ソーシャルレンディングは、投資のハードルが比較的低い投資手法の一つです。投資できる対象は株や投資信託のように何百、何千とあるわけではないため、案件選びで悩むことは少ないでしょう。そのぶんソーシャルレンディング会社が提供する案件を一つ一つじっくりと吟味し、妥当性を確認しながら投資の成功率を高めることがしやすくなります。

しかし、より高い安全性と収益性を確保したいのであれば、より効率的な投資を心がける必要があります。そこでソーシャルレンディング投資を1年ほど続けて初級者から脱したい方に向け、ソーシャルレンディング投資の中級者になるためにチェックしておくべき3つのポイントをお伝えします。

目次

  1. 複利投資を行って収益性を高める
    1-1.複利投資の効果
    1-2.複利投資を行いやすいソーシャルレンディングサイト
  2. ソーシャルレンディング会社のセミナーで気になる点をチェック
    2-1.セミナーでは社屋や役員、社長などを確認
    2-2.案件の条件なども聞きたい
    2-3.会社の方向性も聞ける重要な場
  3. ソーシャルレンディングの投資国の分散
    3-1.分散する意味とは
    3-2.海外の投資案件を扱うソーシャルレンディング会社
  4. まとめ

1.複利投資を行って収益性を高める

ソーシャルレンディングも投資である以上、可能な限り多くの利益を確保したいもの。しかし、利回りの高い案件だけに投資していると、リスクが上がることもあります。ソーシャルレンディングでは投資家が得られる利回りが高いと融資の際の金利も高くなり、返済リスクが上がってしまうのです。

そこで収益性を利回りで追求するのではなく、複利投資によって確保していくことを考えてみましょう。

1-1.複利投資の効果

複利投資ではソーシャルレンディング投資で得られた利益をそのまま次のソーシャルレンディング投資に再投入し、より多くの利益を確保する形を取ります。

例えば利回り7.5%のソーシャルレンディング案件に100万円を投資した場合、1年間で得られる利益は源泉徴収後で約6万円です。同じ条件で投資期間が1年の案件に投資を繰り返した場合、10年後には単純に60万円の運用益を得ることができます。

ここで再投資による運用を考えてみましょう。翌年以降のソーシャルレンディング投資では、利益と元金を合わせたお金を投入し続けることになりますが、このように運用した場合のシミュレーションは以下のとおりです。

(単位:円)

年数 複利投資を行う 複利投資を行わない
1年目 1,060,000 1,060,000
2年目 1,123,600 1,120,000
3年目 1,191,016 1,180,000
4年目 1,262,477 1,240,000
5年目 1,338,226 1,300,000
6年目 1,418,519 1,360,000
7年目 1,503,630 1,420,000
8年目 1,593,848 1,480,000
9年目 1,689,479 1,540,000
10年目 1,790,848 1,600,000
11年目 1,898,299 1,660,000
12年目 2,012,196 1,720,000
13年目 2,132,928 1,780,000
14年目 2,260,904 1,840,000
15年目 2,396,558 1,900,000
16年目 2,540,352 1,960,000
17年目 2,692,773 2,020,000
18年目 2,854,339 2,080,000
19年目 3,025,600 2,140,000
20年目 3,207,135 2,200,000
利益総額 2,207,135 1,200,000

このように20年後の利益には大きな差がつきます。もちろん、途中でデフォルトなどがあると投資資金を一気に失うリスクもありますので、分散投資などは念頭におく必要があります。

長期的な視点に立ってソーシャルレンディングで資産を大きく形成していきたい方は、複利効果を狙った投資に挑戦してみると良いでしょう。

1-2.複利投資を行いやすいソーシャルレンディングサイト

複利投資ではソーシャルレンディングで得られた利益をすぐに投資に回さなければいけません。そのためにはできるだけ投資額のハードルが低いソーシャルレンディングサイトを利用しましょう。投資額のハードルが低いソーシャルレンディングサイトには以下の会社があります。

Funds

FundsFundsでは何と1円からの投資が可能です。1カ月の分配金が数千円しかなくても、翌月すぐに投資に回すことが可能です。複利による運用の効果がすぐに現れます。

オーナーズブック

オーナーズブックオーナーズブックでは1万円からの投資が可能です。1カ月の利益が1万円を超えていれば、すぐに再投資に回すことが可能です。

ただし、現在は2社とも抽選投資方式を採用しているため、抽選に外れてしまうと投資できません。

またクラウドクレジットなど他のソーシャルレンディング会社でも1万円など少額からの投資が可能です。それぞれのソーシャルレンディング会社の最低投資金額をチェックしてみましょう。

