ソーシャルレンディング、海外へ投資するメリット・デメリットは?注意点も
日本で営業しているソーシャルレンディング会社の中には、日本国内の案件だけではなく海外で運用される案件に投資できる会社もあります。
しかし、海外のソーシャルレンディング案件には高利回りで収益率の高いファンドも見られる一方、国内案件とは異なるデメリットや注意点があります。
そこで、海外案件のソーシャルレンディングに投資することのメリット・デメリット、そして投資する際の注意点を解説します。海外案件のソーシャルレンディングに投資を検討されている方はご参考下さい。
目次
- 海外案件のソーシャルレンディングとは
1-1.日本国内ではなく海外で展開される事業に融資する案件
1-2.日本国内とは適用される法律が異なる - 外案件のソーシャルレンディングに投資するメリット
2-1.投資する国の分散ができる
2-2.事業分野の分散ができる
2-3.10%以上の高利回りな案件がある - 海外案件のソーシャルレンディングに投資するデメリット
3-1.カントリーリスクがある
3-2.日本国内の企業より融資先の情報が少ない
3-3.高利回りの海外案件は国内ファンドと比較して貸し倒れのリスクが高い - 海外案件のソーシャルレンディングで投資をする際の注意点
- まとめ
1.海外案件のソーシャルレンディングとは
まず、ソーシャルレンディングの海外案件とはどういった案件なのかを確認しておきましょう。
1-1.日本国内ではなく海外で展開される事業に融資する案件
海外案件とは、日本国内で営業する会社や事業に対する融資ではなく、日本以外の国で営業している会社や事業への融資案件を指します。
運営される国にはアメリカやイギリス、フランスのような先進国だけではなく、南米や東南アジアなど途上国への融資案件もあります。
1-2.日本国内とは適用される法律が異なる
海外案件で注意をしておきたいのは、日本国内の法律ではなく貸付を行う国の法律に則って運用される点です。
例えば、日本国内で貸金業を行うときには貸金業法に則っているため、100万円以上の資金を融資する際の最大利率は年間15%と定められています。(※日本貸金業協会「上限金利について」を参照)
一方、国によっては貸金を行う際に適用される法律が異なるため、日本国内以上の利回りで融資することも可能となっています。
しかし、海外の法律について日本語で解説されている正しい情報があるとは限らず、法律の詳しい内容を把握することが出来ない可能性があります。国内案件ではイメージしやすい資金の流れや法律について、海外案件において不透明になる可能性がある点には注意が必要です。
2.海外案件のソーシャルレンディングに投資するメリット
ソーシャルレンディング投資を行うときに、海外案件に投資するメリットには何があるでしょうか。それぞれ詳しく見て行きましょう。
2-1.投資する国の分散ができる
海外のソーシャルレンディングに投資するメリットの一つに、投資する国の分散ができる点が挙げられます。
例えば日本の案件のみ、アメリカの案件のみに投資していると、その国の中で経済危機が起きた時に、投資していた全ての案件が大きな影響を受ける可能性があります。
しかし、日本、アメリカ、香港など、色々な国やエリアに投資先を分散しておくことで、一つの国で経済危機が起きた際の影響を少なくすることが可能です。また。後述する為替リスクの観点でも、様々な国に投資をすることで通貨を分散できるメリットがあります。
2-2.事業分野の分散ができる
海外案件のソーシャルレンディングでは投資する国だけではなく、投資対象の事業分野の分散がしやすいこともメリットです。
日本で運用されているソーシャルレンディング案件を見ていくと、その多くは不動産関係の案件です。
国内案件に絞って投資を進めていると、投資先の事業分野の分散を意識していても、投資先の案件が不動産関係に偏ってしまうことも考えられます。
一方、海外案件では企業の運転資金への融資案件や個人への融資案件なども多く見られます。不動産以外のファンドを見つけやすいことも海外案件のメリットと言えるでしょう。
2-3.10%以上の高利回りな案件がある
