投資初心者におすすめのETFは?具体的な10銘柄の手数料・実績の比較も
ETF(上場投資信託)とは、運用を投資のプロが行ってくれる投資信託の中でも証券取引所に上場しており、リアルタイムで取引可能な投資信託のことです。売買の方法や税制は株式と同じなのが特徴で、自分の好きなタイミングで取引を行いたい方や運用コストを抑えたい方に向いている金融商品です。
そこでこの記事では、投資初心者の方向けに、ETFの特徴や取引する際の注意点、注目のETF銘柄について詳しくご紹介するので、参考にしてみてください。
(記事監修者:藤井 理)
目次
- ETFとは?
1-1.リアルタイムで取引できる
1-2.信託報酬が安め
1-3.種類が豊富
1-4.リスクを分散できる
1-5.価格変動リスクがある
1-6.最低投資金額が高め - 投資初心者に適したETF10選
2-1.日経225連動型上場投信
2-2.上場インデックスファンド日経225(ミニ)
2-3.マザーズ・コア上場投信
2-4.東証REIT指数ETF
2-5.バンガード米国増配株式ETF
2-6.バンガードS&P500ETF
2-7.バンガード・トータルストック・マーケットETF
2-8.iシェアーズ・コアJリートETF
2-9.iシェアーズTOPIX ETF
2-10.iシェアーズ・コア米国総合債券市場ETF - ETFを選ぶ際の注意点
3-1.コストを確認する
3-2.流動性を確認する
3-3.商品内容をしっかり確認する
3-4.短期保有の場合は売買のタイミングを確認する - まとめ
1 ETFとは?
ETF(Exchange Traded Funds)とは証券取引所に上場している投資信託のことです(=上場投資信託)。市場が開いている時間帯であればいつでも好きな時に売買可能なので、投資信託でありながら上場株式のように取引できるのが特徴です。
ETFの詳しいメリット・デメリットは以下の通りです。
1-1 リアルタイムで取引できる
通常の投資信託の基準価額は1日1回の更新頻度ですが、ETFは証券取引所に上場しているため、価格の推移をみながらリアルタイムで取引することが可能です。市場が開いている時間帯内で自由に売買を行いたい方や、相場の変動をみながら自分のタイミングで取引を行いたい方に適しています。
1-2 信託報酬が安め
ETFは、投資信託と同じく、保有している間は運用管理コストとして「信託報酬」がかかります。しかし、ETFの信託報酬は投資信託と比べると基本的に低く設定されています。
SBI証券などの売買手数料が安いネット証券を活用することで、購入から運用までコストを抑えて始めることが可能です。
1-3 種類が豊富
ETFはその種類も豊富です。ETFは日経平均株価やTOPIXなどの国内指標や、ダウ・ジョーンズ工業株30種平均、S&P 500などの海外指標に連動するインデックスタイプ、不動産(REIT)や債券、金・プラチナ・原油などを対象指標とするタイプから自由に選ぶことができます。
国内株式を選ぶ場合でも、日本取引所グループ(JPX)では「市場別」「規模別」「テーマ別」から検索できるので、初心者の方でも選びやすいのが特徴です。
1-4 リスクを分散できる
ETF銘柄は投資信託であり複数の投資対象から構成されているため、自動的に投資リスクが分散されます。複数のETF銘柄を組み合わせれば、分散効果をさらに高めることも可能です。
1-5 価格変動リスクがある
ETFは、証券市場に上場している金融商品であることから、価格が常に変動します。例えば、日経平均株価に連動するタイプのETFでは、日経平均株価が下落すると同じように価格が下がります。多くのETFは各インデックス(指標)に連動するよう設計されていますが、売買する際は相場の動向を見極めながら行うことが重要です。
1-6 最低投資金額が高め
ETFでは銘柄ごとに売買単位が定められており、最低購入価格は取引価格×取引単位+手数料となります。例えば、取引価格1,000円、最低取引単位100口の場合、最低購入価格は10万円になります。ETFでは1万円~10万円ほどかかることもあるので、投資信託よりもある程度まとまったお金を用意する必要があります。
