分配金の多いETFのメリット・デメリットは?主な10ファンドも【2020年9月】

日本では長らく低金利が続き、銀行に預けていてもお金が増えない状態が常態化しています。そんな中で、多くの方が投資に注目をするようになりました。

本記事では、数ある投資商品の中でも、証券会社で手軽に購入できるETFのうち高分配金額のファンド10個を比較します。ETFの分配金や基本的な知識にも触れるので、高分配のETFをお探しの方は読み進めてみてください。

※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。

目次

  1. 高分配ETFを選ぶ前に知っておきたい3つのこと
    1-1.ETFの概要や通常の投資信託の違い
    1-2.ETFの分配金とは?
    1-3.ETFを選ぶときに注意するポイント
  2. ETFを購入するメリット、デメリット
  3. 分配金の多いETFの上位10ファンドを解説
    3-1.バンガード・S&P500 ETF
    3-2.SPDR ダウ・ジョーンズ・インターナショナル・リアル・エステートETF
    3-3.iシェアーズ 先進国(除く米国)不動産ETF
    3-4.SPDR ポートフォリオS&P500 高配当株式ETF
    3-5.SPDR ブルームバーグ・バークレイズ短期ハイ・イールド債券ETF
    3-6.バンガード・FTSE・アジア 高配当株式ETF
    3-7.NEXT FUNDS 銀行(TOPIX−17)上場投信
    3-8.上場インデックスファンド新興国債券(バークレイズLocal EM国債)
    3-9.NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信
    3-10.dbxトラッカーズ・MSCI ロシア・キャップド UCITS ETF
  4. まとめ

1.高分配ETFを選ぶ前に知っておきたい3つのこと

分配金の多いETFを購入する前に知っておくと良い基礎知識を解説します。ETFの概要や仕組み、選ぶ際に注意すべき点をみていきましょう。

1-1.ETFの概要や通常の投資信託の違い

ETFとは上場投資信託のことで、日本では金融商品取引所に上場している投資信託のことを指します。上場投資信託は通常の投資信託とは異なり、株式市場が開いている平日の午前9時から午前11時半、午後12時半から午後3時までの間であればいつでも好きなときに売買が可能です。

また、株式と同じく買いたい人と売りたい人をマッチングする板寄せ方式と呼ばれる方法で売買されるため、常に価格が変動します。そのため、同日のうちでも、安いときに購入し、価格が上昇したときに売却してリターンを出せる可能性もあります。

1-2.ETFの分配金とは?

ETFでは通常の投資信託と同様、運用中に分配金を貰うことができます。これは株式における配当に相当するものといえます。分配金を出すかどうかはETFによって異なるため、個別の確認が必要です。

ETFの分配金は、運用されている個別銘柄からの配当や受取利息から、利子、信託報酬などのコストを差しひいたものです。分配金が出るETFの多くは、配当利回りがよい株やREITを投資対象としているETFです。分配金は年に1度、半年に1度など、あらかじめ規定された頻度で支払われます。

1-3.ETFを選ぶときに注意するポイント

ETFを購入する際は、以下の点に注意しておきましょう。

純資産総額をチェックする

ETF・投資信託を選ぶ指標の1つが、純資産総額です。純資産総額とは投資家たちから集めたお金の総額であり、ファンドの人気を表す重要な指標となります。

純資産総額が小さすぎるファンドは、人気がないもの、まだ募集開始されたばかりで実績がわからないものなどの可能性があり、リスクが不透明です。加えて、純資産総額が減少し続けている投資信託は投資がうまくいっていない可能性があるため、注意しなければなりません。

コストを確認する

ETFを購入、保有する際はコストがかかります。購入するときにかかるのが売買手数料で、保有することで日々発生するコストが信託報酬です。ETFの場合は、売買手数料は証券会社ごとの株式取引手数料が適用されるため、ネット証券であればそれほど高額ではありません。

信託報酬はETFによって異なります。なお米国のETFでは、信託報酬ではなく経費率として、信託報酬を含めた経費の割合を表示する点には注意が必要です。

最低購入価格を確認する

ETFの最低購入価格はファンドによって異なります。そのため、気になるETFを見つけた際は、実際に購入できるかどうかを検証する必要もあります。なお、商品の性質上1日の中でも値動きがあるため、最低購入金額は変動する点には注意が必要です。

権利落ち日を確認する

ETFの分配金は、規定された権利落ち日の2営業日前にETFを保有していなければ支払われません。例えば、1月31日が権利落ち日に設定されていた場合は、2営業日前である1月29日まで保有しておく必要があります。2日ではなく東証の営業日ベースでカウントする点に注意が必要です。

2.ETFを購入するメリット、デメリット

ETF購入には以下のメリット、デメリットがあるため、十分に理解した上で購入を検討しましょう。

ETFのメリット ETFのデメリット
証券口座があれば気軽に購入できる 証券口座を開設しなければならない
最短1日でも利益が出ることがある すぐに含み損になるリスクがある
市場の変動によっては大きな利益が望める 地合によって大幅に下落するリスクがある
投資信託と比べて売買手数料、信託報酬が安い傾向 現物株や債券に比べて手数料が高い
信用取引によってレバレッジをかけられる 信用取引によって大きな損失を被ることがある

ETFは通常の投資信託と異なり、ほぼリアルタイムに値動きがある点や、信用取引が可能な点が特徴的で、それゆえに生じるメリットとデメリットがあります。売買手数料や信託報酬も投資信託と比べると安い傾向にありますが、現物の株や債券では発生しない手数料(プロに資産運用を委任するためのコスト)が生じることになります。