クラウドクレジット

クラウドクレジット

2.ソーシャルレンディング会社のセミナーで気になる点をチェック

ソーシャルレンディング投資のリスクの1つには事業者リスクがあります。事業者リスクを避ける方法の1つとして、ソーシャルレンディング会社のセミナーに参加してみる手があります。セミナーではどのような点をチェックすれば良いのでしょうか。

2-1.セミナーでは社屋や役員、社長などを確認

セミナーはソーシャルレンディング会社のセミナールームで開催されることが多くあります。セミナーに参加したらまず、会社の規模をチェックしましょう。社員がどれくらいいるのか、オフィスの広さはどの程度なのか、何年ぐらいそのオフィスを使っているのかなどを調べることで、会社の雰囲気を推し量ることができます。

オフィスの大きさや立地、設備などは会社経営の健全性のチェックに繋がります。また、セミナーに登壇する社員や社長などもよく見ておきましょう。過去の経歴に大きな問題がない人物かどうかをここで見極めます。

2-2.案件の条件なども聞きたい

次にチェックしたいのは案件の融資条件などの詳細です。例えば貸付金利を公開している会社と公開していない会社がありますが、金利を公開しない理由など、普段利用しているだけではわかりにくい点をチェックしてみましょう。

また、同じ会社でも融資先の名前を公開している案件とそうではない案件があります。公開できない理由や融資先の新規開拓の有無など、リスクの軽減につながるポイントをセミナーで聞いておきましょう。

2-3.会社の方向性も聞ける重要な場

セミナーはソーシャルレンディング投資を学ぶだけではなく、会社の方向性も確認できる大変重要な場です。生の意見が社員から聞ける場はそう多くはありません。

会社としてどれくらいの規模を目指しているのか、ソーシャルレンディング事業だけで会社を拡大する意向なのか(その場合は案件の種類を増やす予定があるのか)、それとも、他の事業に進出する予定があるのかなど、会社全体の方向性を聞いてみましょう。できれば融資先についても触れておきたいところです。

3.ソーシャルレンディングの投資国の分散

ソーシャルレンディング案件に投資するときは、投資先の事業分野をある程度は分散させている人もいるでしょう。事業分野の分散はリスクの軽減につながりますし、さらには投資する国を分散することでよりリスクの軽減を図ることができます。

3-1.分散する意味とは

なぜ国を分散する必要があるのか。それはカントリーリスクを避けるためです。例えば日本全体が不況になってしまった場合、たとえ不動産業界やIT業界などに投資先を分散していても、すべての業界が不況の影響を受けることがあります。そうすれば多くの貸倒れが発生するでしょう。

しかし、日本の経済とあまり関係のない国に投資していれば、日本経済の不況の影響を受けることはあまりありません。その逆もまた然りです。そのため、できるだけ多くの国に投資したいものです。

3-2.海外の投資案件を扱うソーシャルレンディング会社

海外の投資案件を扱うソーシャルレンディング会社にはクラウドクレジットがあります。クラウドクレジットは国内企業の融資案件を取扱っておらず、ロシアやヨーロッパ諸国といった先進国、ジョージア、ペルー、カメルーンなどの途上国の投資案件など、20カ国以上のソーシャルレンディング案件を取扱っています。

また、円建てや外貨建てなど、投資の際は通貨を選ぶことが可能です。これにより国内の案件だけに投資するリスクを避けることができます。

また、2019年7月に営業を開始したばかりのソーシャルレンディングサイト、COOLもアジア関連の案件を専門としています。外国人の社長が運営している国内企業への融資を専門とするなど、独特の方針が特徴です。また投資先は国内の事業ではなく、アジア各国で運営されている事業が対象です。

他にも案件の募集は行われていませんが、オーナーズブックはアメリカの大手不動産サイトとの業務の提携を発表しています。今後はアメリカの不動産案件などを取り扱うことをリリースで発表しています。オーナーズブックの新規の海外案件にも注目したいところです。

まとめ

ソーシャルレンディング投資でリスクを避ける、もしくは収益性を高めていくためには、

  • 複利運用
  • 投資先の分散
  • 投資先の会社の詳細な情報の把握

などがポイントになってきます。

特にセミナーは会社のウェブサイトだけではわからない情報を知ることができる場です。セミナーを開催しているソーシャルレンディング会社は、情報の公開や投資家の勧誘に積極的で、会社を拡大させる意欲があると考えられます。積極的にセミナーに参加し、ソーシャルレンディングをより深く知ってみてはいかがでしょうか。

Source: 仮想通貨の最新情報BTCN | ビットコインニュース