2 投資初心者に適したETF10選
投資初心者の方にも向いたETF銘柄は次の通りです。
※本記事は投資家への情報提供を目的としており、特定商品・ファンドへの投資を勧誘するものではございません。投資に関する決定は、利用者ご自身のご判断において行われますようお願い致します。
※全て2020年9月30日時点の情報です。最新情報はご自身にてお調べ頂きますようお願い致します。
※信託報酬は全て税込表記です。
No | 銘柄名 |
---|---|
1 | 日経225連動型上場投信 |
2 | 上場インデックスファンド日経225(ミニ) |
3 | マザーズ・コア上場投信 |
4 | 東証REIT指数連動型上場投信 |
5 | バンガード米国増配株式ETF |
6 | バンガードS&P500ETF |
7 | バンガード・トータルストック・マーケットETF |
8 | iシェアーズ・コアJリートETF |
9 | iシェアーズTOPIX ETF |
10 | iシェアーズ・コア米国総合債券市場ETF |
2-1 日経225連動型上場投信
日経225インデックスとの連動を目標とし、日経225に採用されている銘柄の株式に投資するETFです。投資先はファーストリテイリングやソフトバンクグループなどの有名企業が中心です。
コストは年率0.198%、リターン率は、1年+7.77%、3年+19.95%、5年+42.54%、10年+192.22%となっています。(※過去の運用実績は将来の運用成果を約束するものではないため留意しましょう)。
2-2 上場インデックスファンド日経225(ミニ)
日経225インデックスとの連動を目標とし、日経225に採用されている銘柄の株式に投資するETFです。信託報酬は年率0.225%で、その他諸費用がかかります。リターン率は、6ヶ月+28.77%、1年+7.58%、3年+19.93%、5年+41.89%となっています。
2-3 マザーズ・コア上場投信
東証マザーズCore指数との連動を目標とし、東証マザーズCore指数に採用されている株式に投資するETFです。信託報酬は年率0.5%、その他諸費用がかかります。騰落は比較的激しい傾向にあり、リターン率は、6ヶ月+76.86%、1年+21.83%、3年-9.37%、5年-2.41%となっています。
2-4 東証REIT指数連動型上場投信
東証REIT指数(東証市場に上場する不動産投資信託全銘柄を対象とする指数)との連動を目標とし、東証REIT指数に採用、または採用が決定された銘柄の不動産投資信託証券に投資するETFです。信託報酬は年率0.1705%、その他諸費用がかかります。リターン率は、1年-17.00%、3年+16.97%、5年+22.06%、10年+166.07%となっています。
2-5 バンガード・米国増配株式ETF
NASDAQ USディビデンド・アチ-バーズ・セレクト・インデックスとの連動を目標とし、大型株の中でも前年比増配の実績を持つ銘柄に重点を置いて投資するETFです。コストは年率0.06%、リターン率は、1年+11.13%、3年+43.22%、5年+92.99%、10年+224.46%となっています。
2-6 バンガードS&P500ETF
米国S&P500指数との連動を目標とし、大型株に投資するETFです。米国の主要業種を代表する500銘柄で構成されているのが特徴で、コストは年率0.03%、リターン率は、1年+16.42%、3年+40.75%、5年+92.9%、10年+259.45%となっています。
2-7 バンガード・トータルストック・マーケットETF
CRSPトータル・マーケット・インデックスへの連動を目標とします。CRSPトータル・マーケット・インデックスは、米国株式市場の投資可能銘柄のほぼ100%をカバーする指標です。コストは年率0.03%、リターン率は、1年+16.47%、3年+38.4%、5年+89.46%、10年+252.55%となっています。
2-8 iシェアーズ・コアJリートETF