前述したように、海外案件は日本の法律とは違った法律で運用されているため、国によっては貸付時の金利が、日本よりも大きな数字になることもあります。
例えば、クラウドクレジットのロシアルーブル案件では、2020年9月時点で表面利回り12%と設定されています。日本国内のソーシャルレンディング案件と比較して非常に高い利回りの数値であり、高利回り案件への投資を検討している方にとって海外案件はメリットがあると言えるでしょう。
3.海外案件のソーシャルレンディングに投資するデメリット
海外案件に投資する際には、メリット以外にデメリットにも注目しておく必要があります。どのような点に注意をしておくべきでしょうか、それぞれ確認していきましょう。
3-1.カントリーリスクがある
投資する国によってそれぞれの国におけるカントリーリスクに注意が必要です。
例えばアメリカの場合、ハリケーンという大規模な自然災害が毎年発生します。投資対象が不動産の場合、ハリケーンで不動産が大きなダメージを被る可能性があります。
また複数の国を経由する場合、送金に時間がかかったり、各国の法関係の手続きで送金が滞ることもあります。
過去には、クラウドクレジットの「カメルーン中小企業支援プロジェクト11号」において、カメルーンのトレードファイナンス事業からの資金回収に延滞が生じ、ファンド帰属財産の全てを回収できないことから、運用期間の延長という対応が為されたケースもあります。
このように、投資先となる国独自のカントリーリスクが発生することは、海外ファンドに投資するうえでのデメリットと言えるでしょう。
3-2.日本国内の企業より融資先の情報が少ない
海外案件は、日本国内の会社と比べると融資先の会社の情報が少なくなる傾向にあります。ソーシャルレンディングサイト上で企業情報は公開されているものの、より詳細な情報を自分で調査するのであれば、国内案件と比較して難しいと言えます。
3-3.高利回りの海外案件は国内ファンドと比較して貸し倒れのリスクが高い
海外案件のソーシャルレンディングの中でも、新興国への投資案件では元本回収ができない貸し倒れが起きる傾向があります。
特に10%を超える表面利回りが設定されているような案件では、ソーシャルレンディング会社は投資先の企業へ10%以上の金利を設定したうえで出資をしていることになります。出資先の事業が想定通りに進まない場合、破綻してしまうリスクは高いと言えるでしょう。
海外の高利回りの案件では高収益が狙える反面、投資先の企業に大きな負担がかかっていることから、貸し倒れの可能性も考慮したうえで投資を検討する必要があります。
4.海外案件のソーシャルレンディングで投資をする際の注意点
海外案件のソーシャルレンディングは高利回りで大きなリターンが期待できる反面、カントリーリスクや為替リスク、投資先企業から資金が回収できない貸し倒れなどに注意する必要があります。
これらのリスクを回避するために、海外の高利回りなソーシャルレンディングに投資資金を集中させず、他の投資先へ分散投資をすることを検討してみましょう。
例えば、クラウドクレジットは高利回りな新興国への投資が可能となっている反面、貸し倒れが起きる可能性の高いソーシャルレンディングサービスです。
一方、国内外の様々な種類の案件募集があるクラウドバンクや、日本国内の物流不動産へ投資が可能なCRE Fundingでは、新興国投資と比較してリスクが軽減されています。これらのソーシャルレンディングを複数利用することで、投資資金を分散させることも検討してみましょう。
まとめ
ソーシャルレンディングの海外案件に投資するメリットとして、日本国内より利回りが高く収益性の高い案件があり、投資先の国や事業の分散ができる点が挙げられます。
一方、海外案件のデメリットとして、その国独自のカントリーリスクや、貸し倒れリスク、投資先事業の情報が乏しいケースがあることが挙げられます。
高利回りでリターンの大きなファンドだけではなく、海外案件の中でも比較的ローリスクな案件や、他の投資と組み合わせたポートフォリオを組むなど、バランスの良い投資をすることも検討してみましょう。
Source: 仮想通貨の最新情報BTCN | ビットコインニュース
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