3.高分配ETFの上位10ファンドを解説

ここでは、ETFの中でも分配金の大きい商品をピックアップしました。いずれも、東京証券取引所に上場している国内籍のETFであるため、主要な国内証券会社で購入できます。分配金の高さを比較すると共に各ファンドの特徴を確認しておきましょう。

ETF名 基準価額 ETF純資産総額 配当スケジュール 直近1年の分配金/分配金利回り 信託報酬
【1619】NEXT FUNDS 建設・資材(TOPIX-17)上場投信 185,537円 6.0億円 年1回 7,380円/3.97% 0.352%
【1623】NEXTFUNDS 鉄鋼・非鉄(TOPIX-17)上場投信 115,053円 3.4億円 年1回 1,560円/13.56% 0.352%
【1577】NEXTFUNDS 野村日本株高配当70連動型上場投信 18,772円 635.5億円 年4回 783円/4.15% 0.352%
【1632】NEXTFUNDS 金融(除く銀行)(TOPIX-17)上場投信 109,235円 1.4億円 年1回 4,010円/3.67% 0.352%
【1615】東証銀行業株価指数連動型上場投資信託 12,069円 178.1億円 年1回 580円/4.80% 0.242%
【1698】上場インデックスファンド日本高配当(東証配当フォーカス100) 142,431円 116.57億円 年4回 5,460円/3.83% 0.308%
【1631】NEXT FUNDS 銀行(TOPIX-17)上場投信 62,662円 8.1億円 年1回 8,880円/14.17% 032%
【1566】上場インデックスファンド新興国債券(バークレイズLocal EM国債) 43,922円 192.99億円 年6回 2,416円/5.55% 0.495%
【1489】NEXTFUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信 28,424円 269.8億円 年4回 1,265円/4.45% 0.308%
【1495】上場インデックスファンドアジアリート 9,739円 24.54億円 年4回 436.2円/4.48% 0.71%

参照:楽天証券 ※基準価額・純資産総額は2020年9月9日現在

3-1.NEXT FUNDS 建設・資材(TOPIX-17)上場投信

NEXT FUNDS 建設・資材(TOPIX-17)上場投信は、TOPIX-17のうち建設資材に分類される銘柄を対象とした指数との連動を目指すETFです。建設資材とは、建設業、金属製品、ガラス、土石製品に分類される銘柄のことを指します。

3-2.NEXT FUNDS 鉄鋼・非鉄(TOPIX-17)上場投信

NEXT FUNDS 鉄鋼・非鉄(TOPIX-17)上場投信は、TOPIX-17鉄鋼・非鉄指数への連動を目標とするETFです。2020年の分配金は少ないものの、2019年は1口当たり1,185円、利回り8.93%と高水準の分配が実現されていました。

3-3.NEXT FUNDS 野村日本株高配当70連動型上場投信

NEXT FUNDS 野村日本株高配当70連動型上場投信は、野村日本株配当70(配当除く)という指標との連動を目標にしているETFです。野村日本株配当70(配当除く)は、国内取引所に上場している全ての株式から、今期予想配当利回りが高い銘柄を70選出して構成している指数のことを指します。

3-4.NEXT FUNDS 金融(除く銀行)(TOPIX-17)上場投信

NEXT FUNDS 金融(除く銀行)(TOPIX-17)上場投信は、TOPIX-17金融(除く銀行)指数との連動を目指しているETFです。当指数は、東証一部に上場している全銘柄のうち、証券、保険業、商品先物取引業、その他金融業に分類される銘柄で構成されている指数です。

3-5.東証銀行業株価指数連動型上場投資信託

東証銀行業株価指数連動型上場投資信託は、東証一部上場銘柄の中で、銀行業に分類される銘柄の値動きの指数である東証銀行株価指数との連動を目指しているETFです。

3-6.上場インデックスファンド日本高配当(東証配当フォーカス100)

上場インデックスファンド日本高配当(東証配当フォーカス100)は、東証上場銘柄の中でも時価総額と配当利回りに着目して選出された100銘柄の値動きを表す指数との連動を目標としているETFです。

3-7.NEXT FUNDS 銀行(TOPIX−17)上場投信

NEXT FUNDS 銀行(TOPIX−17)上場投信はTOPIX-17銀行に連動する投資成果を目指しているETFです。TOPIX-17は、東証一部上場企業を17業種に分類した時価総額加重型の株価指数のことを指します。TOPIX-17銀行は、そのうち銀行業の指数を利用しているものです。

3-8.上場インデックスファンド新興国債券(バークレイズLocal EM国債)

上場インデックスファンド新興国債券(バークレイズLocal EM国債)は、新興国の国債市場を対象としています。また、ブルームバーグ・バークレイズ自国通貨建て新興市場国債・10%国キャップインデックスという指標との連動を目指しているETFです。

同指標は、バークレイズキャピタル社が算出している一定の基準をクリアした新興国の国債によって構成されています。

3-9.NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信

NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信は、日経平均構成銘柄のうち配当利回りが高い50の銘柄から構成された株価指数との連動を目指しているETFです。

3-10.上場インデックスファンドアジアリート

上場インデックスファンドアジアリートは、円換算したFTSE EPRA/NAREITアジア(除く日本)リート10%キャップという指数の動きへの連動を目標としているETFです。同指数は、FTSEが公表している日本を除くアジア各国の上場不動産投資信託の投資収益を時価総額で加重平均した指数です。

まとめ

今回は分配金の多いETFをピックアップしました。現在、または過去に3%を超える分配利回りを出しているものを基準としてあります。ただし、市況の変化によっては、各銘柄の分配金が下落することもありますので、利回りだけでなく市場の変化に柔軟に対応しながらの売買を心がけましょう。

Source: 仮想通貨の最新情報BTCN | ビットコインニュース
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