東証REIT指数との連動を目標とし、東証REIT指数の採用銘柄に投資するETFです。信託報酬は年率0.16%で、リターン率は、3ヶ月+4.56%、6ヶ月+18.81%、1年-17.19%、3年+15.73%となっています。
2-9 iシェアーズTOPIX ETF
TOPIX(東証株価指数)との連動を目標とし、国内株式に投資するETFです。信託報酬年率は0.06%で、リターン率は、3ヶ月+6.26%、6ヶ月+21.26%、1年+3.44%、3年+3.73%となっています。
2-10 iシェアーズ・コア米国総合債券市場ETF
米国投資適格債券市場全般を表す指数との連動を目標とするETFです。信託報酬の年率は0.04%で、リターン率は、1年+6.64%、3年+16.25%、5年+22.12%、10年+41.53%となっています。
3 ETFを選ぶ際の注意点
次に、ETFを選ぶ際に注意したいポイントについて見ていきましょう。
3-1 コストを確認する
ETFを選ぶ際は、必要コストがいくらかかるのかを確認しましょう。ETFの保有期間中は運用管理費である信託報酬がかかります。信託報酬はリターンの大きさも勘案しながら比較したほうが良いため一概に言えませんが、TOPIXや日経平均などの主要な指数をインデックスとするETFでは、年率0.5%以下が一つの目安になります。
ETFの保有期間が長期化すると、信託報酬を含めた手数料が運用結果に影響してくるため、同じような運用内容であれば、できるだけコストの安いETFを選ぶのもポイントです。また、海外ETFでは、為替手数料などが生じることがあるため、トータルコストを明確にしておくことが大切です。
3-2 流動性を確認する
ETFでは、証券取引市場が開いている間、自由なタイミングで取引を行えるものの、流動性が低いETFでは売買が成立しない場合もあります。中には1日の売買代金で10万円にも満たないETF銘柄もあるので注意が必要です。流動性の高いETFを選ぶ場合は売買代金の大きさが1つの目安になるので参考にしましょう。
3-3 商品内容をしっかり確認する
ETFの商品概要では、ETFがどのような銘柄で構成され、どの指標を連動目標にしているかがわかります。また、過去の運用実績からETFの利回りも把握できます。
ETFの内容を調べる場合は、ETFの商品説明のサイトに掲載されている交付目論見書や説明書、レポート等で確認できます。
3-4 短期保有の場合は売買のタイミングを確認する
ETFを長期に保有しようとする場合、多少の短期的な上下変動は気にしすぎることなく、ベンチマークが設定されている銘柄の指数のPERやBPRを参考に、今後10年・20年というスパンで上昇が見込まれると判断できそうであれば購入してみると良いでしょう。
一方、短期保有が目的の場合、直近のチャートから上昇傾向か下降傾向かを判断し、上昇の波に乗るようなタイミングで購入する必要がありますが、相応の経験や専門知識が必要になってきます。
まとめ
ETFは日経平均株価やTOPIXなどの指数に連動して値動きがするように設計された上場投資信託です。投資信託でありながら株式投資のように売買できる手軽さが特徴で、主要指数と連動しているため値動きがわかりやすく、分散投資も行いやすいメリットがあります。
ETFを選ぶ際は、手数料、過去の運用実績、出来高、売買代金などの商品内容をしっかりと確認することが大切です。ファンド数は約230本以上と種類も豊富なので(2020年10月時点)、自身の投資方針に合った商品を見つけることができるでしょう。
藤井 理
大学を卒業後、証券会社のトレーディング部門に配属。転換社債は国内、国外の国債や社債、仕組み債の組成等を経験。その後、クレジット関連のストラテジストとして債券、クレジットを中心に機関投資家向けにレポートを配信。証券アナリスト協会検定会員、国際公認投資アナリスト、AFP、内部管理責任者。
Source: 仮想通貨の最新情報BTCN | ビットコインニュース
投資初心者におすすめのETFは?具体的な10銘柄の手数料・実績の比較も