することができます。「社会の役に立つ投資がしたい」という想いが強い方にも向いた投資手段と言えます。

4 クラウドファンディング投資のデメリットやリスク

クラウドファンディング投資の案件選びをする前に知っておきたいリスクや注意点についても確認しておきましょう。

4-1 元本割れ・貸し倒れ等が発生する可能性もある

各プラットフォームや案件により異なりますが、クラウドファンディング投資のリスクは高めです。投資先は未上場企業やそのファンドになるため、上場企業よりも倒産や貸し倒れなどが発生するリスクは高いと言えるでしょう。

基本的に元本保証などもなく、融資型の利子、ファンド型・株式型の配当なども投資先の業績や事業の進捗等で分配されない可能性もあります。新規性が高く挑戦的な事業に取り組むプロジェクトなどは、プロジェクト自体が開始せずに頓挫するケースもあります。

4-2 換金性・流動性が著しく劣る

店頭有価証券(未上場会社が発行する株式)は、証券取引所で売買することはできないため、換金するためにはIPOにより市場で売却するか、M&A等で株式を買い取ってもらうなどの必要があります。また、譲渡制限付きの場合は、売買を行っても発行者が権利の移転を認めない場合もあります。

このほか、融資型等の場合には運用期間が数ヶ月~3年などと設定されており、その間の途中解約はできないことも留意しておきましょう。

4-3 応募が殺到する

投資案件の募集に対して応募が殺到し、募集に間に合わない場合もあります。特に注目企業の新規事業や高利回りを期待できる案件では、募集が始まって間もなく締め切られて応募できなかったという声も少なくありません。

応募自体は各プラットフォームから簡単に行えるため、人気の投資案件の募集開始日(時刻)はクリック合戦になりやすいことを留意しておきましょう。

5 クラウドファンディング投資ができるサービスは?

クラウドファンディング投資で現在注目されているプラットフォームをご紹介するので、参考にしてみてください。

5-1 CRE Funding

CRE FundingCRE Fundingは、東証1部上場企業の株式会社シーアールイーが案件を組成し、ソーシャルレンディングプラットフォームの販売・運営事業を手掛ける株式会社FUELが運営を行っています。東証1部上場企業が直接運営に携わっているソーシャルレンディングサイトは、このCRE Fundingだけとなりますので、信頼性も比較的高いと言えるでしょう。

株式会社シーアールイーは物流不動産を専門に取り扱う不動産会社であり、CRE Fundingが取り扱う案件は物流不動産に関連するものとなっています。通販ビジネスなどの伸長を背景に物流施設の需要も増えていますので、投資先としては非常に面白みがあります。

CRE Fundingの利回りは2.5%~4%程度と他サービスと比べてやや低めですが、その代わりに、投資家の資産を守るために株式会社シーアールイーによるマスターリースと保証が設定されています。マスターリースとして株式会社シーアールイーが借り受けた時点で、一定の家賃の支払いが契約に盛り込まれています。また、物件の売却時に売却金が投資家から集めた元本の総額に達しなかった場合、不足分についても株式会社シーアールイーが保証します。

ただし、株式会社シーアールイーが倒産してしまえばこれらの保証もなくなってしまいますので、実際に投資をする際は必ず案件ごとの妥当性を検証し、慎重に検討することが大切です。

5-2 SBIソーシャルレンディング

SBIソーシャルレンディングSBIソーシャルレンディングは、大手金融グループであるSBIホールディングスに属するソーシャルレンディング会社です。国内ではmaneoに次いで2番目に古いソーシャルレンディング会社であり、融資残高も2020年3月末時点で421億円、2018年の実績でクラウドファンディングマーケットにおいてトップシェアを獲得しています。(富士キメラ総研調べ)

1案件あたりの募集金額が5億円を超える大規模な募集が多いのですが、それでもわずか十数分ほどで投資上限金額に達してしまうこともあるなど、投資家の間でも非常に人気のあるソーシャルレンディング会社です。

扱う案件は不動産開発案件・太陽光発電案件・カンボジア技能実習生向けの案件など、多種多様なものが揃っています。不動産担保付き案件で貸倒れが発生してしまったことがありますが、その際も90%近い金額を回収しています。問題が起きたときの対応力には、目を見張るものがあると言えるでしょう。

大手ならではの安心感と信用、実績ともに高いものがあります。利回りは5~7%程度の案件が目立ちます。

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5-1 ネクストシフトファンド


ネクストシフト社が運営している「ネクストシフトファンド」は、社会貢献性の高い融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)です。ネクストシフトファンドの「社会的インパクト投資」では、投資家から資金を集め、貧困、環境、地方創生といった国内外の社会課題の解決に役立つ事業に投資しながら、リターンも狙うことができます。

なお、ネクストシフトファンドは匿名組合契約を結んで出資するタイプになります。組合員の出資額を超えて損失を負担することはありませんが、元本保証はありません。最低投資額は2万円で、運用開始後の途中解約はできないことも留意しておきましょう。

5-2 オーナーズブック

オーナーズブック
ロードスターキャピタル社が運営している「オーナーズブック」は、ソーシャルレンディング及び不動産投資クラウドファンディングを提供しています。

オーナーズブックには主に「貸付型」と「エクイティ型」の2種類があります。貸付型では、クラウドファンディングで資金を集め、融資を受けたい企業が所有する不動産を担保にするなどして融資を実行します。投資家には融資に対する利子と元本がオーナーズブックから分配されます。

エクイティ型では、クラウドファンディングで資金を集め、単数・複数のSPC(特別目的会社=資金調達、債券発行、投資家への利益配分等の目的に設立される会社)を経由して不動産信託受益権が購入されます。リターンとしては、物件の運用による賃料収入や不動産信託受益権の売却による売却益をもとに、オーナーズブックから配当・元本が得られます。

貸付型の出資は1万円から可能ですが、エクイティ型では1口50万円など高めの設定金額となります。すべての案件で担保が設定されていますが、元本保証はないことを留意しておきましょう。
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5-3 ファンディーノ


日本クラウドキャピタル社が運営する「ファンディーノ」は、株式投資型のクラウドファンディングプラットフォームです。ファンディーノでは将来性のある未上場企業の店頭有価証券に1万円から投資できます。

ファンディーノの店頭有価証券は普通株式とファンディーノ型新株予約権(当該発行会社の株式の交付を受けることができる「権利」)になります。投資した企業が成長して株式公開や事業売却などを実現すれば、大きなリターンを得られる可能性があるため、新株予約権等は人気があります。

また、優遇税制(エンジェル税制)が利用できる案件では節税効果が期待でき、ほかにも株主優待が得られる案件も提供されています。

なお、ファンディーノの年間投資上限金額は1社当たり50万円です。最低投資額は案件により異なり、最も少額なタイプで1万円、ほかには10万円コース、25万円コース、50万円コースなどもあります。

6 まとめ

クラウドファンディング投資は将来性のある新興企業の株主になれたり、高い利回りでリターンを狙いつつ、社会貢献につながる事業を応援できたりする方法として人気があります。

投資の種類としては「融資型」「ファンド型」「株式型」などがあり、利回りや担保設定などは案件ごとで異なるので、出資したい方のリスク許容度に応じたタイプを選ぶことができます。

なお、クラウドファンディング投資では元本割れや投資先の倒産といったリスクも伴うので、投資先の情報をしっかり確認するなどして、慎重に判断しましょう。

Source: 仮想通貨の最新情報BTCN | ビットコインニュース
稼げるの?クラウドファンディング投資のメリット・デメリット